1-2.スイートピー育成ゲーム?

GM それじゃあ買い物を終えたキミたちは、グランドターミナルに駅やってきた。キングスフォールは北、東、南の三方に伸びる国際線のほかに、都市内をぐるっと一周する環状線もあるんだけど、グランドターミナル駅はそれらがすべて交わる場所。一般市民だけじゃなく行商人から冒険者までさまざまな人たちがいて、多種多様な種族の人たちが行き交ってる。


リーゼ 東京駅をイメージすればよろしくて?


GM イメージは間違ってないけど、東京駅よりももっとすごい……かな? 十階まであって、ベテラン冒険者向けのギルドから百貨店、宿泊施設、屋上には国会議事堂まである。まさに表玄関であり中心地って感じ。


サイネ 都市内をめぐる環状線……城壁環状線があるのは、三階……。国際線は一階。四階~六階は百貨店……七階~十階は宿泊施設……上に行くほどグレードが高くなるイメージ……。


GM 補足ありがとー。


 このあたりの詳細はサプリメント「鉄道の都キングスフォール」に乗っているので割愛する。今回のシナリオにはあまり関係ないしね。


GM 駆け出し冒険者なら迷いそうだけど、キミたちは中堅どころだし、迷うことはないかな。サザンもいるし。ちなみにスイートピーはキャッキャッと楽しそうにはしゃいで、そんな彼女の手をサザンがつないでいる感じ。


ユイ かわいー!! ねぇGM、スイートピーちゃん撫でていい?


GM いいよ(笑)。撫でるとものすごく嬉しそうにはにかむね。ちなみにキミたちはここに来る道中で、スイートピーが冒険者にあこがれていることを聞いているよ。だから最初に会ったときも目をキラキラ輝かせていたし、今もあこがれのアイドルと一緒にいるくらいのテンションだね。


ルジェ まっすぐに好意を向けられて悪い気はしマセンね。とは言え私は触れて傷つけてしまうのが怖いので一定の距離を保っていマスが。


リーゼ 守護らねばなりませんわ……!


GM 乗車料金とか手続きとか、そのあたりはサザンと一緒にスムーズに済ませた感じ。で、そんななかでサザンがキミたちにこんなことを口にする。


サザン 「この子が冒険者にあこがれているのはお話した通りなのですが、じつは、冒険者になりたい……という思いを強く抱いていまして。私もこの子には、なるべく早くひとりで生きていく力を身につけてもらいたいと思っています」


ユイ あれ? この流れ、もしかして?


サザン 「ということで、この旅のなかで、スイートピーに冒険者としての心構えや技術などを教えていただけないでしょうか。ちょうど今がいちばんの成長期ですし、実力あるみなさんになら安心してお任せできます」


リーゼ プリン◯スメーカーが始まりましたわ!?


ルジェ その例えは流石に古いデス……影響を受けたのは明らかに某育成レースゲーム、デショウ。


 そ、そんなことないですよ……(震え声)。


ユイ 手取り足取りイロイロ教えられる、ってことだよね~?


サイネ 具体的に……何をする……?


GM こっちで用意した育成ルールを使って、スイートピーのデータを作ってもらう感じ。旅をする合間合間で時間をかけて教える、ってイメージかな。


 ということで、スイートピー育成ルールは下記の通りである。


①全員で相談してスイートピーの生まれによる初期技能と能力値を決める(ルールブックに記載されている「じっくり作成」で使うメリアの生まれ表をもとに決める。ただし冒険者が持っていない技能の生まれは選べない)


②①で技・体・心が決まるので、そこからA~Fの6つの能力値を決定する。じっくり作成の場合、能力値の決定は決められた数のダイスと固定値で行なうが、今回は本シナリオ独自の決め方(③)を使う。


③各冒険者は、A~Fのなかで上昇させたい能力値を1つ決定する。そして2d6の平目を振り、成功すると選んだスイートピーの能力値が+2される。これを育成判定と呼ぶ。育成判定にファンブルすると能力値上昇は発生せず、クリティカルすると能力値上昇が2倍になる。ただし、上昇量はもともとの能力値決定の上限を越えない(メリアのA・B・C・E・Fは上限6、Dは上限18なので、そこに準拠する)


④上記の処理を終えたのち、セッション終了後に戦闘特技や技能の習得の処理などを行ない、最終的にフェローデータを作成する。


GM つまり、本来はサイコロでランダムに決まるA~Fの能力値をみんなで好きなように決めることができるって感じだね。Dは8、それ以外の能力値は1の最低保証があるよ。この能力値上昇判定をそれぞれ2回ずつ、つまり合計8回やってスイートピーの能力値を決めてもらう。


ルジェ 上限を越えた分はどうなりマスか?


