1-10 失われた物を取り戻せ~家庭教師の正体とは?

●失われた物を取り戻せ~家庭教師の正体とは?


ミミ : 我々だと12時30分からカジノを発って、40分後にガグホーゲン駅付近の古物商に到着かな。


GM : 仰る通りです、ありがとうございます。故買屋に到着した冒険者達。ここはブルライト地方からやってくる人達にとって、グランドターミナル駅に次ぐ玄関口です。ホルン駅から引き込み線がここにつながり、様々な人がなだれ込んでいます。そのせいで人種も人も色とりどり。治安も相応です。


ミミ : 「そもそもくしゃみと人の噂が関係しているというのはだね、一見馬鹿らしい話にも見えるが、実はそれなりの因果関係はあるのだよ」と、他愛のない話をしながら歩いとく。


ルカ : ふんふんと聞いていますね。


GM : 故買屋に着き、店内へ。


GM : 表には特に何も看板はありません。ただ、ダミアンは間違いなくここだと指示しました。中に入ると、ようやく雑貨屋のような雰囲気が現れます。取り留めもない様々な品々が置かれ、値札がつき買い手を待っている状態。奥には白いひげを蓄えた、細身の男性ドワーフが座っています。彼が店主のロアのようですね。


GM/ロア : 「いらっしゃい」


ルカ : 「こんにちは」


ミミ : 「どうも、少し話があるのだが、いいかい?」


ルカ : ダミアンさんを前へ


GM/ロア : 「なんでしょうな。おや……どなたかな?」


ミミ : 「今朝こいつが此処に売り払った宝石類を買い戻したいんだが」そういってダミアンの肩を小突く。


ルカ : 「お願いします、大切なものなので」


GM/ロア : 「左様で。しかし、ここの店はどなたとも初見になる店でして」


ミミ : 「何?」


GM/ロア : 「そちらの御仁も見た事はございません。ただ……お気に召されるような宝石はございますがね」


ミミ : 「なるほど、それは失礼した。少し勘違いをしていたようだ。では、我々に見合いそうな宝石を見繕ってはもらえないだろうか」


ルカ : ダミアンさんに商品を見てもらって、有るかどうかおしえてもらおうかなと。


GM/ロア : 「喜んで。いや、運がよろしい方々で。夕方になれば、買い手になりそうな方が訪れる予感がしておりました。先客、という訳ですな」


ルカ : すごいカンだ……!


GM : では、店主は宝石を持ってきます。


ミミ : とりあえず見繕ってもらった宝石をダミアンに見せて、間違いないか確認するってこと?


GM/ダミアン : 「あぁ、間違いねえ。全部揃ってる」


ルカ : 印字のされた指輪はありますか?


GM : はい、しっかりと残っています。マリアへとドーデン地方語で書かれていますよ。


ミミ : 私が読めるな。「ああ、“マリア”と……これで間違いないね」


ルカ : 「良かった……それで、おいくらですか?」


GM/ロア : 「これら全てを? でしたら、しめて4500ガメルとなります」


ミミ : 思ったより良心的だったな。


ルカ : 「払ってくださいますよね? ダミアンさん」


GM/ダミアン : 「へいへい……」


GM : ダミアンはとても名残惜しそうに、ギャンブルで増やしたガメルを取り崩します。


GM/ロア : 「ほほほ……買い手が見つかって宝石も喜んでおりますな」


ミミ : 「同感だねぇ」


GM/ダミアン : 「うぅ……俺の金が……」


ルカ : 「貴方という人は……これはウェッジウッド家のお金ですよ」


ミミ : 「当然、残った1000Gも返してもらう」


GM/ダミアン : 「そうだがよぉ、余剰分は俺が育てたんだからあながち間違いじゃねえだろ……あぁ、残りが!」


ミミ : 「はっはぁ、勘違いしてもらっては困るが、君に拒否権はないんだよねぇ」


GM : ダミアンは言い返せず俯いています。


因みに、ダミアンを捕まえる時間帯によっては彼は大損し始めるので、ここで赤字になる可能性もありましたが……門番やメイドからの情報入手、そしてカジノでスムーズにダミアンを抑えられた為、このような結果に。素晴らしい調査でした。


ミミ : じゃ、お金と宝石はルカに預けておこう。


ミミ : 「がさつな私より、君が管理していた方がいいだろう」


ルカ : 「ミミさんががさつだとは思ってはいませんよ。ルルンさんからもお預かりしていますので、僕が合わせてお持ちしておきますね」


ミミ : 「ああ、頼むよ」


ルカ : 「すみません。買い物ついでにお伺いしたいのですが、トライネヤ駅の玩具屋についてなにかご存知の事はありませんか?」


GM/ロア : 「いえ、存じ上げませんな」


GM : というより、知っていたとしても普通に教えてくれる事はありませんよ。こういう店ですし。


ルカ : そうでしたね……。


GM/ダミアン : 「因みに改めて言うが、ここには羊皮紙を売りつけちゃいないぜ」


ミミ : 「ああ、解っているよ。では邪魔したね店長」


GM/ロア : 「どうぞ今後ともご贔屓に。次回はまた初対面から、ですな」


ミミ : 「ああ、ならば敢えてこう言わせていただこうか」


ミミ : 「またいつか会う時を楽しみにしておくよ」


GM : 店主は「ほほほ」と小さく笑いながら皆さんを見送ります。


ミミ : ではガグホーゲン駅で多分騒いでいるであろうダミアンを鉄道警備隊に引き渡し、そのままグランドターミナル駅経由で家に向かおう。


ルカ : 「今回のことで貴方も懲りたでしょう。うまい儲け話など無いのです。これから正しく生きてください」鉄道警察送 ハルーラ様の御加護がありますように! ロープも回収しました! 魔香草も買いました。


GM : 鉄道警察隊へ事情を話し、ダミアンも罪を認めます。引き渡しはスムーズにいきます。


ミミ : たばこを消す。


ルカ : すんすん


ミミ : そうか臭いが残ってるか。あとで香水でも買っとくか?


