第17話

「なぁ、ちょっといいか?」

「んにゅ?」


教室で午後の授業まで外を眺めてぼーっとしていたらなんか話しかけられました。なんだろな?《上級生みたいですね?》


「えーっとどちらさん?あっおいらジークね。」

「知ってるよ。あの氷女の下僕だろ?ちょっと聞きたいことがあってさ。」

「下僕じゃないよ!?」


なんでおいらが下僕扱いなのさ!!失礼しちゃうねプンプン!!《一緒に居るとオーラが違いますから勘違いされたのですね。マスターは<THE・凡人>ですから。》称号の事なんて忘れてたよ!!《まぁステータスなんて使いませんからね。唯の指標ですし。》


「なんだ、あの氷女と一緒に居るからてっきり自分から下僕になるドMかと思ったのに。」

「とんだ風評被害だ!!賠償を請求する!!」

「昼に残ったパンだけど食うか?」

「食う!!」


《マスター・・・・。》言わないで!!パンがサンドイッチでおいしそうだったのが悪いの!!これは賠償だから問題ないの!!


「もぐもぐ・・・で聞きたい事って?もぐもぐ・・・。」

「食うかしゃべるかどっちかにしろよ・・・。で聞きたい事ってのは、氷女の事件って氷の精霊の仕業って言われてるだろ?お前見たことあるかって事。」


なしてそんなこと聞くだ?《聞いてみたら良いじゃないですか。》そだね。


「なしてそんなこと聞くだ?」《マスター訛ったままですよ。》

「お前変なやつだなぁ。俺な将来情報屋になりたくて、気になった事を調べて記事にする練習してるんだよ。せっかくあの大事件を起こした氷女と同じ学園だからな、あの事件の真相に迫ろうかと思ってな。あの事件情報屋界隈では裏があるってもっぱらの評判だから。」


情報屋っていうのは現代の新聞記者って事ね。情報屋が色々情報を集めてそれを記事にして売って生計を立ててるわけ。《まっとうに情報を集める者がほとんどですが、中には質の悪い者が居て問題になっています。》


「そんなの本人に聞けば?」

「氷漬けになりたかねぇからごめんだね。」


うーん、こいつもしかしたらめんどくさいやつ?《このまま行けば質の悪い方になってしまいそうですね。》じゃあ厳しく行こうか。


「そういうの良くないと思うよ?それに本人に聞かずに他人に聞いた情報って誇張されてたり大事な情報が抜けてたりするから信ぴょう性無いし。本当に情報屋目指すならまず本人に許可を取って話を聞いてからその裏付けをするものでしょ?隠れてコソコソするのは感心しないね。」


まっとうな情報屋であれば一度本人に調べますと報告するのだ。それがたとえ本人が調べられたくない事であっても。一度顔を出して調べていますと知らせる事が重要なんだと。

《門前払いや話を聞けなかったらその情報には真実が含まれているとなりますし、事実無根であれば本人からちゃんとした情報が得られる場合があります。この国の情報屋は情報操作なんてしませんからね、裏付けもきちんと取りますし正確な情報が得られると評判です。ですから住民も協力的ですよ。》


まぁそのせいで命の危機に直面することは多いみたいだけどねぇ。《それを撥ね退けるのも情報屋の力ですから。良い情報屋は国に召し抱えられて諜報員になったりしますね。》


「なんだよお前生意気だな。年上の怖さってやつを教えてやろうか!!」


あっ正論ぶつけられたからって火の魔法使って威嚇して来てる。《どうします?》うーん、誰か指導課に通報してくれないかなぁ?《すでに生徒が一人走ってくれていますね。》じゃあ職員が来るまでこのまま待機かな?


「どうだ!!怖かったらおとなしく情報を吐け!!」

「またこのクラスか!!騒いでるのはどいつだ!!」


さっすが指導課の職員、通報から現場到着が速い!!


「貴様!!下級生に向かって何をしている!!」

「えっ!あっ!これは・・・・。」

「うえぇぇぇん、いう事聞かないからって魔法で脅されたよぉぉぉぉ。怖いよぉぉぉぉ。」


《わざとらしいですね。涙も出ていませんよ。》しょうがないでしょ!!ウソ泣きなんだから!!


「話は更生室で聞く。おい連れて行け!!」


いつの間にか二人黒服さんが来ておいらたちを連行して行きました。《他人事ですね?》だっておいら悪くないし?


