第21話

「いやぁ、クトル先生にはビックリしたねぇ。」

「あの見た目だもんね。でもいい人みたいだったよ?」


今現在アイシスを女子寮まで送り届けている最中でっす!!《送り狼にならないで下さいね?》おいらまだ5歳!!まだ出来ないよ!!《出来ていたらやったのですね。これだからロリマスは・・・。》出来てもしないよ!!


「世の中色々な人が居るのかぁ。おいら会ってみたいなぁ。」

「どんな人が居るんだろうね?私も会ってみたいなぁ。」


獣人とかはよく見るけどシーガルは初めて見たし、他にもどんな人が居るんだろう?《調べましょうか?》こういうのは実際に見るのが楽しいからね。だから調べなくて良いよ。《わかりました。》


《それよりマスター。アイシスに学園を卒業したら一緒に見に行こうかと誘わなくて良いのですか?》ん?どうして誘う必要があるの?おいらもまだ本当に見に行くか決めてないよ?《左様ですか。(´Д`)ハァ…》


「そういえばアイシス。魔法の練習してみてどうだった?うまく使えそう?」

「うーん。今日だけじゃ変わらないかな?でも今までより使いやすくはなったかも?」

「なら練習頑張ろう!!」

「うん!!」


良かった良かった。少しでも魔法に拒否感が無くなったみたいで。《魔法が使いやすくなっているのも精神的に落ち着いているからでしょうね。魔素は人の意思に感応する性質ですから、魔法を拒否する意思があったらうまく使えないのは当然です。》


事件から時間も経ってるし、おいらが居なくても自力で復活できたかにゃ?《そんなことは無いと思いますけどね。》どして?《秘密です。》


そんな話をしながら女子寮への道を歩いていると数人の人影が道に立ち塞がっていた。そして歩いてきているアイシスを見てニヤリと口元を歪めさせるのだった。


「あの人達なんだろうね?」

「アイシスの知り合いじゃないの?」

「ううん、全然知らない人。」


ナビさんなんかわかる?《デース帝国工作部隊の皆様方ですね。どうやらバッカ皇子の件で、本国から問題になった児童を処分して汚点を無かった事にしろと命令されているようです。そんな事をしても変らないのにご苦労な事です。もちろん一緒に居るマスターも消されますね。》


いや助けてよ!!ナビさんなら事前に対処できたでしょ!!《いやここはマスターの男気を見せる場面かと気を利かせました。》そんな気の利かせ方ヤダ!!


(´Д`)ハァ…。しょうがないなぁ・・・・・。なんていうと思たったか!!おいらは平凡を望む<THE・凡人>の持ち主だぞ!!逃げるに決まってる!!《では来た道を戻ってください。そちらは処理していますので。》だったら前の人達も処理しておいてくれませんかねぇ!!


「アイシス!!逃げるよ!!」

「えっ!!どうしたのジーク!!」

「逃がすな!!追え!!」


突然おいらに手を引かれて走り出したアイシスは戸惑っている様子。そんで工作員さん達はもちろん追っかけて来ますよねぇぇぇぇぇぇぇ!!どっかに工作員から隠れられる場所!!どっかないか!!《そこの曲がり角を右にそして突き当りの茂みに飛び込んでください。》初めてナビさんがナビみたいな事してるぅ!?


《そんなことに驚いている暇は無いですよ?》そうだった!!


「アイシス、次に角を曲がったらそのまま茂みに突っ込むから覚悟しておいて!!」

「えっ!!えっと・・・・わかった!!(´・ω・`*)」


なんかアイシスの顔赤いのは気のせい?《気のせいです。ほらそこの茂みですよ。》


「アイシス行くよ!!」

「はいっ!!」

「せーのっ!!」どぽーーーーーん!!


飛び込んだ先は湖でした。先に教えておいてよナビさん!!《それでは面白くないので。》おいら達の不幸で遊ばないでよもう!!


突然水の中で目を白黒させているアイシスに手で潜ったまま場所を移動する事を伝えて、泳いで少し離れた場所まで移動しました。


ってかこの湖って何よ?学内にこんな場所あった?《この場所は理事長の秘密の場所ですからね。普段は人避けの結界を張って見つからないようにしています。》だから追っ手も来ないのか。


「大丈夫だった?」

「ケホケホッ、うん何とか。どうしてジークはあの人達が悪い人だってわかったの?」


あー、まぁそうなりますよね。だって人影が見えた時点で走って逃げたんだから。《さぁここはビシッと決めてくださいマスター。》


「恰好も怪しかったし周りに人も居なかったからもしかしたらと思ったんだ。正解みたいで良かったよ。」

「怖かったねぇ。」


《50点です。これだからマスターは。「簡単に対処することは出来るけど君を危険にさらす事は出来ない、だから逃げる事を選択した。」くらい言っても良いと思いますがね。》そんな臭い台詞おいらにゃ匂わないぜ!!《似合わないでしょマスター。》


さてこれで逃げる事は出来たけどそれで諦めては無いだろうなぁ。ナビさんあいつ等どうなった?《すでにアイシスに危害を加えようとした命令書と工作員である証拠と共に軍の牢屋に放り込みましたよ?》何度も言うけど最初からやっておいてくれないかなぁ!!


