第5話 対応に追われる内閣
東京駅がダンジョン化して異形の化け物が人を殺したという現象はネットによる拡散により多くの人が承知する事実となった。それにより、ダンジョンを見つけて攻略しようとして怪我、死亡してしまう事例が多発していると各都道府県から報告があった。そのため、新たに法律を制定し事態を鎮静化、ダンジョンの管理をどうするのか速球に結論を出さなければならない状況ゆえに菅原総理と各大臣たちは対応に追われていた。
「総理、ダンジョンには異形の化け物で溢れ人が亡くなっているのです。そんな危険なところに民間人の立ち入りを認めることは出来ません」
総理に意見をしている水谷法務大臣は民間人への開放は反対であった。被害者には10歳未満の子供からお年寄りまで怪我もしくは死亡しており、危ないことは分かりきっているからだ。
「だが、水谷君国会議事堂の外を見たまえ。ダンジョンを公開しろと年齢も性別も様々な国民たちが議事堂を囲み大規模デモを行っているんだ。無視することなんてできるはずがないだろう」
「総理のおっしゃる通りです。防衛省でダンジョンと呼ばれる未知の領域について調べたところ時間が経過するほどダンジョンの攻略は難しくなり、封鎖したところでスタンピードと呼ばれる異形の化け物たちが外に飛び出し都市を襲う可能性もあるらしいのです。ですが、自衛隊や警察だけでいくつ存在するか分からないダンジョン全てを間引くことは難しい。だからこそ、私はダンジョンを開放することに賛成します」
松永防衛大臣は総理に賛成していた。松永大臣に続いて鈴木環境大臣、吉村文部科学大臣、小倉農林水産大臣、森下経済大臣が続いて賛成した。残りの大臣たちはどう判断してもいいか分からず中立的な立場であった。
「魔物を倒すことで手に入った石、いわゆる魔石と呼ばれる鉱石は環境を破壊しない新たなエネルギーとなることが分かりました。現在研究を行っていますが将来的には魔石で車や飛行機を動かすことも可能になるということです。さらに自衛隊が持ち帰った薬品は切り傷程度なら一瞬で皮膚を修復してしまう効果がありました」
吉村大臣の報告に全員が驚いた。
「まさかダンジョンがこれほどの恩恵をもたらすなど予想もしなかった」
「ダンジョンから持ち帰ったものにそれほどの効果があったとは……」
「確かにリスクも大きいですがリターンも大きいという訳ですね」
「現状ダンジョンが確認されているのは日本のみ。これは日本が世界に対して圧倒的優位な立場になるのではないか?」
ダンジョンという存在の凄さにここにいる全員が気づいたことでダンジョンをどのようにしていくか方針が決まった。
「では、ダンジョンを一日でも早く公開するために、一週間以内に法律を制定・公布を行う。私から各党の代表と話をつけて賛成してもらえるようにお願いしてくる。この一週間は忙しくなるかもしれないがみんな頼んだぞ」
「「「「「分かりました」」」」」
こうして総理自ら各党の代表に話をつけ一週間後満場一致で『ダンジョンに関する法律』が宣言通りに法律を制定されダンジョンが身近にある生活が始まるのだ。
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