第22話

「ほれ女子寮の前じゃ。ジーク君は通いじゃったの?校門まで送ってあげよう。」


茂みを抜けたらそこはもう女子寮の前、あっという間に着いちゃった。《空間を曲げて距離を失くしましたか。さすがの腕ですね。》ワープみたいなものか、すごいなぁ。


「学園長!!ありがとうございました!!」

「ほっほっほっ。良い良い。今回は申し訳なかった。学園の守衛課にも連絡して警備を強化しておくから明日からも安心して学び続けなさい。」

「はい!!ジークも今日はありがとう。また明日ね。」 (*^^)/

「うん、また明日!!」(^_^)/


女子寮に入っていくアイシスを見送った後、理事長と二人で校門まで歩いて行く。今回はワープ使わないのか。《何か話したいことがあるのでは?》


「ジーク君。今回の騒動から彼女を守ってもらい感謝しておる。」

「アイシスは友達だからね!!」

「ほっほっほっ、良い返事じゃ。しかし君なら襲われる前に対処できたのでは無いかな?」


ありゃ?なんでそんな事思ったんだろ?《あー、なるほどなるほど。ほほぅ?》ナビさん何か分かった?《教えません。》ケチッ!!いいもん!!自分で聞くもん!!


「おいらにそんな力なんて無いよ?どうしてそう思ったの?」

「これでも<大魔導士>をやっておるからの、君たちの話を聞いてすぐに学園内をくまなく魔法で調べたのじゃよ。そうしたら件の犯人は見つからなんだ。もう逃げおおせたのかと思ったのじゃが、丁度軍から念話が届いての。犯人が牢に入れられ証拠も揃っていたという話を聞いたのじゃ。あ奴らも人避けの結界を使っておったからの。対処できるのは当時者だけじゃと思ったのじゃ。」


それだけじゃあおいらを疑うには証拠不十分だと思うんだにゃ~?《何か確信があるようですよ。》あと念話なんてあったんだね。《この国で念話使いは緊急時の連絡役として国に雇用される安定職ですから。結構な人数が居ますよ。》へぇ~。


「ふ~ん、おいらとしたら軍の所に連れてってもらって助かったけどね。」

「ふむ。嘘ではないか・・・・・。本当にお主ではないのじゃな?」

「(・∀・)ウン!!オイラジャナイヨ!!」


《嘘は言っていませんからね。》やったのはおいらじゃなくてナビさんだもんねぇ。《理事長も抜け目ないですねぇ。嘘を見抜く魔法を使うとは。》やっぱり?でも怪しまれるような事は言ってないと思うんだけどな。


《おそらくどうしようもないから逃げたと説明した時に反応したのではないかと。》あぁだからおいらがどうにかできると思ったのか。


「そうか、今後はこの様な事が無いように注意するのでジーク君も安心して学んで欲しいのぉ。じゃが君は通いじゃからの、通学の際は十分に気を付けるのじゃよ?」

「はーい!」


そんな話をしていたらすぐに校門に着いて、そこには爺ちゃんとエリアさんが“普通の”馬車で待ってました。《エリアさんが3度程ハリセンを振るってこの馬車にしたみたいですね。》爺ちゃんまた金ぴかに乗ってこようとしたのか・・・・・・。


「すまんが勝手に連絡させてもらった。襲撃が有ったというのに1人で返しては問題になるからの。こちらでも調査は進めるから1週間は送り迎えしてもらいなさい。」


「ジークや!!おぉわしのかわいいジーク!!怖かったろう?じぃじが来たからもう安心するんじゃ!!デース帝国には制裁を加えておくからの。しかし今後も不埒な輩がジークを狙うかもしれん・・・・・。そうじゃ!!ここは卒業するまでわしが送り迎えを・・・・・。」

「いい加減にしてくださいロイド様。」スパパパパパァァァァァァン!!