GM ムダになるね。だからD以外の能力値は、2回判定して5にするか、3回判定して上昇量を1ムダにして6にするか、かな。


リーゼ やりたいことはわかりましたわ。要するに上げたい能力値を選んで平目を2回振るのでしょう?


サイネ 特化させるか……平均的にするか……。


GM フェローになるって言っても初期作成相当、つまり冒険者レベルは2だから、みんなの冒険にはついていけないけどね。でもまたこのメンツで遊ぶときに連れていってもいいし、まあ久しぶりのセッションの思い出作りみたいな、そんな感じ。


ユイ フェローを作れるのか~。フェローを作れるならデーモンルーラーが強いんだけどな~。レベル2でHPの負担なしに威力20のビームを撃ってくれるんだよね~。


リーゼ デーモンルーラーは流石に……冒険者にあこがれる無邪気な少女に教えていいものではないのでは?


ルジェ たしかにそうデスね。


ユイ そうすると手数が増えるフェンサーがいいかな~。かばう持ちのフェローは強いからそっちでもいいけど。


サイネ フェアリーテイマー、万能説……実際安定する……。


ユイ たしかにフェアリーテイマーもありだね~。うーん、バード技能を教えて一緒にアイドルデビューとかができたらよかったんだけどな~。


GM あ、生まれの技能はみんなが持っているもののなかでしか選べないけど、追加で習得させる技能は自由だから、そこでバードを選んでもいいよ。演出的にはフレジア森林国で学んだ技能って感じ。


ユイ やった! ね、ね、バード技能を習得させていい~?


リーゼ わたくしはとくにこれといったものはありませんし、別にいいのでは?


ルジェ メリア3人のアイドルユニット、というのはなかなかおもしろいと思いマス。


サイネ フェアリーテイマー……。


ユイ じゃあいっそフェアリーテイマー/バードにしちゃう?(笑)


 と、そんな感じに和気あいあいと相談しつつ、スイートピーの能力値を決める判定を行なったのだが……とくにアクシデントもなく、みんな順当に育成判定を成功させたので、判定の際のロールプレイ演出だけ載せておく。


ユイ 「いい? スイートピーちゃん。アイドルになるにはね、メンタルの強さが大切なんだよ~。だからお姉ちゃんと一緒に精神を鍛えようね~」

スイートピー 「あいどる……? それって、冒険者?」

ユイ 「そうだよ~。歌って踊ってみんなを元気にする冒険者だよ~」

スイートピー 「わぁ! すてき! スイートピー、アイドルになるー!」


サイネ 「知力は大切……知識さえあれば、騙されることもない……お前に知力を授けよう……」

スイートピー 「おべんきょう……うぅ、むずかしい……」

サイネ 「ふぅ……やはり私にはついてくることができないか……仕方ない、特別にお前と同じ目線に立って教えよう……」

スイートピー 「ふえぇ……」


リーゼ 「やはり冒険者は体が資本ですわ! さぁ、スイートピー、わたくしについてきなさい!」

スイートピー 「う、うん! スイートピー、がんばるよ!」

リーゼ 「ふふ、その意気ですわ。ちなみに返事は“うん”ではなく“はい”、そしてわたくしのことはお姉さまと呼びなさい!」

スイートピー 「は、はいっ、お姉さま!」


ルジェ 「その……スイートピー、と言いマシたか。私からは、機敏さを教え、マス」

スイートピー 「どうしたの、お姉ちゃん。どこか痛いの……? なんだかつらそうな顔、してるよ」

ルジェ 「それは、その、純粋無垢なアナタが眩しすぎると言いマスか、私のような者が触れていいのかどうか」

スイートピー 「よくわからないけど、スイートピー、お姉ちゃんとなかよくなりたい! ダメ……?」

ルジェ 「はうぅ……」今猛烈にこのキャラにしたことを後悔していマス……。


 これ絶対ほかの乗客の迷惑になっているよなー。いやぁ、すみませんねウチの冒険者たちが……。


 ともあれ、そんな冒険者たちとスイートピーのやり取りをサザンがうれしそうに眺めて、鉄道を使った旅は進んでいく。


 ちなみに、メリアは睡眠を取らなくても行動に支障がない種族で、生涯眠らずに活動し続けられる。そういった設定もあり、ユイとサイネはスイートピーとともに夜が更けてもキャッキャウフフといった感じのロールプレイをしていた。


(※鉄道がどのくらいの距離を何日で走るのかについての記載が見つからなかったので、HPやMPの消費もないということもあり、このあたりの日数は曖昧に処理しています)


 窓の外から見える景色の変化を楽しんだり、風を切る音にドキドキしたりする、そんなスイートピーとともに、冒険者たちはフレジア森林国を目指す――。


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