第36話 殿のおな~り~①

 いよいよ最後の階層30階まで到達することが出来た。2人は30階層は初めてだったがやる気は十分であった。


「ここまでそれなりに時間がかかったけど、ついに来たね30階層。30階層まで今まで行ったことがなかったから、ちょっと緊張するな」


「私も初めてで緊張するけど、頼りになる仲間が付いているんだから絶対大丈夫よ」


「それもそっか、俺たちには頼もしい仲間がいるもんな。じゃあ、最後の襖を開けるぞ」

 祐樹の頭の中には今まで仲間にしてきた魔物の姿が思い浮かんだ。そして、二人で大きな襖を開ける部屋は戦国時代のドラマで評定をするよう部屋を想像してほしい。上座に3mはある大きなコボルトが胡坐をかいて座り、背後の壁には大きな肉球の家紋が描かれていた。下座には6体の武士コボルトが床几に座りこちらを見ていた。祐樹はこの場にいる全員に鑑定を使う。


 種族 殿様コボルト

 レベル 30

 HP  215

 MP  190

 物攻 170

 魔攻 0

 防御 155

 スキル

 剣術Lv.3 眷属召喚Lv.2 味方強化Lv.1 統率Lv.3 日本語Lv.5

 

 殿様コボルト……武士コボルトの最終進化種。Aランクの魔物。眷属であるコボルトを指揮して戦う。


 眷属召喚……自身より下位のコボルトを召喚することができる。召喚数と種類はスキルレベルにより変化する。クールタイムあり。召喚した魔物が倒された場合24時間が経過しないと再召喚不可能。


 現在召喚可能一覧

 足軽コボルト(5体)

 足軽大将コボルト(1体)


 味方強化……味方のステータスを1割増加させる。


 種族 武士コボルト

 レベル 28

 HP  178

 MP  0

 物攻 156

 魔攻 0

 防御 132

 スキル

 剣術Lv.3 統率Lv.2 日本語Lv.3


『私の城に侵入した不届き者を打ち首にせよ!』

 殿様は祐樹達の方を見据えて家臣たちに命令を出す。すると眷属召喚のスキルを使ったのか大きな魔法陣が地面に現れ足軽コボルトたちが出現した。これで敵は12体対してこちらはマックスまで召喚しても6体。俺と理沙を入れても数では不利に見えるが仲間も進化し強くなったので問題はない。

 祐樹も魔物を召喚し対抗する。カッパーゴーレム×2、ゴブリンウィザード、メラメライオン、ウォータースライム、ストーンリザード。


 種族 ゴブリンウィザード

 レベル 18

 HP  135

 MP  127

 物攻 68

 魔攻 120

 防御 112

 スキル

 火魔法Lv.2 風魔法Lv.1


 種族 メラメライオン

 レベル 25

 HP  187

 MP 80

 物攻 15

 魔攻 0

 防御 144

 スキル

 咆哮Lv.4 噛みつきLv.4 爪術Lv.3 火纏いLv.1


 種族 ビッグウォータースライム

 レベル 22

 HP  164

 MP 55

 物攻 89

 魔攻 113

 防御 108

 スキル

 消化Lv.3 プレスLv.3 水魔法Lv.3 


 種族 ストーンリザード

 レベル 17

 HP  145

 MP  100

 物攻 126

 魔攻 97

 防御 105

 スキル

 転がるLv.2 土魔法Lv.1


 ストーンゴーレムはカッパーゴーレム、ゴブリンメイジはゴブリンウィザード、もやもやライオンはメラメライオン、ビッグスライムはウォータービッグスライム、ロックリザードはストーンリザードへと進化して前よりも強くなった。これで負けるはずがない。

 

『ほう、貴様も魔物を召喚することができるのか。だが私の眷属の方が数で優っている今私の方が有利だぞ。眷属たちよ奴らを殺すのだ』


『ハッ!ワレラカシンダンニオマカセオ』

 この場で唯一日本語のスキルを持つ武士コボルトに指示に従いコボルトたちが襲い掛かってきた。


『凍てつく氷よ、我が敵を貫けアイスアロー』

『ゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブー』

『………………………………………………』

 理沙の新しく覚えた氷の矢とウィザードのファイヤーアロー、ストーンリザードのサンドボールが走って突進してくる武士コボルトを狙い放たれる。


『ワンワン!』

 武士コボルトが何かを言ったと思うと足軽コボルトが武士コボルトを庇い魔法を受ける。


「マジかよ、あいつら仲間を盾にするのかよ」

 これには祐樹も引いた。だが、仲間を盾にした武士コボルトが刀で攻撃してきたのでゴーレムが腕でガードする。そして、武士コボルトの一体を掴み全身の骨を折って倒す。もう一体のゴーレムは腕を振り下ろし足軽大将コボルト2体をぶっ潰す。

 メラメライオンはスキルで爪に炎を纏い胴体を切り裂く。武士コボルトの鎧が裂け血があふれ出る。仲間が襲われているすきに背後からメラメライオンを切り殺そうとするが、それをジャンプで躱し爪で切り裂いて止めを刺す。

 祐樹は武士コボルトと刀をぶつけ合っていた。ステータスでは祐樹が勝っているが剣の技量は互角だった。


「あのコボルト今までの奴より強いな。気を抜いたらやられるかもな」


『キサマモナカナカヤルナ。コノショウブワタシガカツ」

 先に仕掛けてきたのは武士コボルトだった。お互いの刃がぶつかり合うが、力で優る祐樹が押し返しコボルトが体勢を崩す。その隙にグサッと心臓を貫く。他のコボルトたちも理沙の魔法に倒された。


『よくも我が眷属を殺してくれたな。許さん、許さんぞ。私自ら貴様らの相手をしてやろう。賊どもよどこからでもかかって来るが良い!』


 今まで背後で眷属を見守っていたボスがついに動き出したのだ。


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