第7話

翌朝、朝食の席に案内さるともう爺ちゃんが待ってました。


「ジークやよく眠れたかい?朝食も食べさしてやろうか?」

「ぐっすり寝れたよ爺ちゃん!!朝ごはんは自分で食べるから大丈夫!!だからすり寄ってこないで!!」


スパーン!!あっエリアさんいつの間に、ハリセンでかくなってません?《材質も固いものになってますね。》


「ロイド様。あまりべたべたしますとジーク様に嫌われてしまいますよ。」

「じゃってまだまだ甘やかしたいんじゃもん(´・ω・`)」

「はいはい、今日はジーク様を学校に連れて行くんでしょ?帰って来てからにしてください。」


えっ!!帰ってきたら構い倒されるの?やだぁ~(´・ω・`)

っていうか今日早速学校なの!?聞いてないよ爺ちゃん!!


「ジークには言い忘れておったの。今日から丁度学校が始まるんじゃよ。先方にはもう話は通してあるから安心しなさい。もともと試験なども無くて5歳から通える学校じゃでな。いずれは国民全員に教育を受けさせたいと国王が言うておったわ、うちの商会も出資しておるから無茶も利くからの。何かあったらすぐおじいちゃんに言うんじゃよ?ジークを困らせた奴らは地獄に落とすからの。」


爺ちゃん目が笑ってないよ・・・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

絶対爺ちゃんには世話にならないようにしよう。変に目立っちゃう。《王家御用達の商会から来る子供というだけですでに目立っていますけどね。》言わないで!!


「準備の方はこちらで整えて置きました。馬車に積んでありますので後で確認をお願いします。」

「うむ。ジークや身支度を整えたら一緒に学校にいこうなぁ(*’ω’*)」


うーん、爺ちゃんの事だからまたやらかしている気がする・・・・・《昨日会ったばかりなのに良くお分かりですね?》昨日の奇行を見てたらわかるでしょ・・・・・。


部屋に戻って用意されていた制服に着替えて玄関に行くと、成金趣味の金ピカな馬車が停まっていた。


「爺ちゃん・・・・ナニコレ?」

「これか?いつお前たちが来ても良いように特注で作った馬車じゃ!!中身も快適になるように魔道具をふんだんに使っておる!!外装も帰ってきたらすぐわかるようにしておるのじゃ!!」

「こんなの恥ずかしくて乗れないよ!!普通の馬車でいいよ!!無いなら歩いて行く!!」


こんなのに乗ったら目立ちまくりな上に印象悪くなるじゃないか!!おいら成金じゃないやい!!《収納の中身を売ればこの国買い取れますが?》やりません(´・ω・`)


「会長、お耳を。」


おろ?エリアさんが何か爺ちゃんに話してる。最初は悲しそうだった爺ちゃんの顔が今やキラキラ輝いてるんだけど、何言ったの?

《どうやら歩いて行けばついでに王都散歩を一緒に出来ると言ってますね。時間にも余裕があるみたいです。》これ時間通りに着けないやつでは?《私もそう思います。》


「よしそこまで言うなら歩いて行こうかの。荷物はおじいちゃんが持ってあげよう。ついでじゃから王都観光もしようかの。」

「爺ちゃんに悪いから普通の馬車用意してくれる?エリアさん用意できる?あっ大丈夫、じゃあそれで。」

「(´・ω・`)ショボーン」


爺ちゃんがまた悲しそうな顔してるけど初日から遅刻したくないしまた暴走する予感しかしない!!だから安全策を取らせていただきます!!エリアさんもなんで馬車じゃなくて徒歩を勧めるかなぁ。《どうやら困ってるマスターを見て興奮してるみたいですね。Sですね。》おいらの周りは変人しかいないのか!!


朝からバタバタしたけど用意された普通の馬車に乗って無事学校に着きました。馬車の中では爺ちゃんしゃべりっぱなし、家の事とか今までの生活とか好きな物とか色々聞かれておいら疲れたよ(´Д`)ハァ…《お疲れ様です。》


案内されたのは学校の理事長室、学校に来たら挨拶しないといけないんだって。


コンコンコン

「どちら様ですか?」


一緒に付いてきたエリアさんがノックする。そしたら扉から女の人の声が聞こえてきた。


「ガンバルー商会の会長ロイド様とそのお孫様のジーク様です。通学の挨拶に伺いました。」

「少々お待ちください。・・・・・・どうぞ。」ガチャ


少し待たされたあと扉を開けて通してくれました。そこにはスーツみたいな服を着た女の人と爺ちゃんより髭の長い髪ふっさふさのおじいちゃんがいた。


「お久しぶりですな理事長。今回は孫のジークが学校に通うので挨拶に伺いました。」

「これはこれはロイド殿、お久しぶりですなぁ。そちらが噂の?」


理事長の爺ちゃんが優しい目でこっちに目を向けた。噂のってどういう噂?おいら気になります!!《孫が生まれた。超絶プリチィーで超天才に違いない。この学校に通わすから便宜図れというような話をしたみたいです。》爺ちゃん・・・・・・。


「お初にお目に掛かります。名をジークと言います。理事長のお名前をお伺いしてよろしいでしょうか?」

《マスターちゃんと挨拶出来たのですね。》本気を出せばおいらだって出来る!!あと爺ちゃん挨拶だけで感動して泣かないで!!


