皇帝の墓

ルークと別れてから、数分歩き回った。

確か、この辺りにアークスノウの墓があった気が……

そう思い、辺りを見回す。

道の端には屋台がずらりと並んでいる。

妙に人が多い。そしてうるさい。

何か行事があるのだろうか?


という疑問が出たので、街を歩いている人に理由を聞きに行った。

「すいません、此処で何か行事でも行ってるんてですか?」

声を掛けた街の人がこちらに振り返った。

「いや、この街はいつもこんな感じだな。」

そう答えて、街の人は去って行こうとした。俺はその人を引き止めて、皇帝の墓について質問をした。

「皇帝の墓? ああ、あの墓か。それならもう少し東の方向にあるぞ。」

だそうだ。

という事で、進む方向を東に変えた。

そうか、今まで正反対の方向に向かって歩いてたのか……


気を取り直して歩き出す。先程より少しだけ歩く速度を上げた。



◇■◇



10分くらい歩いた先に立派な神殿が建っていた。

神殿の前には長い階段があり、神殿の色はは殆ど白である。

整備など、掃除が大変だろうな……

皇帝の墓は恐らくこの中にあるのだろう。


神殿に足を踏み入れ、探索をする。

すると、両開きの大きな扉がある所に着いた。

扉には雪の結晶の様な模様が描かれている。かなり凝っている様だ。


重い扉を開けると、神秘的な景色が広がっていた。

地面には少量の雪が積もっており、きらきらと輝く星が舞い降りたと錯覚しそうな雪が宙に散りばめられている。

地面にある雪を掬ってみる。雪はさらさらで少し暖かった。

この不思議な雪は魔法で創った雪だろうか? つくづく思うが何でもありだな…魔法は。


奥をよく見てみると、墓らしきものがある。

俺は、墓がある所に向かって歩き出す。


如何やら、アークスノウの墓は氷で出来ているらしい。

墓に『初代皇帝アークスノウ・リィ・カルティリュット』と彫られている。

墓の裏側を見てみると、大きな魔法陣が彫られていた。

何の魔法陣なのだろうかと思い、解析をしてみる。


そして、その結果はこうだ。

発動者、もとい魔力はアークスノウのものだった。

アークスノウは氷属性(水属性の派生)を最も得意とする事から、この魔法陣は氷属性と仮定し解析を進めた結果、この魔法陣は神殿の核である事が判明した。

この魔法陣の発動には膨大な量の魔力が必要だ。数値化すると、約1000000000(約10億)である。

アークスノウが使うと、魔力は僅か100しか残らない。


人間は魔力が総量の1%を切ると全て回復するまで眠り続ける事になる。

眠っている間は、時間が止まった様に身体の成長も止まる。

本人は寝て起きたら一年経ってた何てざらにあるので魔力切れは要注意だ。

魔力が1回復するまで約10分で、アークスノウが使った魔力が999999900だったら、回復するには9999999000分必要である。

これを1時間に直すと、166666650時間。

これを1日の時間24時間で割ると、6944443.75日になる。

単位を年に直すと、19025.873年になる。

これ以上は計算魔法を使っても面倒くさいのでしないが、少なくとも全回復するには約2万年かかるという事だ。

だが、眠っている当人の身体に足りない分の魔力を注げば、何年も待たなくても眠りから覚ませる事が出来るのだ。

途中から魔法陣の話から明後日の方向へ進んでいるが、今はアークスノウの本体を探すのが先である。


俺は神殿を覆うくらいの範囲で探知魔法を使った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る