「しばらく様子を見て追っかけてこないようなら戻ろうか?」

「うん!!あっこのままじゃ風邪引いちゃう。ちょっと冷えるかもだけど我慢してね?<粉雪>」


ずぶ濡れだったおいらたちだけど、水が白い結晶になって地面に落ちて服が乾いた。


「おぉ!!ちょっとヒヤっとしたけどすぐ落ちたから寒くない!!ありがとうアイシス!!」

「(∀`*ゞ)エヘヘ。どういたしまして。」


《騒動のすぐ後にこれだけ精密な制御が出来るとは、今日一日でだいぶ成長しましたね。》だね。すごいなぁアイシスは。


「すごいなぁアイシスは。」

「えっ(*・ω・*!)」


《マスター、口に出していますよ。》えっ!!マジ!!恥かし!!(*ノωノ)


「えっとあっと・・・やっぱりアイシスは凄いなって。こんな魔法使えちゃうんだから。」

「えっとね。ジークのおかげなの。一緒に居たらなんか落ち着くから・・・・だから魔法もうまく使えるような気がするんだ。」



《おーっと、ここでアイシス攻勢にでたぁぁぁぁ!!その言葉を受けてマスターはいったいどう返事を返すのかぁぁぁぁ!!》一人で盛り上がって楽しい?《メシウマです。白ご飯3杯は行けます。》あっそ。おいらにゃなんの事やら(´・ω・`)


「じゃあこれからも一緒に居て、一杯魔法の練習しようZ!!」

「うん!!これからもずっとよろしくね!!」(´∀`*)ポッ

「ほっほっほっほっ。若いというのはそれだけで素晴らしい事じゃのぉ。」

「「理事長!!」」


いつの間にか湖の上に理事長が立っていました。っていうかあれすげぇ!!おいらもやりたい!!《スキルを覚えれば出来ますが?》スキル増えるの?じゃあやらない。《使ってからまた収納すれば問題ないと思いますがね。》よくよく考えたら使ってるところ見られたら、そのスキル持ってると思われるでしょ。だからやらないんだもーん。《ちっ!!》


「わしのプライベート空間に侵入者の反応があったのでな。様子を見に来たんじゃが君たちはどうしてここに居るんじゃ?」

「えっとですねおいら達は・・・・・。」


ここはおいらが代表して状況を説明しました。アイシスにバッカ皇子が手を出そうとして返り討ちにあった事、バッカ皇子が更生室送りになった事、それを逆恨みしたデース帝国に訓練所の帰りに工作員を使って襲われた事、おいら達はどうしようもなく逃げたこと。身を隠すために茂みに飛び込んだらこの場所だった事、学園長は考えるような顔して顎鬚をなでながら話を聞いてくれました。


「ふーむ。そのような者達が入り込まないようになっているはずじゃが・・・・・。手引きした者が居るのかの?まぁ良い、状況は分かった。こちらからも国に厳重に抗議する様話を通しておこう。君たちは帰る所だったのじゃろ?どれ送って行ってあげよう。」


にこやかな顔をして理事長が手を振ると後ろに合った茂みが動いて道が出来てました!!いやぁ理事長だけあってすごいなぁ。《<大魔導士>のスキル持ちですからねぇ。これぐらい朝飯前です。》時間的には夕飯前だけどね!!《・・・・・・。》なんか言って!!


「ここはの、わしの家がある場所なんじゃ。人にばれると大勢押しかけてきたりするからの、普段隠しておるんじゃよ。湖は昔から湖畔で暮らしたいと思っておってな。自分で作る事にしたんじゃ。それがまさか君たちに見つかるとはのぉ。おっとそうじゃ、この場所の事は秘密で頼むぞ。わしも静かに暮らしたいからの。」


理事長ってそこまで偉い人なの?《元宮廷魔導師団長で賢者と呼ばれていた人です。学園の理事をやると決めて退職しましたがその力は衰えておらず、いまだに国から戻ってくるように説得されていますね。》うへぇすごい人だったんだ。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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