アルカド大森林・1

あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜〜―――……

疲れたぁぁああ………主に精神的に。

ブーメランが来たのは予想外だったわ。

え、自業自得? 何ていう意味なの、その言葉。


――暫く歩いて、ようやく入口に着いた。


あ、通るの面倒くさそうだな……転移しよ。


歩いて来たことが全て無駄になった。


この後暇だしアルカド大森林に行こうかな。丁度森に時空の歪みの前兆が見える。

時空の歪みの前兆というと、魔力は(時空の)歪みが起こる部分から無くなる……消えるのだ。

ま、取り敢えず行こう。


そして、転移魔法を使った。

一瞬で視界が切り替わる。

――森だ。周囲に草が生い茂り、木々が青々としている。ザァ――…と葉が擦れ合う音を立て、風が通り過ぎる。


やっぱり森って良いよね。何故か落ち着く。


暫く木を眺めていたら、突然背後からガサッという音が聞こえた。

振り向くと、そこにはユロリスがいた。

因みにユロリスとは、リスに似ている動物で、毛色もリスと似ていて茶色だ。体長は約30センチ弱の小さな動物である。

が、俺が見たのは白い毛が生えているリス……ゴメン違った。狐だった。

いや、普通間違えないでしょ。とか思っただろう。いや、本当に似てるんだよな、これが。

出てきた狐を鑑定してみる。


――――――――――――――――――

名前:--

Lv.2

種族名:妖狐

HP:36/53

MP:5/985

種族能力スキル:【真体化】【青炎灯アオノトモシビ

能力スキル:【身体強化】【火炎魔法Lv.8】【隠密Lv.11】【幻影偽装Lv.3】

――――――――――――――――――

如何やらこの狐は妖狐だったらしい。見間違えの理由は能力スキル【幻影偽装Lv.3】が原因だろう。

よく見れば尻尾が九尾あるのがわかる。これは妖狐の特徴だ。

MPが大幅に減っている。狩りをしていたのだろうか?


っと、色々考えている暇は無かった。

後は時空の歪みの件を片付けてからにしよう。


と、呑気に思っていたら。

急に時空の歪みがあった魔力が無かった所に極大の魔力の塊が現れた。


あ、やばい。このままだと魔力爆発――魔力爆発は、1つの空間にある魔力が一定の量を超えたら空間だ耐えきれなくなって起こる現象だ――このアルカド大森林この辺り一帯が更地になる。

森は兎も角、さっきの狐に死なれては困る。



……パーティー仲間にしようと思ってるのに。


………あ、ついポロっと本音が。


俺は魔力爆発を防ぐ為、魔力操作を駆使し、そこら中にある膨大な魔力を掻き集め、小さな結界を張る為の魔法陣を構築した。

その結界の名は―――【時止過無空虚空結界ストムルソトル】。

俺でも、半径0.0001mの極小サイズを発動するのがやっとの魔法だ。

そして、【時止過無空虚空結界ストムルソトル】は今存在する中で最強の結界である。




そして、時空の歪みから出て来たのは―――…

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