アビス大迷宮・2

「ここ、か……」

俺たちの目には迷宮の入口が映っていない。

が、探知魔法が反応している。


ビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビィィィンビ………


ええい! やかましい‼︎

俺は思い切って探知魔法への魔力線魔力の供給をブッた切る。

うん。周りに人は居ないな。

一応確認して、転移魔法を使う。

本当は攻撃魔法とかでドカンと穴を開けたかったが、この迷宮アビス大迷宮は世に解き放ってはいけない魔物などがわんさかいるらしいのだ。その穴から魔物が脱走されたら困る。主に片付けるのが面倒、という意味で。


ちなみに俺達全員【暗視】を所得しているので、視界の方は心配ない。


「よし、会話は面倒なので、各自適当に魔物を倒して行ってくれ。じゃあ解散」

この発言はどうかと思うが、全員賛成らしい。

去り際に「また後で」的な感じでエンと目が合う。

よし、エン。どっちが早く最深淵近層まで行けるか勝負だ!(エンはこの勝負のことは全く知らない)

俺は張り切って迷宮に挑んだ。




俺は難なく30階層まで来た。

ここまで来てわかったことがある。

――違和感があるのだ。

なんとなく戦いにくい感じがするのだ。


そういえば転生してから1回もステータスを見ていないな。

見ていても、一部だけだし。

一応見ておこう。


――――――――――――――――――

名前:リリノ(偽名)

職業ジョブ:元・人類最強

Lv.79378

HP:測定不能

MP:測定不能

所有能力スキル:【四大元素Lv.9384】【魔導皇帝/Lv.92047】【万物万幻】【魔法創造/Lv.9363】【森羅万象】【術式解明】etc...

称号:《元・人類最強》《転生者》《使徒》etc...

――――――――――――――――――


ああ―――……

どうりで……違和感があるわけだ。


悲しいかな。レベルがリセットされていたのだった。


あんの野郎――――!!!!!!

クs……ゲフンゲフン。


後で殴り込みに行こうかな。うん、そうしよう。



俺は順調に進んで行った。

100階層まで来れば、Lv.639473になっていた。


――200階層

Lv.1496407


――300階層

Lv.2047578


――400階層

Lv.2485962


――700階層

Lv.4972999


――1000階層

Lv.60637643

この辺りまで来て、大魔法を使わなければ、一撃で倒せなくなってきた。



――10000階層

Lv.753839737

魔法だけではなく、剣も使い始める。


クローツを持って【絶対切断】という能力スキルを使う。

スパッと魔物が細切れになる。

瞬・殺。(キリッ)



――100000階層

Lv.9574275349

ちょっと休憩。


――1000000階層

Lv.10474797738

な、長くね?

まあ、レベル上げ出来るからいいんだけどね。



――99999999999階層

Lv.50383747833

前前世のLv.99999999999に近くなってきた。

次の階層が最下層らしい。


ん?

背後に何かいるな。

おそらく襲撃だ。

【指定物重力反転】を使い、俺の重力を反転する。

分かりやすく言うと、俺だけ天井が床になる。あれ、余計に分かりにくくなった?


「―――チッ 外したか……」

おいおいおい、物騒だな⁉︎


「お前は誰だ?」

天井に立って言う。


「――ただの…通りすがりの殺しゅ………暗殺者だ……」

噛んだ。今噛んだな。


「お前こそ何者だ?」

この暗殺者は黒髪黒目の青年だった。


「俺は――元・人類最強で今はただのリリノだ。」

俺は答えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る