第13話妖精とディナータイム

 アウラが席に座ると青と黒の妖精がポンッ、ポンッと目の前にあわられた。


「はじめまして、あたちは水の妖精アクア!」


 てのひらぐらいのサイズの青い女の子の妖精が名乗る。


「ぼくは闇の妖精アンブラー」


 同じく黒い男の子の妖精が名乗る。


「うわっ、すっげぇ」

以外で

(なに?)


 他生徒達がやたらこちらを見て驚愕してる。

 王子達が居るからその所為かと思ったが、どうやら違うようでアウラは周りを見渡す。


 カナリア様は緑と白の妖精に、フィリオとフィリアは青と黒と白の妖精、ラピドゥス様は緑の妖精、コル様は黒と橙の妖精、フレイムは赤の妖精。

 妖精の色は『魔力の蝶々マナ•パリピオー』と同じで妖精の属性を意味してる。


(変わったところないよね?周りの生徒ひとも妖精いるし)


 ルシオラに視線をうつしたら。


「!!!???」

「あんまりくっつかないで…」


 困り果てたルシオラがすっごい量の妖精に頬ずりされている。


「「この妖精達は?」」

「食堂のメイド妖精だ」

「「メイド妖精?」」

生徒おれ達の食事を用意してくれる。

 学園の至る所に庭なら庭園妖精、寮や学園を掃除する清掃妖精などがいて生活をサポートしてくれる」

「その妖精がどうして僕の所にこんな集まるんですか?」


 フレイムの説明を聞いたルシオラは妖精達をあしらいながら聞くと、


妖精こいつらのエコ贔屓ひいきだよ。

 自分達が気に入った人だけ過剰にサービスしまくる。

 こーなる生徒は将来、と同じ”“か“、うわっ、ぎゃ!」


 ラピドゥスの後ろから、説明してたラピドゥスの言葉を遮るように大量の小鳥が飛んできて、頭を突っついてる。


「カナリア!やめろ!!」

「『。ありがとう』」


 カナリアがラピドゥスに群がる小鳥にそう伝えると、小鳥は飛んでいった。


「………………」

「コルも足踏むな!」

「………………」

「無言で退けるな」

(大広間で会った時は話していたけど、コル様って普段喋らないんだ)


 ラピドゥスのひとりツッコミを眺めながら、アウラは小さいユノミ?に入った透き通った黄緑色のお茶を一口飲むと、


「美味しい!」

「これは『中ノ皇国』産のハクチャだよ。食堂の料理は世界各国の料理が出されるんだ。

 この白い饅頭まんじゅうは中にお肉を詰めたマントウだよ」

「『中ノ皇国』って、第四王妃様の故郷の?」

「うん、お母様の故郷の料理だよ」

「そうなんですね」


 カナリアがアウラに料理の説明してると、


「や、カナリアは室内で鳥使うなよっ!」


 ラピドゥスがそう突っ込んだ。


「「先ほどの鳥は?」」


 もう何度目か分からないアウラとルシオラのハモリに、


「僕は動物達を操る“使”のんだ」

「さっきの鳥はカナリア様が?」

「うん」


 アウラの問いにカナリアは頷く。


「王家の血の特徴で俺は”風魔法“で、フレイムは”炎魔法“使

 なんでそうなったかは分かんねーけど」


 ラピドゥスはカナリアの後に続くように説明する。


「コル様は?」


 ルシオラの問いにコルは飲んでいたハクチャをテーブルの上に置いて、


「秘密だ」


 コルは自分の唇に人差し指をたてて、そう言った。


(秘密か、コル様は人の感情に敏感なような気がするから心が読めたりして?)


 アウラは大広間ではじめて会った時のやり取りを思い出して、そうをたてる。


「…ごほ」

「コル様、どうかされましたか?」


 咳き込んだコルにフィリアがそう問いかける。


「………な、なんでもない」


 コルは短くそう答えるとマントウにかぶり付いた。

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