おぉ!!目にも止まらないエリアさんの5連突っ込み!!《さらに威力が上がっていますね。下級の魔物ならあのハリセンで消し飛びますよ?》


「爺ちゃんおいら大丈夫だよ!誰かが助けてくれたみたいだし。」

「そうかそうか。その者には報奨を渡さねばの。デース帝国の土地と支配権等どうじゃろうか?」

「ロイド様、また暴走しておられますよ。お渡しする準備に3年ほど掛かりますから現実的ではないですし。」


3年で人に渡せるようになるのか・・・・・爺ちゃんこわっ!!《まぁ滅ぼすのは1年で済むのでは無いですかね?》ほんと爺ちゃんって何者・・・。


「ロイド殿、今回はこちらの不手際でそちらのお孫さんに迷惑を掛けて申し訳ない。学園でも調査を行い、今後このような事は無いようにいたす故、お許しいただきたい。」

「ふん!!ジークを危ない目に合わせたんじゃ、徹底的に調べ上げて関係者を全員血祭りにあげる事じゃな!!」

「血祭りにはせぬが背後関係を洗って相応の罰を与えると約束しよう。」

「まぁ学園内の事はガルフに任せる。さぁジークや、帰ろうかの。」


爺ちゃんは納得したようなしていないような顔をしておいらと一緒に馬車に乗り込み、屋敷まで帰るのだった。


まぁその馬車の中でも何が有ったのか根掘り葉掘り聞かれたんだけどね?《いやぁロイドさんはわかるのですがエリアさんまで熱心に聞かれるとは思っていませんでしたよ。》相手の風貌から武器と魔法を使ったかどうか詳しく聞かれたもんねぇ。


まぁそんなモノを使われる前に逃げだしたからおいらにゃ全くわかりませんがね。《襲撃者たちは人避けの魔法を使って対象者とその連れ合い以外が来ないようにしていました。さらには痺れ薬や毒、ナイフ等を所持しており攻撃魔法を使える者も居ました。それと襲撃者の中に少児性愛者が居た為あのままだとお二人共色々と危なかったですね。》


それっておいらも狙われてたって事?《ばっちりお尻を見て興奮していました。》ひぃ!!捕まって良かった。(´▽`;) ホッ


ってかロリコンって言わないのねナビさん。《相手はすでに何人も手に掛けている明確な犯罪者ですので。それにロリコンつまりロリータ・コンプレックスとは元々は「少女が中年男性に関心を抱く」という意味で使われていた物なのですよ?》へぇ~って、その意味だとおいらロリコンでも何でもないじゃん!!《近年で意味が変わっていますから。》畜生!!


どうしてナビさんと二人で馬鹿なやり取りしているかと言うと、話を聞いた爺ちゃんとエリアさんが二人でデース帝国に対しての制裁処置と国への報告をまとめてるからなんだなぁ。


「気付かれないように輸入を増やして輸出を減らすかの?物がなければ金があっても買うことは出来まい?」

「それだと他の国からの輸入に走ってしまうのでやはり輸出品の金額を上げ、金貨の換金レートを引き上げてはどうでしょう?それと一部輸出品の規制を行い規制緩和の時期は無期延期にしてみては?」

「もう直接乗り込んで滅ぼすかの?」

「それは国王様と協議して頂かないと、それに攻めるのは最後の手段ですよ。(^^♪」


はい、なんか物騒な話をしております。《ガンバルー商会の支部はデース帝国にもありますからね。アルデニア王国からの輸入品と金銭の換金を一括で取り扱っていますし実際に行われれば金銭価値が暴落して餓死する者も出ますよ。》


そんなにアルデニア王国って信頼度高いの?《国王が立派ですから。民の為の政治を常に行い諸外国とも友好的な国に作り替えた功労者であり、その友好国達のリーダー的存在。そして国の商人たちも真っ当な商売を心掛け双方に利益の有る取引をしている。その評価と実績を持って信頼を勝ち取っています。デース帝国の方はまぁあの皇子を見ていたらわかるでしょう?》上から目線で横暴だからまぁ信頼はされないよねぇ(´・ω・`)


「ふむ・・・・。やはりあ奴とも話し合いをせねば。」

「そうですね。勝手に制裁を加えては国に迷惑が掛かりますし。」

「あ奴には苦労させておけばいいのじゃ。また騒動を起こす前にの。」

「そういうわけにも行きませんから。」


おっ話し合いが終わったみたい。《そして丁度屋敷に到着しましたね。》


「「「「「おかえりなさいませ旦那様、ジーク様。」」」」」


なんか人増えてない?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る