仲間探し、もとい知り合い探し・5

「おいサナルア。こいつの場所を教えろ。」

俺は白い空間に行き、サナルアに奴の顔を写した紙を突きつける。


〔もう……なんなん…だ……………よ…………………!?〕

その紙を見た瞬間、サナルアは目をこれでもかと言うほどに見開く。


〔それ……その方を何故………?〕

どうやら、サナルアは奴のことを知っているらしい。


「まさか、こいつの正体を知っているのか?」



〔…………知っているも何も………上司ですよ!!〕

「えっ!?」

思ってもみない回答だった。

サナルアの上司………ってことは……こいつは―――


「じゃあ、こいつは神なのか………?」


〔もっと言うと頂点の神皇帝ラル・エンペラーから数えて二番目の神王ラル・キング、会社でいうと副社長のような立場なんです、あの方は!〕

速く分かってくれといわんばかりの勢いで言われる。


「え。」


Q.探している人(?)がかなり位が高い人物だとしたら?

A.俺の場合は、何事もなかったかのようにスルーする、だ。


「で、こいつは今、何処にいる?」


〔………(察し) 自分で創った世界にいると思います。〕

サナルアは俺が現実逃避をしたことを察したのか、何も問わないでいてくれた。


「そうか、座標は?」

〔え―――…と、たしか、F5エリアだった気がします。〕


「行ってくるわ。」


〔………健闘を祈る………〕


あれ、今から行くとこ戦場? 違うよね?


そして、俺は白い空間を去った。


よし、早速転移魔法を構築しよう。

流石に俺でも簡単に時空を超える事はできない。

できなくはないのだ。


というわけで、F5エリアの場所を正確に知るため、【万物探知オールサーチ・改】を使う。

万物探知オールサーチ・改】は、この世界―――ヴィラント以外の地図も表示される。

これはどういう事か分かるか?


―――そう、情報量がとてつもなく多いのだ。


情報処理代ル・インテルプロセス】をフルで使わなければ脳みそが……ね。

もし無事だったとしても記憶の欠落は否めないよね。


とてつもない量の情報処理をできる魔法って凄いよね。

情報処理代ル・インテルプロセス】様々だ。


時間がかかりそうなので、【念話ユーリス】で皆に知らせることにする。


『あー 聞こえるか? 明日の集合についてだが……2週間後に変更だ。時空魔法の準備に時間がかかりそうだ。』

『えっ』

『じゃ、そゆことで』

言う事だけ言って、【念話ユーリス】を切る。


よ――し。頑張ろー!!

そこから俺の徹夜の日々が始まった。



――1日目。

とりあえず場所を調べる。


――2日目。

場所が確定した。

座標:F 745697,5 Hrum.S

どうやら、“セイディーン”という名前の世界らしい。

その世界はいくつかの星に分れている。

その中心の星は“アルベリア・セイディーン”というそうだ。

一応、そっちの座標で魔法を創るとしよう。

座標:F 567844,5 Arub.S


――3日目。

転移魔法陣に座標を組み込んでみる。

……成功はした。が、転移するのには距離が長い。膨大な魔力を使うだろう。俺の魔力量では使えなさそうだ。

消費魔力量のカットを試みる。


――4日目。

消費魔力量のカット、成功。

魔法陣制御が困難だという事に気付く。

魔法陣の簡略化及び効率化を試みる。


――5日目。

失敗。

再度実行。


――6日目。

失敗。

再度実行。


――7日目。

失敗。

再度実行。


――8日目。

魔法陣の簡略化及び効率化、成功。


――9日目。

魔法陣、完成。

魔法名:【指定空界転移アル・テレポート


――10日目。

喜び及び徹夜明けのテンションで叫びまくる。



やっっっっっっっっと!!!!!!

完・成・したぁ――――――!!!!

長かった。長かった!!

ヒャッフ――――!!!!!!


それから小一時間ほどずっとこの調子だった。


落ち着いてから魔法陣を発動。

成功した。


あれ、ここは?

地下通路か?


しばらく通路を歩く。

そしたら、開けた場所に着いた。


……剣?

そこにあったのは漆黒の剣。

闇の様に黒いのに白く輝いている。

不思議な剣だ。

そこから漂う魔力は神々しい感じがする。

ソウに似たような……?

これは神剣か……?


そう思ったが、神々しい魔力と同時に禍々しい魔力も纏っている事に気付く。

そも魔力は禍々しいが、ドロっとしておらず、サラサラしている。

一体この剣はどのような構造をしているのだろうか。


鑑定を試みる。


《鑑定不能》

だろうな、そうなると思ってた。


触っても良いかな?


「やめろ。」


後ろから声がする。

奴の声だ。


「おい、俺を奴呼ばわりするとは良い度胸だな。」


「えっ あ、久しぶり…だね」

奴の名は

この世界セイディーンの創造神だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る