「ほっほっほっ、本当に賢そうな子じゃ。わしの名前はガンダルフ・ヴァン・ルドルフ。長いのでの、ガルフと呼ばれとる。ガルフ爺ちゃんと呼んでくれていいぞい?」

「むっ!!ジークの祖父はわしじゃ!!お主など理事長で十分じゃろ!!」


おぉ!!やっとまともそうな人が!!そして爺ちゃん嫉妬しない!!《この理事長も実は・・・・》 (∩゚д゚)アーアーきこえなーい《残念です。》


「ほっほっほっそれは冗談として。ジーク君、ようこそアルデニア王立学園へ。私たちは君の入学を歓迎しよう。まず今日はの、実力を見るためにテストを受けてもらう。その結果を受けてクラス分けを行うのじゃ。場所は講堂で行うからの案内の者が立っておるので聞くと良い。他の入学生もぼちぼち来始めているようじゃし、そろそろ向かいなさい。その他の詳しいことは結果を張り出した後説明するからの。」

「わかりました。では早速行ってきます。爺ちゃんもここまでありがとね。」

「ジークやおじいちゃんも一緒に・・・。」

「やめてください会長、仕事が溜まっているので帰りますよ。ジーク様頑張ってくださいね。」ガシッ!!ズリズリズリズリ

「待て!!待つんじゃエリア!!引き摺るんじゃない!!わかった!!わかったから!!」

「またいつでも来るとええ。」


おいらたちは理事長室を退室してすぐに別れた。理事長が言っていた通りに案内係の人に場所を聞いて進んだけど道に迷っちゃった。(・ω<)


結局ナビさんに助けてもらって時間ギリギリに講堂に着きました。《世話が焼けるマスターですねぇ》その為にナビさんを貰ったからね!!


案内された席に着くと赤髪のスラっとした男性が前に立って話し始めた。


「えー皆さん本日はアルデニア王立学園にご入学おめでとうございます。私はアレクと言います。本校は学びたいという人全てにその門を開いています。その理念を守る為、入学生は全員平等に扱います。不満のあるものはすぐに出ていきなさい。」


いきなりぶっこんできましたぁ!!皆ざわざわしてるよ。そんな中手を上げる子が!!度胸あるなぁ。


「質問よろしいでしょうか?」

「あなたはえっと・・・・・、エレナ・ジグナートさんですね。エレナさんと呼ばせてもらいます。質問はなんですか?」


こちら青髪の眼鏡を掛けたすごく頭のよさそうな女の子でござい!!こういう子が学級院長とかやるんだよねぇ、THE・委員長!!って感じで!!おいら詳しいんだ。《テンプレですね。》


「おっしゃられている平等とはどの範囲までなのでしょうか?」

「エレナさんの質問にお答えします。学園生活に関わる事、敷地内で起こった問題すべてにおいて貴族も平民も無く平等に扱います。そもそも貴族家の子供というのは継承権を持っている“だけ”の子供ですからね、優遇なんてしません。この学園を退学になるという事がどういうことかは皆さんお分かりですね?」


ほえ~《お爺様は融通が利くとおっしゃっていましたのでどこまで本当かわかりませんけどね。》あっそうだね。(;^ω^)


この学園は王都にあるだけあって有名で、卒業生の中には過去の魔王を倒して英雄になった人もいる。逆にこの学園を退学処分になった者は国外追放や処刑される犯罪者が多く、貴族家の者がその処分を受けたら犯罪者のレッテルを張られる前に廃嫡の可能性がある。


もちろんそんな簡単に退学処分が出る事は無く、その前に学園の指導課による徹底した更生措置が取られてから復帰する。処分者はそれでも更生できなかった人達って事。


そんな犯罪者予備軍を放置しているわけもなく、退学処分者の名前は国のブラックリストに入り監視もされるわけ。だからこの学園を退学処分で抜けたらもれなく人生しゅ~りょ~ってなもんですわ。《全て私が今マスターに教えた事ですけどね。》テヘ(*・ω<)


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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