カミングアウトは手遅れになる前にした方がいい

うっわ―――!!!!


まじでびびったー。

ヴィオル君の洞察力すげぇわ。…こえー。

これは早いうちにカミングアウトしておいたいた方がいいな。

でないと後先が怖い。


ヴィオルくん察するのやめて怖いから。


いや、あれ、完全に気づいてるよね。

うん、決めた。明日カミングアウトしよう。


「どうした、リリノ。」

あ、あああ――――――!!!!!

忘れてた忘れてた。

このルークも気づいてるわ。うん。

ぎゃぁ―――……!!! 怖いわ!

やめて怖い。


「何か具合が悪いのか?」

そんな意味深な笑みを浮かべて来ないでよね……!


そんな中、振り絞った声を………というわけもなく。

「ちょっと話があるんだ。二人とも、ちょっと来てくれるかな。」

笑顔で言う。


なんで耐えられたか?

大半の理由は、ノアだった時のことだけど……

俺が立ち上げた最強パーティーの二人が大喧嘩した時があってねぇ……

攻撃魔法(軽く世界の五分の一を消滅させる威力)ドォーーーン!!!! 物理攻撃(軽く世界の五分の一を消滅させる威力)ダァーーーン!!!!

というカオスな状況に比べたらねぇ……

俺、結界張るので必死だったわ。

いやぁ…あの時はマジできつかった。



「え………?」

「いいですよ。」

おう、ヴィオルくん。俺がしようとしている事を察して許可するの、やめてもらえませんかね。


「じゃ、一旦、人気がないところに行こうか。」

そう言って俺は歩き出す。


「「………?」」

疑問に思いながらもついてきてくれる。


そして、俺達以外人がいない裏路地に来た。


「大丈夫なの? ここ。いかにも治安悪そうなところだけど……」

ルークが言う。


「おいルーク、俺の実力分かってて言っただろ。…ここは俺達以外誰もいない。」

「何をするんですか?」

「あのさぁ、ウィルもすること分かってて言ってるよね?」

「はい。粗方本名が3つあることについて詳しく話すと思いまして。間違ってたら失礼なので、一応確認しました。」


「こえーよ。ヴィオル…いや、ウィルか。」

あ、口が滑った。やっべ。


「「………え?」」

二人共に虚をつかれたような顔をする。


「あ、ちょ、ここで騒がれたら嫌だし、ちょっと俺の家に転移させてもらうね。」

視界に俺のダンジョンの中が映る。


「あ、ちょっと待って。」

罠魔法を解除するのを忘れてたのを思い出す。


パチンと指を鳴らした。


これで大丈夫なはずだ。

騒がれる可能性もあるのでついでに防音結界も発動。心置きなく騒いでくれ。さあ!


――ん? あれ?

凄い静かだ。

ええ――…

せっかく防音結界・強を使ったのに……

魔力の無駄じゃん。


「「………。」」


「あれ、どうしたの? 遮音サイレントは使った覚えは無いけど」


「―――まさか……私の本名を知ってるとは思いもしなかったよ……

 知っているとは思うかも知れませんが、改めて自己紹介しましょう。私はヴィオル・フォン・ウィルスラントと言います。宜しくお願いしますね。」


「よろしくねー ……あれ、王太子サマは自己紹介しないの?」


「いや、そのことも知ってんのかよ…

 じゃ、改めて――俺はこの国、カルティリュット王国の王太子、ルークストリア・リィ・カルティリュットだ。よろしく頼む。」


「はい、よろしくねー 俺はノアル・セル・リーラント。よろしく」

適当に名前にルを付けて、家名はありそうなのを言った。。まあ、マクストナリア家の遠い親戚と言えばなんとか誤魔化せるだろ。


「この事は内密にしてくれると助かるな」



………

……



「――何か反応しろよ!」


「すまん、驚きすぎて腰が抜けてた。」

「私の予想は少し外れましたが、大方はあってましたね。ですが、マクストナリア家の親戚の方が何故ここに……?」


「そんなことはどうでもいいよ。ところでお前等、早く帰った方がいいんじゃないか?」


「「あ。(そうですね。)」」



その後、俺は二人を転移魔法で王城の近くに送り届けた。

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