第19話

「さて次に【キーンコーンカーンコーン】おっとチャイムが鳴りましたね。それでは今日の授業はここまで、明日はもう1つの大陸であるア・ペンゲ大陸と各地に存在する魔の領域について詳しく勉強します。遅刻はしないようにしてくださいね。」


そう言って先生は教室から出て行きました。いやぁ頭使うのはちゅかれるなぁ~《対して使っていませんよね?》ナビさんの解説も聞いたから普通の人より頭使ったの!!


「ジーク、帰る前にお願いがあります!!」


帰る準備をしていたらアイシスの方から声掛けられた。《ほうほう、攻勢を掛けて来ていますねぇ。》えっ、おいら攻撃されてるの?《このマスターは本当に・・・。》


「ほいほいアイシスなんじゃらほい?」

「あのね、えっとね、魔法の練習に付き合って欲しいなぁって・・・・・ダメ?」

「よしやろう!!早速やろう!!すぐやろう!!」


上目遣いで目をウルウルさせてもじもじしながら美少女にお願いされて断る奴いたらここに来い。ぶん殴ってやるから!!《暴走していますよ、ロリマス。》ハッ!!オレハショウキニモドッタ( ゚д゚ )


《魔法の訓練をするにしても場所は確保しているのでしょうかね?》ナビさんそろそろロリマスって言うの、止めてくれないかな?《校庭か訓練所が借りられれば良いのですが・・・・・まぁアイシスに確認してからですね。》無視ですかそうですか止める気ないなこれ!!


「魔法の練習は良いけど場所は確保してるのかにゃ?」

「うん!!食堂でお手伝いしてる時に、学園長先生が来て訓練所使う許可貰ってるよ!!今日はアレク先生が訓練所の監督をしているから、話は通してくれるって!!」

「ほいじゃ早速向かいマッスル?」

「マッスル?よく解んないけど早く行こう!!」


アイシスに手を引かれて訓練所まで走って向かいましたとさ。《青の春ですねぇ。》


訓練所では他の生徒が模擬戦してたり、魔法の練習してました。《この訓練所の建物はかなり広くマスターの前世で言えばドームくらいあります。》


「うん?君は学園長が言っていた生徒か?」

「おいら初等部Bクラスのジークでっす!!」

「初等部Bクラスのアイシス・・・・です。」


アイシスさん?おいらの後ろに隠れてないでちゃんと前に出て自己紹介したほうがいいと思うよ?《警戒半分恥ずかしさ半分と言った所でしょうか。》まぁイケメンだからねぇこの先生。


「話は聞いている。二人で魔法の練習をするのか?」

「えっと・・・はいそうです。」

「はいっ!!アレク先生!!二人じゃダメなんですか!!」


どうして二人で練習するのかを聞かれたので逆に聞き返してやったぜ!!( ・´-・`)《ドヤ顔していますが唯の質問ですね。》そだね。


「駄目って事は無いがまだ1年だからなぁ。上級生と一緒なら問題無いが・・・・・。良しお前ら、17番が丁度開いているからそこ使え。そこなら監督所の目の前だしなんか有ったらすぐ駆け付けられるからな。」


《解説しますとこの訓練所は均等な区画で地面に1番か24番まで番号が振って在りまして。1区画ごとに用途に合わせた壁が出るようになっているわけです。ほらあちらでは的が付いている壁を出して射撃練習しているでしょう?》つまりは便利な訓練所なのだ!


《監督官は教員の持ち回りで中央に在る監督所の魔導モニターを使って各区画を管理しています。しかし監督所から離れると何かあった時に対応が遅れるので監督所の近くから生徒を配置しているわけですね。》


「お前ら訓練所は初めてだろ?使い方を説明してやる。」

「「お願いします!!」」

「良い返事だ。付いて来い。」


アレク先生に連れられて17番って書かれた場所に着きました。なんか浮いているパネル?が見えるなぁ。《魔導ウインドウですね。現在これを使っているのは各地域に在る学園だけになります。》なるほど?


