本の名前『窓辺の煙草』

二階の窓辺

蟲が入るかもしれないのに

その人は網戸を開けて

枠に座り、煙草を吸う

何本吸うのか、一日一本なのか

私が通る時には吸っているので

勝手に一本だと思っている

休みの日に確かめに行くなんて

馬鹿らしいし


今日も吸っていた

今日も吸っていた

今日も吸って……


雨の日はいない

部屋は見えないから

どうしているかわからない


そんな関係も一年

異常気象じゃない日ならば

暑くても寒くても

窓辺の人は煙草を吸っていた


すごいなあ


ある日、窓辺にムシコナーズがぶら下がっていて

笑うのを我慢しながら早走りをする


やっぱり!

窓辺の人は普通の人だった

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