緑淵遺跡3
「おぉーー!」
素直にこれは、凄いぞぉー!
よし、それじゃあここに来たら一度やってみたかった事を1つ……せーのっ。
「やっほー!」
やっほー……
やっほー………
やっほー…………
やっほー……………
おぉー!
流石この遺跡が緑の淵の遺跡って呼ばれる所以となった名所!底も対岸も見えない超、超、超巨大な大穴!
返済のために仕方なく探索していたとはいえ、こういう凄まじい景色を見ると心踊っちゃうよね。探跡者になってよかったと思える数少ない瞬間だよ。
というか、どれくらい深いんだろこの穴。
本当に底が見えないし、なんなら高すぎて落ちる水が全部霧になってるよ。
試しにだけど、えっとたしかあの辺に……あった。この光水が生きてる街灯を放り込んでみるか。
ぽいっとなっと大穴に近場にあったその街灯を放り込んでみると、その街灯の灯りはどんどん小さくなっていき……
見えなくなったなぁ……それに1分近く経ったのに底に当たったような音も聞こえないって事は、落ちたら死ぬな。うん。間違いないね。
さて、それじゃあこの穴近くを通りながら崩れ遺跡方面に採古物を探しつつ行きますか。
こっちに来た時も確認したけど、この緑淵遺跡は崩れ遺跡の南側に位置する遺跡だからこの方位磁針の指す通り、北の方にいけば崩れ遺跡に辿り着けるはずだ。
とはいえそんな簡単に行く訳もないもので、手にした方位磁針が指す方向は目の前の穴、つまるところ。
この穴の真反対……かぁ。
マジかぁ……いや、こういう時に帰り道のヒントになる物は大抵いい結果を示さないものだけどさ。
にしても真反対か、これは困ったなぁ……この大穴を突っ切るのは不可能だ。でもこの外淵に沿って進むのは流石に時間がかかりすぎるけど……
「仕方ないかぁ」
大人しく歩いて行くとしますか。
……急に襲われて穴に落ちるって事だけはないよう、少し森に入った所を進んでいくとしましょう。
にしても、あの超でっかい草の塊マモノはどこにいんだろうなぁ。多分小さい草団子と同じ種類の奴だけど、見つけたら絶対倒してやる。
そんな事を考えながら元来た道を少し戻り、穴から少しだけ距離を取って穴に沿うような形で僕は歩く。
そして数日後。
こ、これ本当に進んでるよね?
一応1日おきに大穴の周囲で方角確認してるし、目印立てながら進んでるから間違えてるとは思わないんだけれ……ど?
「これは……街か?」
ツタに覆われ木に貫かれ、草や苔がいたるところに生い茂り、道であった場所には川が流れているけれど、それでも街の形は保たれている黒い街がそこにはあった。
いやはや凄い街ですこと。
遺跡とは名ばかりの自然だけのエリアかなって思い始めてたんだけど、やっぱり植物のせいで見つけにくいだけでこういう遺跡もあるもんなんだなぁ。
よし。それじゃあせっかくだし軽く探索……いや、がっつりしっかり探索しよう。
もう二度と来れる気がしないからね。
その為にも軽く罠植物を処理してから探索させてもら────
「ググォォォォォォ!!」
!
来たな、巨大草団子!
ここであったが数日ぶり、あの時の借り、返させて貰うぞ!
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