「良いか?これがこの17番の稼働壁を操作するパネルだ。ここで壁の種類と標的の固さを決定する。壁が必要ないのであれば引っ込めたままでいいが、周りに迷惑をかけ無いために防壁として壁を出す事が常識になっている。お前らはどんな練習をするんだ?」


結構ハイテクちゃん、この技術使ったら街や村の防壁があっという間にできそうだけど?《この訓練所の地下全てを使って制御術式を組み、そのさらに下にアーティファクトが埋まっています。このアーティファクトがダンジョン産なのですぐには無理ですね。》ダンジョンかぁ、いつか行きたいねぇ。《行かなくても宝箱の中身は収納出来ますけどね。》そうだけどね。ロマンあるじゃん。


「えっと・・・・ジークの収納穴の展開練習と私の氷魔法の練習・・・・・です。」

「おいらの収納にアイシスの氷魔法使ってもらおうと思っているんだZE☆」

「危ないだろ!!普通に的に向かってにしろ!!収納に入れる何てすぐ限界になるだろうが!!」


怒られちまったい。アイシスさんや?おいらを盾にするのはやめちくれ。《そんなことじゃ立派な騎士にはなれませんね。》なんで騎士?


「アレク先生!!おいら先祖返りの収納持ち!!量無限時間停止付!!」

「むっ?本当か?手帳見せろ。」


学生手帳には入学の時に検査した自分のスキルの適正が書いてある。ちなみにこの適正検査は毎年行われてスキルが増えてないかどうか確認するんだって。《これもダンジョン産アーティファクトが使われています。まぁ人の手で量産できるようになっていますが情報量が違いますね。》この学校アーティファクト多すぎない?


そんで手帳を見ていたアレク先生が唸ってる。《ちなみに手帳に記載されているマスターのスキルは<収納>(先祖返り、両無限時間停止付)となっています。》ナビさんが調整してくれました。《アーティファクトだから鑑定できたと思わせるのに苦労しました。》


「確かに最上位の収納であると書かれているが・・・・。魔法を収納に入れるというのは量の確認の為か?穴の維持だけであれば物の出し入れだけで出来るだろ?」

「おいら限界まで収納した事無いから本当に無限に入るのか知りたい!!」

「うーむ。」


《今現在最上位収納持ちの限界収納量を調べる手段はありませんからね。まぁ量無限なので当たり前ですが。過去に同じようにして訓練した勇者が居ますから、教師としては危ないことはさせたくない。しかし限界を知ることは悪いことでは無いと葛藤していますね。マスターの場合その心配は無用ですが。》おいらの収納制限なんか無いからね!!


「アレク先生、どうされました?」

「あぁクトル先生。」


ビックリしたぁ!!半魚人がスーツ着て歩いて来たんですが?《上級生担当のクトル先生です。シーガルと言うちゃんとした人族ですよ。失礼なマスターですね。》ごめんなさい。


突然現れたクトル先生にアイシスも固まっちゃってます。


「おやおや新入生ですかな?驚かせて申し訳ない。私は上級生を教えているクトルという者です。このような見た目ですが人魚とは違いますので仲良くしてくれると嬉しいですね。」


鯛みたいな顔のくせに愛嬌もあってかわいい!!でも人魚とは違うってどういう意味?《人魚は魔物なのです。男女共にその美貌と歌声で人を惑わして捕食します。シーガルはもともとこの世界に居た人族なのですが、その見た目と人魚が悪さを始めたことから同じ魔物として討伐されていた過去があるのです。勇者の活躍により人族と認定され一緒に暮らすようになったのですよ。》人魚が魔物だった!!綺麗なお姉さんを期待していたのに!!


《さらに言いますとマスターと同じ色ボケ勇者が過去に居まして、人魚をどうにかして人族に出来ないかと色々やらかしました。現在魔物の人魚というのは絶滅していますね。》何したん色ボケ勇者・・・・・・。と言うかおいらは色ボケじゃない!!


《何をしたかと言うと魔物の人魚を孕ませて人との混血勧めました。》そいつ絶対日本人だろ!!魔物孕ませるってどういうことだよ!!《驚愕なのは同じような思想の人が沢山居たことですね。それでさらに魔物の人魚の数が激減しました。》変態が多すぎる・・・。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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