3-5.トラウマをねじ伏せろ!
GM 次の部屋にたどり着いたキミたちは、前後左右あらゆる方向から光線が飛び交う部屋にたどり着く。
ルジェ 光線……私はその部屋に見覚えがありマスか?
GM うん。侵入者対策の熱光線部屋だね。ルジェの記憶だと、どこかにスイッチがあってそれを押すとこの熱光線が止まったはず。というところで、ここで探索判定をしてもらおうか。「スカウト技能+知力ボーナス」の判定。目標値12。
ユイ はいはーい。(ころころ)達成値14! 成功だね~。
GM じゃあちょうど部屋の奥にスイッチらしきものを見つける。ただしそこまでたどり着くには熱光線を避けるか耐えるかしなきゃいけない。
サイネ 耐えるなら……ルジェ?
リーゼ 回避ならわたくしですわね。
ルジェ ダメージと回避判定の目標値次第デスね。
GM 回避する場合は目標値14を3回。判定に失敗するたびに炎属性2d6+6のダメージを受ける。
リーゼ スイッチまでの距離次第ですが、わたくしが回避を上げる【ガゼルフット】と炎属性のダメージを軽減する【ストロングブラッド】を使うのが安牌ですわね。
GM そこまで広い部屋じゃないし、それぞれ1回の発動でいいよ。
ユイ MP6か~。ひたすらリソースを削ってくるね~。
サイネ 目標値14なら……すべて回避する前提で【ストロングブラッド】を使わないのもあり……?
リーゼ 出目で5を3回出すことを要求されていますのね。こんなのばかりですわ。
ユイ ここの判断はリーゼに任せるよ~。
リーゼ 【ストロングブラッド】で軽減できるのは5点だけ。であればここは使わずにいきますわ! 出目5を3回、出して見せますわよ! 【ガゼルフット】を宣言!
GM 判定よろー。
リーゼ 1回目……(ころころ)出目8! 2回目……(ころころ)出目5!
ルジェ あと1回デス!
ユイ がんばれ♡がんばれ♡
GM/スイートピー 「リーゼお姉ちゃん、がんばれー!」
――ひとたび当たれば肉を焦がし、骨を焼く熱光線が乱反射する室内。その恐るべき仕掛けをリーゼは華麗なステップで潜り抜けていく。
(ルジェがわたくしたちを通すために、がんばって耐えましたもの! 今度はわたくしの番ですわ!)
トラウマに抗いながら敵と戦うルジェの姿を思い出す。見張りたちの攻撃を一手に受けながら耐えていた姿を思い返す。
「ここで身を張らずに、どこで張ると言いますの!」
リーゼ 3回目、行きますわよ!……出目10! 回避成功ですわ!
GM おめでとう! じゃあスイッチを押して熱光線を止めることができた。で、リーゼはそこで奥に進む通路があることに気づくんだけど、その先からなにか嫌な予感がする。
サイネ ペロッ……これはボス部屋の味……。
ユイ セッション時間的にもこれがラスト戦闘かなー?
ルジェ メタいデスが、おそらくそうデショウ。ではここで回復を済ませておきマスか。
リーゼ ですわね。
GM レンジャー技能で魔香草を使っているユイを見ているスイートピー。「ユイお姉ちゃんすごい! わたしもできるようになったほうがいいかなぁ?」
ユイ 「スィーちゃんはそのままの自分を伸ばしてほしいな~」と言って頭を撫でるよー。
と、そんな一幕を入れつつ、準備を整えた一行は遺跡の最奥へと進んでいく……。
*
GM キミたちが部屋に足を踏み入れると、そこには玉座に座るひとりの男がいた。男の背後には剣の形に似た漆黒の結晶体――この魔域を生み出した元凶である「奈落の核」が浮かんでいる。
リーゼ お約束といった感じですわね。
サイネ 私より偉そう……許せない……。
GM あ、描写を続けるんだけど、男のそばには大きな鳥籠があって、その中にひとりの女の子が囚われている。幼い見た目の、ナイトメアの女の子だ。キミたちはすぐに気づくだろう。その子にルジェの面影があるということに。
ルジェ やはり、アーシャが言っていたのはこういうことデシタか。
ユイ ちっちゃなルジェかわいいー! って言う雰囲気ではないよね~。この蛮族、もしかしてロリコンなのかなー?
