第12話レリルール学園案内④
「アウラ、ここが私達の部屋よ」
大広間の鏡の前でルシオラ達と別れたアウラはフィリアに案内されて、寮の部屋までやって来た。部屋の扉の横にフィリア•ディアルナとアウラ•アニムスと書かれた長方形の板がかかっていた。
「プライベート空間もあるんだね」
「ええ。同性でも着替えを見られたくない人はいるもの」
ドアの手前は共同スペースで淡い緑色のカーペットの上に円形のテーブルと丸い深緑色のザプトンが置かれていて、奥は真ん中で壁で仕切られておりカーテンで共同スペースと仕切られるようになっている。
「アウラは左側のスペースを使って」
フィリアは飾りがないシンプルな洋服
勉強机の奥に四角の窓があり外から光が差し込む。
家具や窓の位置は右側のフィリアも一緒だが…だが…。
「み…緑一色」
ベットカバーや枕、勉強机に置かれてる小物がやたらと薄緑、黄緑、緑、深緑、多少色味が違うがほぼ緑一色だった。
(緑でイメージする人はひとりしかいない)
「えーとラピドゥス様の色にしてる?」
「や、やだ。アウラったら」
フィリアが湯気が出るぐらい真っ赤になる。
(可愛いなぁ)
アウラはそんなフィリアを見て微笑んだ。
ーーーー
「つ…疲れた」
ルシオラはフィリオと何故か4人の王子に案内された部屋の自身のベットにぐったりと倒れ込んだ。部屋のレイアウトは女子寮と変わらない。余計な飾りもなくシンプルだ。
「初日が王子と一緒に帰寮だから疲れるよね。お疲れ様」
「
(カナリア様以外の王子達は凹んでた?気もするけど??)
部屋に来るまで何故かアウラの話で盛り上がったんだが、気になることがひとつ。
「フィリオさんはラピドゥス様のこと嫌ってますか?」
「………どうしてそう思ったの?」
「ラピドゥス様とだけ話さなかったから」
「………嫌ってないよ。
フィリアが
「………それは」
コンコン。
それはどういう意味?と聞こうとした時にノックの音が響く。
「ルシオラさん、フィリオさん。そろそろ夕食の時間なので一緒に食堂に行きませんか?」
扉からカナリアの声が聞こえる。
ーーーー
「アウラそろそろ夕食の時間だから食堂行きましょう」
アウラが自分のスペースの枕や小物を水色、青色、瑠璃色、群青色にルシオラ色にコーディネートしてると、懐中時計で時間を確認したフィリアがそう聞いてくる。
「行く!」
アウラはストールを被り、しめていたカーテンはシャッと音をたてて開ける。
青一色になったアウラのスペースを見たフィリアが。
「私、アウラと気が合うと思うわ」
お互い恋人or婚約者の色にするあたり、2人は似たもの同士だった。
ルシオラとラピドゥスがこの部屋を見たら泣いて喜ぶんだが、女子寮なので残念ながら見れない。
ーーーー
アウラとフィリアは女子寮の鏡を抜けて、大広間のひとつしかない廊下を真っ直ぐ歩いて、Tの文字になってる所を左に曲がってすぐある階段を登る。
右に進むといくつもの教室があるスペースに出る。
アウラ達が食堂に入るとルシオラとフィリオ、4人の王子が同じテーブルに座っていた。
「ルシオラ!」
「ラピドゥス様!」
アウラとフィリアがお互いの想い人のところへ駆け寄り、空いてる隣の席へ座る。
席順は左からフィリオ、フィリア、ラピドゥス、コル。
向かい側はカナリア、アウラ、ルシオラ、フレイムの順だ。
明らかにわざと席を空けていたんだが、恋する少女達は気付いてない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます