戸摩氏ロロについて調べてみました。

 こんにちは! ノリ大和です!

 

 今回はこのコメントを見てみましょう。


>すみません。わたしは戸摩氏ロロのファンなのですが今回の騒動で叩かれていて悲しいです。彼女の援護をしていただけないでしょうか。


 というわけで今回は戸摩氏ロロについて話していきましょう。

 ただし援護をするのではなく、あるがままを書くことにします。気持ち悪いと言われても、中立でいたいので。


 戸摩氏ロロはVRチャット内で配信を行う女性VR配信者です。

 名前の由来はジェイムズ・エルロイのノワール小説『L.A.コンフィデンシャル』を映画にした同名の映画においての重要なワードである『ロロ・トマシ』を元にしています。

 彼女の活動拠点もまた、夕闇下水溝でした。

 夕闇下水溝にはVR映像を直接再生する機能はありません。しかし、外部サイトとリンクすることは禁止されていないので、下水溝内のコミュニティ限定で公開して、ある程度の視聴者と共に楽しくやっていたようです。

 彼女の配信スタイルは下水溝にふさわしい物でした。

 主に一人用の二次創作VRFPSやホラーゲームを行い、ダメージを受けるごとに自分のアバターが傷ついていき、そして彼女の迫真の演技による悲鳴が上がります。視聴者はロロが傷つく姿を見て加虐心を満たす、というのがその動画のコンセプトです。トーク力も高く碩学趣味にあふれたその会話内容は、ファンの声の中では、『配信スタイルを変えれば大手動画サイトでも人気が出る』というものもありました。


 彼女が配信で語っていたことにこんな話があります。

 コメントで、『こんな配信内容で頭いいっぽい話する必要がある?』と言う問いに対して、「好きでしょ、頭いいっぽいこと言ってる女の子が程い目に合うこと」と戸摩氏ロロは答えました。


『グロさえなければ、他でもやっていける』


 このことが他サイトに切り抜きを転載される原因となったようです。

 皆さまの知ってのとおり、彼女の配信のグロテスクな部分を除いて大手動画サイトに転載されたわけですが、そこでは最初のうちはそこまで見向きはされませんでした。VR配信者は当時でさえ飽和状態だったので、少しトーク力が高くて碩学趣味だからと言って人気が出るわけでは……いや、すみません。配信者周りの人気の出方については、私にもわかりません。どうやっても憶測の域を出ないので、『人気が出ない理由はわからない』とこの場所ではさせていただきます。


 戸摩氏ロロに注目が集まったのは一回目の炎上の時でしょう。

 つまり例のニュースです。

 2月1日未明、ある女性が病院に運ばれました。

 なんでもその女性は動画配信を行いながらも、自傷行為を行い、出血多量により失神したとのことです。

 ネットの住民はこの事件を面白がり、すぐに配信者の特定にかかりました。そして見つけたのが『戸摩氏ロロ』の動画だったというわけです。

 皆が転載元である下水溝の動画を見たとき、皆は戦慄しました。血が飛び出て、内臓が口から吐き出され、眼球が飛び出る。脳味噌を失った彼女が痙攣する様はリアルすぎて、中の人の特定前の下水溝の住民でさえ通報を考えたほどでした。そんな悲鳴の数々がリアルでつけられたものだったのです。もちろん、アバターの腕が切断されたからと言って、実際に腕を切断しているわけではなく、皮膚の先を切りつけていた程度でしょう。しかし動画で見ると実際にアバターと同じように傷ついているようにしか思えず、制止を促す批判が飛び交い、毎度のことのように夕闇下水道事態にも閉鎖を促す声が飛びました。

 下水溝の住民もまた彼女のニュースにはショックを受けました。そもそも彼らもまたフィクションを楽しみたかっただけで、実在の女性が傷つくのを見たかったわけではないということでした。


 それでも数々の制止と批判を振り払い、彼女は帰って来たのです!