GM ワンチャンありかもしれない。
ルジェ え、普通に嫌なのデスが……。というかそれだと過去に受けた仕打ちの意味が変わってくるのデスが。
GM うそうそ。こいつの名誉のために言っておくと、ルジェはこんなふうに愛でるように囚われた記憶はない。これも魔域の悪趣味な演出か、とルジェは思うだろうね。
サイネ でも……ルジェの深層心理に、囚われのお姫様願望があると思うと……萌える(ぐっ)
キミ、そんなキャラだっけ?
リーゼ ああ、それはたしかに萌えますわね。
ルジェ サイネ!? リーゼまで!?
リーゼ こほんっ。ともあれ、玉座に座る男に刃を突きつけて宣言しますわよ。「あなたの狼藉もここまでですわ。これ以上、ルジェの心を傷つけることは許しません!」
GM リーゼのその言葉に男は鋭い目つきとともに返答する。と言っても、言葉がわかるのは汎用蛮族語の会話を持っているユイだけかな。
GM/蛮族の主 「何かを喚いているな、人間。フン、侵入してきたのは貴様らだろう。だが、嗅ぎつけられたということは潮時か。貴様たちを殺したあと、ここを引き払うとしよう」
ユイ この蛮族は、ここが魔域によって造り出された場所だって認識してない感じかなー?
GM みたいだね。ちなみに男のその様子はルジェの記憶の中にあるものそのままって感じ。もしあの男が冒険者と対峙したならたしかにこんな態度を取るだろう、みたいな。そしてここでルジェは再び「精神力ボーナス+冒険者レベル」の判定をしてもらおう。判定の目標値はさっきよりもさらに1下がって10。
ルジェ これがラストチャンス、デスね。出目4……。
リーゼ 「ルジェ、わたくしたちがいますわ! このいけ好かない男をぶっ飛ばしましょう!」と声をかけますわ。
サイネ 「ルジェ、がんば……いや、妖精の加護があらんことを……」と言って、少しだけ帽子を目深にかぶる……ちょっと頬が赤い。
ユイ おおっ、サイネの貴重な照れ演出だね~。じゃあアタシは「サクッと片づけて、一緒にパフェでも食べに行こうねー」と言って明るく声をかけるよー。
GM/スイートピー 「ルジェお姉ちゃん、みんなでアーシャちゃんたちを助けてあげようよ!」
ルジェ 「みなさん、ありがとうございマス。そうデスね。ここで私は、過去を乗り越えてみせマス……!」と叫び、判定!
ココフォリアの示した出目は――11!
GM おお、高い! 気持ちが出目に乗っているねー! じゃあルジェはトラウマという名の呪縛を振り払うことができた。もう先ほどまでのプレッシャーは一切感じない。
――ルジェは思い出す。過去にこの場所で過ごした日々のことを。
「あのときの私は助けを待つだけの無力な存在デシタ。大切な人の死を目の当たりにして、抵抗する意志すらなくし、ただ怯えて震えることしかできなかったデス」
かつて自分を庇って殺されたアーシャの姿を思い出す。死ぬ間際までこちらを安心させるように笑っていた彼女のことを。
「冒険者の方たちに救出されたときの安堵感は今でも覚えていマス」
自分を助けてくれた冒険者たちが、安心させるように笑いかけてくれた姿を思い出す。おとぎ話の英雄みたいだと、憧れで心が打ち震えた。
「そして冒険者となり、今、私はここに立っていマス」
視線を向けると、そこには鳥籠に囚われた過去の自分。怯え、震える小さな少女。
「かつて私を助けてくれたあの人たちのように――この手で、救い出してみせマス!」
次回、ラストバトル。
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