同性婚
バブみ道日丿宮組
お題:早すぎた百合 制限時間:15分
同性婚
彼女とは友だち以上恋人未満の関係だから大丈夫だと思ってた。いや大丈夫という言葉はこういうときに使うものじゃない。
「これで入籍だね」
「……そうだね」
小学校の頃から私は幼馴染である彼女とずっと一緒にいた。
恋という言葉があるは私たちには関係なかった。いるのが当然でどんな時も一緒にいる……それが私と彼女の関係。
今私たちは市役所にいる。
婚姻届を出すためにやってきたのだ。昨今流行りなのかは知らないが、ついに私たちの国でも同性婚が許可された。そういうこともあって、彼女が結婚しようとプロポーズしてきた。親の反対やら友だちの反応やらいろいろあったけれど、どれも過ぎ去ったこと。
愛が深いなら仕方がないと、みんな悟った。
「あたしが男役だからね」
「……そうだね」
すらすらと記入してく幼馴染には迷いがない。その表情も健やかで間違ってることなんてないといういい顔だった。これからも毎日彼女の顔を見るのだと思いつつ、新しい命について考え始めた。
「はい、あなたの番」
「うん」
ペンを受け取り、空欄を埋めてく。大体は彼女が書いてくれたので、名前を書くぐらいしか残ってはいない。
「じゃぁ出してくるから、そこで休んでて」
用紙をひらひらとさせると幼馴染は離れていった。
私はといえば、近くにあったベンチに向かった。
「……もう半年か」
私は妊娠してた。当然彼女との子供だ。同性婚が世界に浸透した時、同性でも子供が作れるようになった。女性の場合は自分で妊娠するか、カプセルで誕生させるかを選択できる。
私たちは自分で妊娠する方を選び、私がその役目についた。
彼女とは喧嘩することもあった。男性に告白されたこともあった。友だちを裏切ってしまうこともあった。ここにくるまでいろんなことがあり続けた。
その結果が今なんだと思うと、小学校の頃に彼女とキスをしたのは間違ってなかったのかもしれない。今は……とても幸せだ。これから何が起きようとも彼女とならばなんとかなりそうな気がする。
彼女は私を溺愛してくれてる。その行為はが直なったのは中学校からだったろうか。あのときは衝撃が強かった。異性という存在をまさか上書きしてしまうとは思わなかった。
高校に入るまで、私たちははじめてだらけを体験した。
友だち以上恋人未満。
それはきっと魔法のような言葉なのかもしれない。
同性婚 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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