全力逃走後、情報収集

「という事で、仲間になったヒスイとアオイだ。」

「――…翡翠だ。宜しく頼む。」

ヒスイは少し頭を下げた。

「蒼です。宜しくお願いしますわ」

アオイは笑みを浮かべる。


「ふむ、成程。」

この声はリホだ。

「アオイよ、ステータスに【妖術】と【法術】という能力があるのじゃが、どういうやつじゃっ⁉︎⁉︎」

リホの目は輝いていた。


あっ………

…………うん、頑張れよ、アオイ。


「あ、俺はこれで――…」

「俺も帰っていいっスか?」

《さらばだっ‼︎‼︎》

「シラタマがこう言ってるし、じゃね。」

みんなが一斉に帰り始めた。

その事に鬼人兄妹は周囲にはてなを撒き散らす。


リホにスイッチが入ったら、逃げる事をオススメする。

巻き添えを食らいたくなかったらなッ‼︎‼︎‼︎


はははは!

今現在転移魔法使って全力で逃げてるぜッッ‼︎‼︎‼︎


…………


……ところでさ、今世界がどんな状態なのか調べないと何も分からないのだが。

色々やらなければいけない事が見えて来た。

うん、早速、《時空書庫アーカイブ》に行こう。



「………《時空書庫アーカイブ》、ログイン申請。」

連続転移を止め、誰にも聞こえないくらい小さな声で呟く。


<―――ユーザー名:Noa75011 ログイン申請を受諾。本人認証の為、魂を確認……>


時空書庫アーカイブ》とは、全ての情報を持つ時空である。

そう、誰かが逆立ちした回数クソどうでもいい情報から一部の神にしか知られていない機密情報まで、全ての情報が。

まあ、後者の方は禁書に指定されていて閲覧は不可能だろうけど。

基本、安全な情報しか無いが、危険な情報も決して少なくは無い。

故に《時空書庫アーカイブ》は、使う者を限定しているのだ。

魂認証という高度な技術を駆使し、魂を偽装した者の侵入を阻止しなくては、限定なんてとてもじゃないが出来ない。

いくら高度な技術でも、一秒でそんな事出来る筈が無い。

要は、《時空書庫アーカイブ》に接続ログインするまで時間が掛かるということだ。


<―――完了。パスワードを入力して下さい。>

目の前に現れた光の画面にパスワードを入力した。

そして、完了ボタンを押す。


<―――Noa75011 がログインしました。ようこそ、《時空書庫アーカイブ》へ>

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