 と言うとかっこいい感じですが、中立を主張する私でさえ、やめておいたほうがいいんじゃないかと思います。ただ、まあ無理やり止めることは私にはできません。


 さて今回の二回目の炎上の件ですが、彼女はあくまでゲームが見つかるきっかけを作ったに過ぎないので前回は戸摩氏ロロについては強く触れませんでした。このゲームを配信することは、アフターダークプロジェクトと残酷劇物質両方のガイドラインから照らし合わせても違法性はありませんし、彼女は転載禁止を執拗に動画説明文に記していました。なので戸摩氏ロロ自体は今回の炎上についてはそこまで重要な立ち位置ではなかったというのが私の見解です。


 と、昨日までそう思っていたのですが調べていくうちに少し興味深いことがわかりました。

 彼女が今回の炎上についての意見をブログ内で表明していたので、ここに引用させていただきます。


 こんにちは。戸摩氏ロロと言います。

 この度の炎上に関して様々な方から謝罪を求める声が上がりました。確かにいくら転載禁止を主張しても、する人はするのだから、このようなセンシティブな内容のゲーム実況を配信したということは、軽率だったかもしれません。しかしながら、今回議論に上がっていることの本題に対しては、私自身にある非はほんのわずかだと考え、反省はしても謝罪はいたしません。

 ただVRゲーム残酷劇物質に関してはある種の思い入れがあるため、私自身の考えを表明したく今回の声明を出させていただきました。


 少しだけ自分語りをさせていただきます。

 私は学生時代、一時期だけイギリスに留学をしていたことがありました。

 理由はいろいろありましたが根っこの部分は至極単純で、『生まれ変わりたい』と言うものでした。学生時代、学校と言う閉鎖空間に息苦しさを日々抱え、今の自分はこんな場所では成功できないという思いを持ちながら過ごしていました。自分を閉じ込める場所はさなぎのようなもので、いつか私はそこから飛び立っていけるのだと。そのためなら自分はなんだってできると。そのために一度日本を出てみようと思ったのです。

 しかしながら留学先の暮らしは散々でした。

 ホームスティ先の方々は優しかったです。なかなか英語を覚えられない私に「ゆっくりでいいよ」と柔らかく声をかけていただきましたが、それでも私は内心では彼らが怠惰な生活を送っていることに軽蔑しているのではないかずっと恐ろしかったです。怠惰…そう言っていいのでしょうか……言い訳はいくらでもできます。急激な環境の変化でストレスが溜まり、疲労が出やすくなった……もともと神経質な性格なのも併せて、一時期は克服したと思っていた人見知りが復活した……ただ結論から言うと留学を失敗したということです。

 同じスクールの皆もまた優しかったです。いえ、優しかったのでしょうか? 私が優しいかどうかも察するほどの英語のコミュニケーション能力を得られなかったために、実際のところはわかりません。ただ事実として、私が彼らだとしたら私のことを見下していたでしょう。そう考えたとき自分自身の卑屈さと下劣さに嫌気がさし、また必要以上に落ち込んでステイ先に迷惑を掛けました。

 そんなある日私は彼女と出会ったのです。


 彼女の先祖は首狩り族の出身だったそうです。詳細な部族の名前は彼女のためにもこの場で言うことは控えさせてもらいます。

 彼女のことを聞いた時はたちの悪い噂を流す者もいるものだと思ったのですが、実際の所彼女自身がその噂を広めていたのだから驚きです。そしてそれが嘘ではないことも学内の皆がわかっていたのです。

 彼女の祖先は19世紀の終わりごろまでパプアニューギニアのある島で狩猟採取生活を送っていたそうです。しかしながら、武装して上陸した英国人との衝突(と言う言い方はかなり気を使った言い方、あるいは気を使わないい方なのですが)をきっかけに、西洋文化の流入と共にその部族は事実上消滅しました。しかし部族の生き残りはキリスト教化しながらも、その祖先の教えは忘れることはなく、親から子へひっそりと伝えてきました。すなわち人食いの教えを。

 こういうことを広めると完全に人食いをやめた部族に対しての偏見が増していくことは重々承知はしてはいます。ただ彼女はそのことを誇りに思っており、そして同時に私が通っていたスクールは思想の自由性が強い場所だったので彼女を否定はしませんでした。否定はしないといっても、仲良くできる人は少ないようで、彼女は学内では浮いた生活を送っていました。

 そこで私はかつて人見知りを一度克服した方法をとることにしました。すなわち浮いた者同士で仲良くなることです。

 私の悩みは改めて思い返すと、いかにもな平凡なもので、それに対して彼女の孤独性と言うものは複雑な民族性とアイディアンティによるもので、比べるようなものでもありません。だからこそ、私は彼女と話すことで何か変われるかもしれないと思ったのです。

 つたない英語で話しかけた私に対して、彼女はこう返しました。

「あなたを食べても仲良くしてくれる?」

 私は頷きました。


 ※ ※ ※


 あっ、ちょっと引用しすぎましたね。

 ちょっと中略していきます。


 ※ ※ ※


 初めてナイフを体に入れようとしたときはやはり怖かったです。

 震える手で、何度も切り損じました。泣きそうな目で誰かに助けを求めるようにあたりを見回しました。そしてその視線の先にはいつもの彼女がいたのです。彼女は私を見つめて微笑みます。「わたしがやってあげようか?」その言葉に私は凄く救われたような気分になったのです。そして彼女がそっと優しくナイフを立てて、金属の塊を私の中に入れていったとき、体の芯の底からしびれるような快楽が襲ってきました。

