第19話 語らない避難民

「入るぞ」


「はい」


 伊藤と涼宮が建物の中に入ると、後方で確認をしている対策5課の職員達が、その様子をモニターで見る。指示を課のボスに聞くと、他のメンバーは外で待機していろと命令する。


 伊藤と涼宮が見たその人物は何も話そうとはしなかった。話すと家族や親せきに危害が及ぶからか、何も話すことはしなかったのである。


 涼宮は大変な事態になったかもしれないと思った時、伊藤はイヤホンで指示を受けようとする。


「局長、どうやらこれは相手を味方に引き入れるには難がありですね」

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