隠れ家2

 僕の隠れ家は崩れ遺跡の中央部、以前主級のマモノを倒した縦穴がある地下街の一件の更に地下室……の、隠し部屋にある。

 つまり索敵方でもなかなか見つけるのが大変な場所にある。


 ま、場所はともかくこんな場所があるって事がハクヨクちゃんにはバレちゃったんだけどね。

 さて、たっぷり昨日は女の子のあれやこれやを僕は適当言ってただけだけどハクヨクちゃんと話し合ったし、今日はきちんと本来の目的通り軽く隠れ家の確認をしますか。


 隠れ家なんだから他のヒトが入らないのが前提とはいえ、数ヶ月、もしくは数年単位で放置されている。

 つまりは動物とかマモノケモノで荒らされたりしててもおかしくは無く、きちんと戻ってきたら確認しとかないといけない。


「とりあえず何も住み着いてないのは昨日確認したし、ハクヨクちゃんと一晩過ごした入口の部屋も大丈夫」


 前までの隠れ家ならこれでもう大丈夫だろうって所だけど、この隠れ家は僕のお気に入りなんだ。

 だからちょっと念入りに色々確認させて貰うよ。


 先ずはここ、寝泊まり用の部屋からちょこっと奥に入った所にあるこちら。

 僕が熱鉄板って呼んでるスイッチを押すと板が温まる採古物お水を出す管みたいな採古物を初めとした、料理に使えそうな道具がいっぱいな部屋!

 荒地を進む一族として、代わり映えの無い辛い日々を過ごす為に多彩な料理を身につけるのは基礎教養なのだよ。

 僕の場合それが転じて趣味になった上に、一族内でも1、2位を争うくらいの料理の腕前になっちゃったんだよねぇ。

 まぁでも、おかげでこのコラビスでも心に余裕持ててるんだよね。

 さて、一応ここはハクヨクちゃんに頼まれて果物盛り作った時に昨日も使ったけど、特に荒らされた形跡も何かが通った形跡も無いから大丈夫だとは思うけれど……


「棚の中……って、何してんの」


「きゅあっ」


 さてはおチビ、お腹減ってたな?

 あーあーあー、棚の中の保存食が無惨な事に……


「後で卵あげるから、おいで」


「きゅいぃ〜♪」


 ほんっと可愛いなぁこの子は。

 さて、おチビも回収したし次の場所、この隠れ家を気に入ってる1番の理由の場所に行きますか。

 それがここ!でっかい水瓶がある部屋ー!

 なんだそれだけかって思うかもしれないけれど、これが違うんだなぁ。

 なんてったってこの水瓶、上の採古物を使うとお湯が出る!そしてそのお湯が溜まったこの水瓶に浸かると最高に気持ちがいいんだこれが!


 なんというか、疲れが全部出ていくというか、浸かると体が楽になるんだよねぇ。

 実際傷の治りも早くなってたし、多分そういった効果のある採古物なんだろうな。


 で、パッと見と索力方で探ってみたけれどやっぱり反応はなしか。

 ならもうこの隠れ家は大丈夫そうだね。

 さて、それじゃあこの隠れ家が大丈夫だって分かったことですし────


「んっ……しょ。ふぅ」


 早速お湯に浸かっちゃいましょ〜♪

 いやぁー胸当てつけてもらったんだけど、やっぱり無い方が苦しくなくて楽ではあるんだよねぇ。

 嬉しくはないけれど、外したらぽよんってなるくらいには僕のもそこそこ大きいし、この後戻ったら胸当てのサイズもう一回り……いや、二回りくらい大きくしてもらおう。

 実際潰れて痛かったし。


 さて、それじゃあお湯も溜まって来たしゆったりしますかぁ♪


「おチビも綺麗に洗ってあげるからね〜♪」


「きゅうあー」

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