(中略)

 腹肉のほんの一部を切り取っただけでしたが、ステイ先のファミリーの皆は凄く心配をしていました。そのことについては本当に申し訳なく思います。

 それでも脈打つように体を蝕む痛みこそ、私が彼女の中に吸収されたという証でして――

(中略)

 その日初めてSMクラブと言うものに行ってみました。行った感想としては、確かに私はマゾヒズムにとらわれてはいるようでしたし、自分は両性愛者かもしれなと思いましたが、何か物足りなさを感じ

(中略)

 私は彼女に卒業したらどこへ行くのかと聞きました。「世界を回ってみるよ」とはっきりと答え、同じような人たちで集まり、それでいて皆に迷惑をかけないような集団を作る、と続けました。それはとても難しいことだと思いました。私は彼女に上手くいくようには祈れませんでした。どうせなら私と二人で同じことをし続ければいいのに。二人だけなら怪しげな趣味ですが、複数集まると危険な宗教として世間は排除に向かうでしょう。ただそれでも私はこの留学で、彼女に出会ったことで変化したと、自信を奮い立たせて、彼女を応援しました。

 その数か月後、留学期間を終え、私は日本に帰国したのです。

 その時また環境の変化により体と精神を壊してしまいました。あんなに嫌だったイギリス時代が懐かしく思え、日々鬱屈とした生活をまたも繰り返し始めたのです。そんな中これではいけないと思い始めたのが自傷実況でした。もっとも私の中の自傷癖は、マゾヒズムと自罰が別々の所にあり、ゲームによるダメージと、自分による自傷のタイムラグを生かし、両方を満たすという試みで、これが思ったより上手くいきました。配信と言う形にしたのは、誰も見ていないのにより痛がる演技をするというのは、やっていて恐ろしく虚無だったからです。

 そして私は残酷劇物質に出会いました。

 そう。あのミミノのエピソード。 あれこそが私の求めていたものでした。

 私はミミノに扮し首狩り族に食べられたのです。私は首狩り族たちを彼女の作ったコミュニティに重ねて想像しました。ロールプレイこそがVR配信の本質と私は考え、私の表面を走るVRの膜こそが私の代わりに私の願望をかなえてくれた私自身でした。

 最後に、私は今回の騒動については意見を有しません。しかしながら残酷劇物質を作った製作者に感謝の意を表します。例え作った目的が下劣な性的欲求のためだったとしても。私はそれとは別の下劣な性的欲求を満たしました。


 ※ ※ ※


 と、いうわけでした。

 いかがだったでしょうか。参考になりましたか?

 それでは次の更新はまた来週になります。また会いましょう


※ ※ ※


コメント


いや、一次創作でやるべきでは?


もはや引用の域を超えてると思ったけど、元見てみたらさらに長くて笑った。


俺マゾだけど彼女はマゾとはまた違うものだと思う。


いや俺は彼女の考えには敬意を表する。


ずっと残酷劇物質のことばっかり言ってるけど、オリジナルのアフターダークガールへズのリスペクトが足りないのでは?


アフターダークガールズに関しては中略された部分でかなり入念に語っていますよ。

この引用の仕方は正直悪意を感じる。


その「彼女」のことが好きだったら、加虐趣味の男がたむろするアングラ系サイトで配信して性の対象になるのは裏切りでは?


戸摩氏ロロさんは両性愛者ですけど、別に彼女のことを恋愛的や性的に愛してるわけではないようです


えっ、じゃあ引用の仕方でそう感じただけってこと!?


そもそも首狩り族の宗教観を被虐趣味と同列に語るのは結構な侮辱なのでは?


ニベディタ・センの「ラトナバール島の人肉食をおこなう女性たちに関する文献解題からの十の抜粋」って短編小説に若干似てない? 創作なのでは?


※このコメントは削除されました※


※このコメントは削除されました※


※このコメントは削除されました※


>すみません。現在戸摩氏ロロさんの中の人だと思われる女性が失踪しているようです。ノリ大和さんは何かご存じないでしょうか?

何故消したんですか? 何か知ってるんですか。


このサイト主は結構雑な奴だからなんも知らんと思うよ。きっと面倒くさくなって消しただけ。

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