第2話
「転生、かぁ……」
今年の神授の儀が無事に完了したことを記念して、夜はパーティーが開かれた。まあ主役である三歳の私たち(厳密に言えば精神まで三歳である皆さん)にとっては、親の腕の中でうとうとする時間なのだが。父親に抱かれながら、私は前世の記憶を思い出していた。
ぱっとしない人生だった。平々凡々な家庭に生まれ、平々凡々な見た目と成績で、なんとなく、流されるように進路を決め、たまたま受かった会社に入り。
三年付き合った彼氏に振られ、傷心旅行中に事故で死亡……いや、転生。
最期だけ急なのよ。いったいなぜ。
「これはこれは。パルマちゃん、泉の女神の加護を授かったとか。」
「おかげさまでどうも。パルマ、挨拶しなさい。」
「あ……こんばんは、」
でも、こういう剣(?)と魔法の世界、夢見てた頃もあったし……?転生モノ、めちゃくちゃ好きだったし……?服もインテリアもかわいいし……?
なにより……今の私最高にかわいいし??憧れの色素薄い系。整った顔立ち。そして__
転☆生☆聖☆女!!
最高神である泉の女神の加護持ち。転生ジャンルに生きてきた私にはわかる。間違いなく聖女ポジ。待っているのはハーレムエンド。よし。
これが傷心旅行の果てに見た夢だとしても、充分満足できる。☆五つのレビューつけちゃう。前世で培った記憶を活かして、つよつよ聖女街道まっしぐらよ!
百合を召しませ ~悪役令嬢モノの世界で、聖女の私は誰と幸せになれますか?~ 瀬尾 音々 @Otoseoto_Ne
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