第14話制服とバスルーム
「これは制服?」
「ええ。明日から学園内はこの
アウラとフィリアが寮の部屋に戻ると、アウラの宅配ボックスにレリルール学園のローブと制服が届いていた。
「赤いリボン?」
「ローブのリボンの色で学年を識別出来るの。青が中等部3年、赤が高等部1年、緑が高等部2年、黄色が高等部3年なの」
「そうなんだ。……ねぇ、フィリア。
ラピドゥス様って誕生日いつなの?」
「ラピドゥス様の誕生日?パール月の14日だけど…」
「えぇ、パール月の14日っ!何時⁉︎」
(私と同じ日!!??)
「ええと、18時14分だけど…」
フィリアは困惑しながらアウラの質問に答えると、アウラは驚愕で手に持っていた制服をバサッバサッと床に落とした。
(私とラピドゥス様って…、産まれた時間が1時間しか違わない腹違いの弟だったんだ)
「アウラ⁇」
「ビックリしただけだから、大丈夫」
「ふたりとも
「私、誕生日言った?」
「学園長から聞かされているの」
「学園長から……ルシオラの誕生日も?」
「ええ」
アウラ達が暮らすレリルール王国の1年間の暦は、ひと月の日数は30日までで、新年のガーネット月をはじめ、アメジスト月(この月だけ日数が28日までしかない)、アクアマリン月、ダイヤモンド月、エメラルド月、雨が多いパール月と、ルビー月、ペリドット月、サファイア月、オパール月、トパーズ月、最後はラピスラズリ月で12に分かれている。この1年間で産まれた子供達が同年代になる。
ルシオラの誕生日はダイヤモンド月の7日5時20分、優しい日の光が差し込む日に産まれたとルクルは話していた。
アウラはフィリアがハンガーにローブをかけた後、寝巻きとタオルを洋服箪笥の引き出しから取り出して抱えていることに気付く。
「どこに行くの?」
「シャワー浴びに。場所、案内するわ」
「しゃわー?」
アウラが頭を傾げると、
「ロイザ学園長と“オピフェクス”が合同で作った、身体を清めるための道具よ」
「“オピフェクス”……レリルール守護者の“魔道具”作りに長けた?」
フィリアがこくんと頷く。
アウラはフィリアが持ってる寝巻きとタオルを見て、
「もしかしてお風呂?」
「ええ」
(お風呂まで、ストールつけれないし)
「……共同だったりする?」
アウラが頭に被っているストールに触れながら、そう思っていると、
「シャワールームは脱衣所も個室になって、人目気にせず使えるから安心して」
「…そう、なんだ。良かった」
アウラは安心したように呟いた。
ーーーー
アウラは寝巻きとタオルを持ってフィリアと女子寮の1階の奥にあるシャワールームにやって来た。
そこは一列に6つのドアが並んでいた。ドアを開けると横幅は狭いが奥行きがある、手前に脱衣所、奥に長いホースが繋がった蛇口?と、湯気がたつお風呂が見えた。
(どれがしゃわー?)
「これがシャワーで、この蛇口に付いてるボタンを右側にひねると、シャワーからお湯が出て、左にひねると蛇口からお湯が出るの」
フィリアが長いホースの楕円形になってる先端部分の細い所を掴んでボタンを右側にひねると、楕円形のところから雨のようなお湯がシャーと、出てきた。
「脱衣所に化粧水やドライヤーも置いてあるから、自由に使って」
「ありがとう」
フィリアは説明を終わると、隣のドアを開けて入って行った。
アウラもドアを閉めて、脱衣所に取手の付いた大籠に洋服を脱いで、畳んでいれると、入浴場に入り、シャワーを浴びる。
頭と身体、ひととおりシャワーで洗い終わると長い髪をタオルで頭に纏めてお風呂にちゃぷんと、浸かる。
(気持ちいい)
ちゃぷん、ちゃぷんとアウラは両手でお湯と戯れる。
(部屋とお風呂も個室スペースがあって良かった。
アウラとルシオラはずっと『ヘルバの森』で暮らしていた、学校にも行ったことはなく、共同生活もはじめてだ。
「これから大丈夫かな」
アウラは誰にも聞かれることがない不安を胸に、レリルール学園の1日目は終えた。
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