家の中の人

お題：輝くアレ 制限時間：15分

家の中の人

　たまには自分を褒めてやりたいと思う。

　なんでかって？　そりゃ自分に甘いからだ。他人に厳しく、自分に優しく。そんな世界で生きたい。もっと自由に動きたい！　何でもしたい、何でもしたくない？

「……なのになぁ」

　部屋のノブを回しても扉は開かない。

　次に開くまであと1時間。

　出られるとしても、同伴した状態……トイレぐらいしか行けない。

　私は部屋に閉じ込められてる。それも両親に。

　廊下へと出られたとしても、屋敷の管理システムが私を通してくれない。いわば門がいたるところにある。そんな世界が私の側にある。

「はぁ……」

　辛い。なんでうちの親はこんなにも軟禁したがるんだろうか。

　学校まで車で、学校が終わればもちろん車で。

　迎えに来るのは執事のうち1人だけど、そこから逃れるには私の力はなく……ほぼほぼ強制的に帰宅という未来が導かれる。友だちと遊ぶというのは私の部屋でしかない。

　友だちがいるときは、軟禁状態は解除されるけど……自由に外へ出るということは出来ない。出来て、玄関で見送るぐらい。

　金持ちのお屋敷といえば、隠し通路が頭に浮かぶのだけど……そういったものは既に親のアイディカードで封じられてて逃げれない。そもそも管理システムが見張ってるから……。

　過保護……なのだろうか。

「……はぁ」

　ペンダントの力を引き出せれば自由にしてやると父は言ってるが、そんな超能力的なのはただの幻想でしょうに。これが光り輝くってのは信じられない。

　ただ下からライト当ててるだけじゃないのだろうか？

　でも、ご先祖様はこのペンダントの力を持って、この土地を収めてたらしい。そんなら親がやれって話だよね。私になんの罪があってそうするのか。

「はぁ……外に出たい」

　独り言もそろそろやめたい。