んで連れてかれた更生室ってなーんにも無いの。机と椅子があるだけ。《刺激を失くし、自身と向き合い己の行動を振り返るというのが目的みたいですね。魔法的に音を完全に無くしたり、視覚を閉ざしたりできるようです。》それなんて拷問?発狂する奴出るんじゃない?《過去に数件あります。どちらもかなりの問題児だった様ですが。》ですよねぇ~。


「さっそく話を聞きたい。先ほどの上級生が魔法で脅したというのは本当か?」


黒服さんが何やら水晶玉を出して質問してきましたよ?《あれは嘘発見器の様な物です。》なるほど。


「本当です。友達のアイシスの秘密を本人に内緒で聞こうとしていて、それを断ったら魔法を使って脅されました。」

「うむ、反応なしか本当の事の様だな。君は先ほどと違って偉く落ち着いているがあれは演技か?」


ありゃ、さすがに落ち着くのが速かったか。《まだあの道具は動いていますね。》じゃあ嘘言ってもしょうがないか。


「そうです。すぐに対応して欲しくて大げさにしました。ごめんなさい。」

「それは良い。むしろ攻撃魔法を前にして良く我慢することが出来たな。他の奴だったら泣き叫んで漏らしている所だ。それじゃあ確認を取ってくるから少し待っていなさい。」


そう言って黒服さんは外に出て行きました。待ってろったってどうしよう?《普通に待っていればいいのでは?》じゃあジュースでも飲んで待ちますか。


収納からグレプ(ブドウみたいなの)ジュースを出して飲んで待っていたら、さっきの黒服さんが戻って来ました。


「ジュースなんかどこから出した?まぁいいか、君の証言が正しいと確認が取れた。教室に戻っても構わないよ。」

「ありがとうございます。」


ふぅ、無実だと人にわかってもらえて安心したよ。《話し方がずっと固かったのもそのせいですね。》そうだよ緊張したんだよ!!(/ω\*)


「そういえばあの先輩ってどうなるんですか?」

「んっ?気になるのか?」

「えぇまぁ。」


実際に問題を起こしたらどうなるのか気になるじゃん?《どんな罰を受けるか事前に調査して騒動を起こすかどうか決めるわけですね。》決めないよ!?純粋な興味だよ!!


「うーん、当事者だから伝えても問題なかろう。奴はこの手の問題を何度も繰り返し起こしていてな。今回は下級生に攻撃魔法を使ったという事で3ヵ月の魔法使用禁止と強制労働だ。」

「魔法禁止?強制労働?」


学校での強制労働ってなんじゃらほい?魔法もどうやって禁止するの?《それはですね。》


「魔法使用禁止は指導課でしか外せない魔法を封じる封魔の首輪を付けてもらう。強制労働と言うのは学校の雑事を行ってもらうことだ。例えば校庭の草むしりや木の剪定、トイレ掃除等だな。結構きついんだぞ?もちろんさぼらないように監督役が付く。」


あららナビさんが解説取られてらw《クッ不覚ッ!!》そんなに悔しがることなの?


うーん聞いてる限りでもおいらはやりたくないなぁ。《近い将来マスターが指導課に捕まる事をまだ知らないのであった。》やめて!!変なフラグ建てないで!!


「ハハハ!!そんな顔しなくても、悪さをしなければ指導課のお世話になることは無いから安心しなさい。」

「でっ、ですよねぇ~。」(;´∀`)


話も聞けたしそろそろ教室に戻ろうかな。《授業も始まってしまいますからね。》


「じゃあ戻りますね。失礼します。」

「おう、二度と来るんじゃねぇぞ。」


なんか前世で見たドラマでの刑務所出所シーンみたい。《まぁ学園の刑務所ですから変わりありませんね。》そだね。


教室に戻ったらいつの間にか戻ってきていたアイシスが心配そうな顔でおいらに話しかけてきた。


「ジーク、大丈夫だった?」

「アイシスやっほー、おいらはだいじょーヴイ。」(*’▽’)V

「良かったぁ。」(´▽`) ホッ


どうやら事の顛末を他の子から聞いたみたい。ごめんなさいって謝られちゃった。アイシス

悪くないのにねぇ?《さすがロリコンマスター、自然に好感度を上げに来ましたね。アイシスも安心した事でしょう。》犯罪臭がするからその呼び方やめて!!てかロリコンじゃないって言ってるでしょ!!好感度ってギャルゲじゃないんだから!!


ガラッ


「皆さん席に着きなさい。授業を始めますよ。」


あっメイサ先生が来た。席に着いて授業の準備準備っと。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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