源流遺跡:禊の黒街
いやぁーまさか……
「本当におチビ出してるだけでマモノに襲われないとは……」
「きゅう?」
「なんでもないよ。ほら、卵をおたべ」
うーむ。マモノにも主級とか階級があって、上の階級のマモノには逆らわない……って感じならこの状況は理解できるんだけど。
次博士に会ったらそういう生態がマモノにあるのか聞いてみるとしよう。
でももしそういう事なら、ここら辺のマモノにとっておチビは上のマモノって事になるのか。まぁ確かに、ヒト食ったりして少しは大きくなってるしなぁ。
でも────
「きゅんあぁ〜♪」
くっそー。上位のマモノだって分かってるのにくそ可愛いなぁこいつ!
っと、いかんいかん。
きちんと気を引き締めて探索しないと。こけておチビが流されましたー、なんてなったらとんでもない事になるからね。
まぁでも、とりあえずおチビには昨日作った首……というか、胴輪がつけてあるから、紐を離さない限りは大丈夫だろう。
さて、それじゃあ改めて探索していきたい所だけれど、そろそろ源流遺跡の目的地にぃ……お、やっとついたね。
半分は地上にあるこの源流遺跡の地下部エリア、崩れ遺跡の崩壊に巻き込まれず形の残った住宅街と思われる場所に常に水が様々な方向に流れ続けているこの場所。
別名、禊の黒街。
噂には聞いてたけれど、これは機動力がないと探索がら大変そうだ。
見た目静かな割に水の流れがものすごく早いし、その水も流れの変化が激しい。その上何よりも水深が、深い。
浅い所で1メートル、深い所だと5か6メートルくらいはありそうだ。そして何より……水中にはマモノがうじゃうじゃ居やがります。
これはどう見ても落ちたら助からないな……
「足だけは踏み外さないようにしなくちゃ」
とりあえず建築様式が地上街とか崩れ遺跡の隠れ家辺りの建物と同じな辺り、やっぱりここら辺も元は住宅街だったんだろう。
……今はもう水に沈んでるせいで大抵の家は屋根の上しか出てないけれど。
でも上層は基本どこもそんな感じだけれど、ここも探索され尽くした感はあるんだよね。実際この家の2階も荒らされてたし。
となるとめぼしい採古物はもう無いか……
「水の中……かぁ」
建物内ならー……いや、やめとこう。
ただでさえ水流がおかしいんだから建物内はどうなってるか……それに、入っても出れないとかあるかもだし、マモノが根城にしてる可能性もあるからね。
それに、おチビを置いていく事になるのは流石に怖い。
ならばやる事はまぁ1つでしょう。
とにかく奥に進む!
そしてここに水が流れ込んでいる原因の滝を観る!
以上!おしまい!
他に何かしないのかだって?探索され尽くされてるんだからやる事が無いのだよ。
まぁでも射杭糸機の精度と取り扱いの上昇にはなるし、悪い事だけじゃ無いさ。それに、一応道中の建物も探索するしね。
さて、それでは改めて禊の黒街最奥目指してー
「がんばるぞー、おー!」
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