第91話 インターミッション竜機兵全機集合編②

 <ヴァンフレア>をフル強化しても資金はたっぷり余っていたので他の機体の強化に割り当てた。

 その結果は以下の通りだ。


【アクアヴェイル】

HP5900 EP500 火力3000 装甲3200 運動性能195

属性:水

武装:エーテルアロー、エーテルトライデント、エーテルフラガラッハ

術式兵装:エレメンタルキャノン(水)、ヒール、ダリアフラッシュ、リヴァイアサン


 <アクアヴェイル>の強化段階は、HPは八段階、EPは十段階、火力は五段階、装甲は七段階、運動性能は七段階になった。

 元々バランスの良い機体かつ後方支援機であるため、火力は据え置きにし装甲と運動性能を上げて生存能力を高めた。

 今回追加された専用武器であるエーテルフラガラッハは、短剣の形をした自動強襲兵装で最大三基まで同時使用が可能だ。

 俺のイメージだと、追尾機能を持った短剣型のミサイルが目標を突き刺すまで何処までも追いかけ続けるというものだ。

 正直言って、味方の武器で良かった。こんなのに襲われたら堪ったもんじゃない。

 エーテルフラガラッハとエーテルアローによる遠距離同時攻撃は、敵にとってかなりの脅威になるだろう。


【グランディーネ】

HP7400 EP400 火力3000 装甲5000 運動性能155

属性:大地

武装:格闘、シールドバッシュ、チェーンハンマー、エーテルシールド、エーテルアイギス

術式兵装:エレメンタルキャノン(大地)、インパクトナックル、ミョルニルハンマー、ファフニール


 <グランディーネ>の強化段階は、HPは八段階、EPは十段階、火力は五段階、装甲は十段階、運動性は五段階になった。

 装甲値が最大になった事で、チームのタンク役として益々頼もしい機体になった。 

 攻撃の要である<ヴァンフレア>と組ませることで、前衛の矛と盾として機能するだろう。

 資金に余裕ができたら火力面の強化に取り組もう。

 今回追加された専用武器であるエーテルアイギスはエーテルシールドの強化版だ。

 盾から広範囲のエーテル障壁を発生させ味方を守る最強の守護者となった。


【シルフィード】

HP5100 EP450 火力3800 装甲2700 運動性能275

属性:風

武装:エーテルブレード、エーテルダガー、エーテルブーメラン、エーテルブリンガー

術式兵装:エレメンタルキャノン(風)、リアクタースラッシュ、アジ・ダハーカ


 <シルフィード>の強化段階は、HPは七段階、EPは十段階、火力は八段階、装甲は七段階、運動性能は十段階になった。

 以前行った強化で持ち味である運動性能は最大まで強化していたのだが、耐久面が不足していたので今回その点を補った。

 火力も強化し切り込み隊長として、より安定した性能が確保できたと思う。各項目の強化段階も後半に入ったので、次のフル強化候補として考えている。

 専用武器のエーテルブリンガーは、<サイフィード>のエーテルカリバーンと同様に白兵戦で真価を発揮する両刃の剣だ。

 刀身に風を纏い、斬撃と同時に風の刃を発生させて敵を斬る能力を備えているらしい。

 <シルフィード>は、術式兵装が複数の敵を一気に攻撃できるため雑魚の殲滅に非常に使えるのだが、強力な敵に対しては決め手に欠けていたので、この新武器の追加は嬉しい。


 こうして、今回の強化で<ヴァンフレア>はフル強化が完了し、チームのアタッカーとして活躍してくれるはずだ。

 さらに、竜機兵全機に専用武器が追加されたことで、各機の性能が底上げされている。

 これにより、竜機兵チームの戦力は盤石なものとなった。


「竜機兵も全機揃ったし、強化の進展も順調――今なら大概の敵は目じゃないな!」


 俺が胸の前で両腕を組んで満足そうに笑っていると、フレイが横にやって来た。


「楽しそうなところ悪いが、何か大切な事を忘れてはいないか?」


「え? そんな事はないだろう? ちゃんと全機まんべんなく強化してるぞ?」


 その言葉が不服だったのだろう。悲しみと怒りがないまぜになった表情でフレイが俺にすごんで来る。


「俺の機体用意してるって言ったじゃん! あれは嘘だったのか!? 俺楽しみにしてたんだぞ!!」


 そこまで期待してくれていたとは、部隊に誘った身としては大変嬉しい。別に忘れていたわけじゃないよ、ホントだよ。


「ちょっと落ち着きなさいよ。まだ、お前の機体は組み立て中だって説明しただろ? ほら、今から案内するから」


「本当にあるのか? 俺の専用機……」


 疑心暗鬼のフレイを連れて装機兵製造区画にやって来た。ここでフレイの機体を組み上げているところだ。


「昨日装甲を取り付け始めたばかりで、まだ内部フレームがむき出しになった状態だ。ほら、あれがそうだよ」


 俺とフレイの目の前では、未完成の機体が急ピッチで製造されているところだった。その姿を見て、フレイが目をぱちくりしていた。


「ハルト、ちょっと聞きたいんだが――これ、何?」


「この機体の名前はドラタンクって言うんだ。ドラゴンタンクを略してドラタンク――分かり易くていいだろ?」


 組み立て中の機体は異形の姿だった。上半身は人型の装機兵のものなのだが、下半身が通常と違うのである。

 足回りが二足歩行ではなく、重機や戦車と言った車両を動かすキャタピラとか無限軌道と呼ばれるものになっているのだ。

 見た目は戦車の上に人型ロボットの上半身がまんま乗っかった感じなのである。

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