怪奇探偵
@JoatMon
第1話 初めての成功
私は数か月前から探偵を初めた
探偵としての名前は「joat mon」私の本名であるjackと「jack of all trades master of none」つまり「多芸は無芸」の頭文字をとったもので私の座右の銘と名前をかけたものである。
「どうも・・・」
探偵になってから数日で早速、一人目の依頼人が来た。
「どちら様?」
「知人から教えてもらってきたんですけど・・・joat monさんですか?」
私の昔の仕事仲間に探偵を始めたことを伝えておいたのだが、こんなに早く客が来るとは思っていなかったので、少し驚いた。
「えぇ・・・そうです」
「それでは要件とお名前をお伺いしましょう」
ここからが一つ目の依頼の内容とその依頼者の概要である
依頼人 ラブ(Rab) 私のことをまだ信用しきっていないようでフルネームは教えてもらえなかった。
事件概要 依頼人の夫が殺害された、警察に取り合ってみたが証拠も何もつかめずに事件の真相解明は難航しているらしい。不可解な点としては警察に犯人を捜す意思が見えない、むしろ犯人を捜さないようにしている とのこと
証言 「最愛の夫が殺されているのに警察もまともに取り合ってくれず・・・。このままでは夫も無念で浮かばれません・・・」
幸い私の仕事仲間が警察の上層関係の男なので、現場にはすぐに入れた
現場の捜査官などに話を聞いてみた、帰ってきた返答は次の3つに分類される。
「あまり多くない死因で少し時間がかかる」
「心臓まで一突きで到達しており即死のため、何も現場証拠がない」
「唯一当時の家の中の様子を証言できる妻が、ショックで気が動転してしまい証言がろくに取れない」
すぐに私は違和感を覚えた。
私のところを訪ねてきた依頼人は気が動転などしていない。むしろ落ち着いていた。
まず最初に思いついたのは「揉み消し」である。
そう、警察署の関係者の中に犯人がいるということだ。
まず最初に現場の指揮をしていた数人の家族の事件当日の動向を調べてみたが、特に得られるものはなかった。
仕方ないので、現場に戻ってみた。
事件の現場は被害者の自宅、つまり依頼人の自宅である。
依頼者の証言では。
依頼人が仕事から帰ってきて、リビングに入った瞬間夫の遺体を発見したという。
依頼人は恐怖と悲しみで絶叫、近くにいた警官が叫び声を聞きつけて到着そこから、警察署本部への連絡。
凶器はナイフ、台所に同じナイフセットが2つ分あった。
不審に感じたので私は近隣住民に聞き込みをしたところ、かなり似たもの夫婦で、同じものを二人とも買ってくることはよくあったらしい、今回の凶器のナイフも二人して同じ日のセールで買ったもので、犯行用に犯人が買ってかく乱のために持ってきた。ということもないらしい。
なにも手掛かりがない。現場の捜査官たちもまじめにやってるのかどうかもわからないほど何も証拠は見つからない。
ここで私はこの事件解決に大きく近づく発見をしたんだ。
捜査官の家族の情報を聞き、警察署のデータを少し拝見させてもらった。
その時に不審点として、ナイフなどの刺殺はかなり多く犯行の手順がわかりやすい。ということが分かった、それを覚えていたのが幸いした。
「死因があまり多いものじゃないとか言ってたが。刺殺は死因の上位に位置するものじゃないか」
「何を言ってるんですか・・・それは殺人の時の話でしょう?刃物での自殺です。だからなんも証拠もないですし、これ以上どうしようもないんですよ?」
「刃物での自殺?私に依頼してきた被害者の妻は殺人と言っていたぞ?」
「だから言ったじゃないですか・・・、愛してた夫に先立たれておかしくなってるんですよ」
「もう自分も嫌になりますよ・・・通報してきたのは警官でもなんでもなく一般市民ですし、対応した警官が殺人だといった、なんてとんでもないこと言いだすんですから・・・」
どうやら依頼人はショックで妄想上の警官と話していたらしい。
推理が全く前に進まない。
私は探偵になったことを少し後悔していた。
なんせ最初の依頼が自殺なのだ、解決はすでにされているようなものだった。
しかし一つのアイデアで事件は解決した。
目の前で証言をもらうことにした、そこには数人の捜査官も同席してもらった。
また通報した男の新たな証言ももらえた。
依頼人にはまた現場に戻るのは嫌だろうが、依頼人の証言が不十分だから仕方ないということで、証言をもらうことにした。
「本当に警官に話を聞いてもらいましたか?」
「聞いてもらいました!!通報もその人にしてもらいました!!」
「通報は一般の市民の方からでした」
「それにその警官が死体を見て殺人だって言ったんです!!!」
「その時間帯にこの地区にいた警官はうちの署にはいません」
「それにこれはどうしようもない事件です、犯人も見ていない、証言も信用できるようなものじゃない」
「逆に殺人であれば、ナイフを取り出すときに戸棚にこの家の住人ではない人間の指紋などが付きます、ですがこの戸棚にはそのようなものは発見されてません」
「私と夫で2セット買ったの!!!そっちの戸棚のじゃない!!!」
「なるほど2セット買ったんですね、ところでつかぬことをお伺いしますが、浮気したりしてましたか?」
「何言ってるんですか!!!何で夫が殺されたことの証言をしに来たのにそんなこと聞くの!!!」
「いえ、調べは取れています。浮気をしていたのはもうこちらで把握済みです」
「なっ・・・」
「ところで、先ほど戸棚が違うとおっしゃいましたね」
「そっそうよ!!!あんたらの取り調べ不足じゃない!!!」
「なぜどちらの戸棚から凶器のナイフが取り出されたかわかったんですか?」
「それは・・・警官よ!!!警官が見せたの!!!」
「通報主が今朝現れました、手に血がついていたので夫の死亡を確かめていたんだと思う、との証言をいただきました」
「そっそんな・・・・そんなことあるわけない!!!」
「証言と今の戸棚の場所の事、ナイフからの指紋などの検出されたことなどがあります、のちに署から判断が下ります」
これが初めての大成功だった。
事件概要の事より、自分の浮気のために夫を殺すというほうがよっぽど怪奇現象だな。
ところで名前を聞いてもいいかな?
なるほどリチャードか・・・いい名前だ
怪奇探偵 @JoatMon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。怪奇探偵の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます