第35話 小田原の侍魂③
21階層に足を踏み入れてから新たな敵と罠が現れた。余り多く召喚して見られたくないので、現在召喚しているのはストーンゴーレムだけである。先頭にストーンゴーレムに任せて先へ進んでいると。天井の屋根がカパッと開いて忍び装束のコボルトが苦無をを振り下ろして降りて来た。
「うぁ、危なっ!」
「大丈夫!」
「俺は大丈夫。まだ上に仲間がいるかもしれないから理沙も気を付けて!」
「分かったわ」
祐樹の動体視力が上昇していたお陰で助かったが前までの自分だったら即死だった。そう考えると背中に嫌な汗が流れた。だが、今はそんなことを考えている場合じゃない。自分の役割である鑑定で目の前の敵を観察する。
種族 忍びコボルト
レベル 22
HP 156
MP 0
物攻 130
魔攻 0
防御 60
スキル
忍術Lv.1 隠密Lv.1 暗殺Lv.1
忍びコボルト……足軽大将の進化系。武士コボルトのレア種。
忍術……忍術が使える。現在のレベルで使えるのは火遁の術のみ。
隠密……気配を隠す。
暗殺……対象に不意打ち攻撃を仕掛けたときの威力が上がる。
「武士コボルトのレア種みたいだ。隠密と忍術も使えるみたいだから役立つかも」
「隠密と忍術か……。確かに役に立ちそうなスキルね。逃げられる前に倒して仲間にしたいわね」
「ストーンゴーレムは敵の注意をそらしてくれ」
祐樹の指示に従いゴーレムが突進をするが身軽な忍者のスピードには敵わずジャンプをして避けられる。祐樹は空中にいる間にゴーレムの背後から飛び出して刀をで首を刎ねる。
「流石は忍者ね。凄いジャンプ力だったわ」
「そうだね。取り敢えず忍者は抑えたし先へ進もうか」
2人はさらに上へと昇りつつ部屋を探索していると。漆が塗られ綺麗な装飾が施された玉手箱がポツンと中央に置かれていた。
「あれって宝箱だよね。でも、なんか怪しいんだよね」
「一応鑑定してみたら?」
「鑑定……えっと宝箱(罠)宝箱を開けると落とし穴ができる。中は針があり落ちた者を串刺しにするって怖いな。こんな感じの罠が他にもあるかもしれないから気を付けないと」
「他にも罠があるかもしれないし、無暗に物を触らないようにして慎重に進むしかないわね」
2人は先よりも警戒度を上げて天守閣を目指す。
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