呼び出し

あー……怠い。

マジで怠い。

調子に乗りすぎた……

本気を出さなかったらよかったな。


わからない人の為に解説しよう!

ノアの本気とは、二段階に分かれているのだ。

まず一段階目、手加減をなくす。

二段階目、未来から力を借りる。

詳しく言うと、一時的に未来から自分の力を前借りし、力を得るという事だ。

ただ単に、力を増幅させるのでは無く、あくまで前借り。使って仕舞えば、反動が来る。

力を借りた分だけ一時的に弱くなってしまうのだ。


という事で、全然動けないわけではないが、かなり動きにくいのだ。

1回やってみろ。絶対後悔するから。


こうは言ってるものの、外には出ないといけないしな……

【反動希釈】を使ってなんとかしよう。【反動希釈】とは、反動を未来に引き延ばす事が出来る。そうしたら、弱体化する時間が長くなり、反動が弱まる。

で、少しは動けるようになる。

普通の人は滅多に使う事はないが、俺にとっては結構便利な魔法だ。

外には出ないといけないと言うと、ルークに呼ばれているからだ。

何の用だろうか。

転移テレポート】を使って、人がいない所に転移する。

よし行こう。

気持ち早めに歩く。

暫くすると、冒険者ギルドに着いた。


ここに来るのは久し振りだな。

さて、ルークは何処にいるかな。


俺はギルドに入り、周りを見渡す。


あ、いた。


ルークがウィルと一緒に依頼掲示板を見ていたのを発見する。


「よ! 久し振り!」

俺は2人に声をかける。

「……⁉︎ 久し振り⁉︎」

「お久し振りですね、リリノさん。」

ルーク、凄い驚くな……あと、ウィルは少しくらい驚けよ。

あれ、ルークとウィル、背、伸びてる? ……気のせいか?

「……1年振りか?」

「えっ⁉︎ そんなに時間経ってたのか⁉︎⁉︎」

たしか、俺の感覚ではアビス大迷宮には4、5日いた筈……あと3日寝た。

まさか……

〔ごめん、言うの忘れてた。下層に行くほど時空の歪みが多くなる。で、時間の進み方が違ってくる。〕

おい‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ 言い忘れんなよ‼︎‼︎


「道理で背が伸びているんだな。」

なるほど、と思う。

「お前は――…全然伸びていないな。」

おいルーク。

「仕方ないだろう? 変身魔法に成長という概念はねぇ。が、出来なくはないな。今度やってみよう。面白そうだ。あ、そうだ。お前等が常に使っているその夢幻魔法、改良して魔力消費を少なくする事が出来るんだが、やってもいいか? 勿論、改良した魔法術式は教えるからさ。」

少し早口になってしまった。

「あ、ああ。」

若干引き気味にルークは答える。

「リリノと気が合いそうな奴を思い出してた。」

「え、誰? ウィル、後で紹介して欲しい。」

「いいよ。」

よっしゃぁ‼︎‼︎と内心でガッツポーズをする。

少し時間が経って、本来の目的を思い出した俺は、ルークに問う。

「そういえば、ルーク。何で俺を呼び出した?」

「ああ。それは――… ……場所を変えよう。」

「それが良いと思う。」

結構大事な話っぽい。

「俺の家に行くか? 安全だし、誰も来ることはない。盗聴は不可能だ。」

「助かる。」

「じゃあ、転移するぞ。」

俺達は俺の家ダンジョン(笑)に転移した。

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