戦場目録
賢者
第1話 攻城兵器は便利です
指揮官「突撃する!あのような狼藉許してはおけん!」
参謀「指揮官殿お待ちを。我が軍の兵力はわずか6千。相手は1万8千をゆうに超えます。対する敵は河岸に陣を敷いており、この兵力差と地形では突破することは不可能です」
指揮官「ぐうぅ」
参謀「更に敵は遊牧民族で弓騎兵で構成されています。真正面からぶつかってもかわされる可能性が高いでしょう」
指揮官「それをどうにかするのがお前達の役目だろ!」
参謀「状況が悪すぎます。いったんここは退いて別働隊と合流するのが賢明かと」
指揮官「ならん!あのような蛮族どもにコケにされて撤退するようでは我が軍の士気にかかわる」
参謀「しかし、まず川を渡るには、河岸に陣を敷いてる敵をどかす必要があります。我が軍の弓では河岸まで届きません」
指揮官「……」
参謀「決断を」
指揮官「……飛ばせば、飛ばせばいいんだろ?」
参謀「指揮官殿……?」
指揮官「攻城兵器を用意しろ。明日蛮族を殲滅する」
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蛮族兵士「隊長、敵側に動きがあったようです!」
蛮族隊長「なに!やはり挑発にのてきたか!馬鹿な王だ。我が弓の獲物にしてやろう!弓兵を集めろ!川を渡ってきた敵を徹底的に射掛けるだ!」
蛮族兵士「は!」
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参謀「指揮官、隊列を組み終わりました。ただ蛮族側もこちらの動きを察知して河岸に弓隊を配備しているようです」
指揮官「攻城兵器の方は準備できているか?」
参謀「はい、全バリスタ装填完了、いつでも発射できます!」
指揮官「よし、撃て!」
参謀「発射!」
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蛮族隊長「ふふふ、どうだこの弓隊。流石の強靭な兵達でもこの矢を相手しながら、川を渡ることは不可能だろ」
蛮族兵士「隊長!!」
蛮族隊長「どうした?」
蛮族兵士「矢が!矢がふってきます!」
蛮族隊長「何!?この距離を届く弓矢など存在するはずないだろ!」
蛮族兵士「バリスタです!どうやら敵は攻城兵器を城ではなく対人兵器として使っているようです!!!」
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参謀「蛮族の陣形が崩れました!」
蛮族隊長「よし!このままバリスタで後方支援しつつ敵側へ上陸するのだ!」
兵士「うおおおおおおおおお!」
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蛮族兵士「隊長!上陸阻止できません!」
蛮族隊長「ぐうぅ。撤退だ!いったん後方に下がり陣形を立て直す!」
蛮族隊長「ひけ!下がるぞ!」
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参謀「歩兵部隊、重装騎兵。川をこえる事ができました」
参謀「ただ、速度を重視した結果我が主力の重装部隊は軽装歩兵として渡ることになりました」
指揮官「よい、このままここに橋頭堡を作り。蛮族を駆逐する」
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蛮族兵士「隊長、敵側が攻めてきました!」
蛮族隊長「くそ!バリスタにしてやられたが、今度は我が軍の有利な平野。弓騎兵隊でるぞ!」
蛮族兵士「は!」
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蛮族兵士「接敵します!」
蛮族兵士「旋回!」
蛮族兵士「いまだ掃射!」
蛮族隊長「はっは、どうだ!我が弓の威力は!思い知ったか!」
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参謀「蛮族が、先鋒と衝突したようです。こちらの兵もかなり善戦はしておりますが、蛮族の弓騎兵が先鋒の兵周辺を走り回って射掛けられる事によりかなりの苦戦しいられているようです」
指揮官「よし、囮りにひっかかったな。法螺を鳴らせ、展開した右翼と左翼で敵を更に囲い込むぞ!」
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蛮族兵士「隊長!!敵の勢力が左右から現れました!」
蛮族隊長「なに!くそ!なんとか抑え込め!!」
蛮族兵士「無理です!騎馬隊の機動力が失われて!立て直しましょう!」
蛮族隊長「くそおお!」
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参謀「指揮官殿、敵の弓騎兵の足が止まりました」
指揮官「よし、重装騎兵前へ!蛮族を蹴散らすぞ!!!突撃!!!!」
兵士「うおおおおおおおおおお!!!!!!」
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蛮族兵士「隊長!!!!敵の騎兵が!!!」
蛮族隊長「ここまでか……」
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参謀「蛮族の首領の首を討ち取りました。総崩れです」
指揮官「よし勝鬨をあげろ!」
兵士「おおおお!!!おおお!!!!
戦場目録 賢者 @kennja
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