ルカ : それならルルンさんに。


ミミ : 確かに、あとで頼むか。


GM : ではウェッジウッド邸に戻ります。14時休憩のタイミングで出てきたルルン、そして会話後のアルフレッドがルカとミミに合流ですね。


冒険者達は合流し、情報共有。ウェンディにも形見の指輪と、盗まれた貴金属を全て返します。……それどころか、余剰分のガメルも返却しました。まさか、ガメルにがめつい冒険者が? 驚きを隠せません。その礼儀正しさに脱帽です。余剰分はウェンディから正式に冒険者へ譲られます。


ルカ : 「はい。お母様の形見の指輪も無事取り戻せました」どうぞ、と全て合わせてお渡ししましょう。


アルフレッド : 「良かったのぅウェンディ嬢」


GM : 取り戻された指輪を見て、ウェンディは表情をぱっと明るくさせます。


GM/ウェンディ : 「まぁ……! お母様の指輪ですわ! 本当にありがとうございます……!」


GM : ダミアンの事は残念そうですが、ルルンとアルフレッドの情報共有も無事為されます。


ルルン : 「こっちはかくしかという感じかな」


ルカ : 「そうですか……それは少し不自然ですね」人形の件


ルカ : 「アルフレッドさんが接した感じは特段変わった様子はなかったのですよね」


アルフレッド : 「話をした感じ人ではない感じはせんかったが、あれが蛮族だと考えると世も末じゃな」


ルルン : 「今のところもしかしたら、ぐらいかなぁ。確証は持てないや」


ミミ : 「その懸念があるのであれば、ウェンディ様を彼と二人にするのはよろしくありませんわね」


そして、魔香草を炊いたり、残っていたわずかなダメージを回復した上で冒険者達はスニイプの正体を突き止めるべく、直接魔物知識判定を行い、彼の実力を解き明かそうと動き始めます。フェアリーサポートをかけられたミミが新しい家庭教師役として部屋に乗り込み、魔物知識判定を行う事に。スニイプ、今日は来客が多すぎててんやわんやです……。


GM : では、休憩時間も終わり室内に戻ります。部屋にルカとミミが入って、アルフレッドは部屋前で待機。


ルカ : 画材でも抱えて入ろうかな……バタバタしながら……。


ミミ : 「失礼いたしますわ」


GM : スニイプは表情を更に険しくします。


GM/スニイプ : 「今度はなんなんだ」 幸運の足亭 -1万点


ミミ : 「突然のご挨拶、失礼いたします。わたくし、この度ウェンディ様に錬金術をお教えさせていただくことになりました、ミミ=ウォルコットと申しますの」


GM : ウェンディは自然な表情を浮かべていますが、気が気じゃなさそうなのは傍に居るルルンに伝わります。


ルカ : 「じょ……助手のルカです」


ミミ : 「本日はウェンディ様にご挨拶をと思っていたのですが、丁度今スニイプ先生もこちらにいらしているとお聞きしまして、是非先生にもご挨拶をと」


GM/スニイプ : 「律儀な事だ」


ルルン : ウェンディの手を後ろで握ります。「ウェンディちゃんは勤勉だね!」


GM/ウェンディ : 「え、ええ。色々と学べる環境にある事を、ありがたく思いますわ」


ミミ : 「それと、私事ではございますが、わたくし自身真語魔法にとてもとても興味を持っておりまして」


ルカ : 「先生、この後は予定が……」


ミミ : 「あら、そうだったかしら」


ルカ : 「はい。ですので、遅くとも後30分程度でこちらを出ませんと間に合いません」


ミミ : 「仕方ないわね。では手短に」


GM : とんだ茶番すぎる(笑)


ミミ : 「わたくし、スニイプ先生の魔法の才がどれほどのものか、非常に気になっておりますの。あ、特に先生を疑っているわけではございませんのよ? ただ、錬金術師の性と言いますか、やはり相手の才を見極めたいクセがございまして……」


ミミ : 「ご教授は続けていただいて構いません、ただ重々失礼は承知ですが、スニイプ先生を少しの間観察させていただきたいのです」


GM : 吾輩の実力が知りたいのだろう さっさとマモチキをするのだ、ミッミー


ミミ : では振ろう(ころころ)13 フェアリーサポートを入れて15


GM : 抜けました。その指導、そして所作などを見るに真語魔法5レベル程の実力を持っているのが分かります。操霊魔法については修得していません。そして、魔術師としてはあるまじき機敏な動きが出来そうだと思います。具体的に言えば、命中や回避やら肉体面が相当に強そう。


GM : 真偽判定を許可しましょう。目標値は14です。


ダイスを振り、ミミが18、ルルンが15、ルカが12と続きます。


GM : では、ルルンとミミはスニイプが人間ではない事を確信します。


ミミ : 今状況的には、授業の真っ最中ってことでいいんだよね?


GM : そうですよ。


ルルン : 席を急に立ってウェンディの手を引くことは可能ですか?


GM : 可能です。


ルルン : じゃあ立ち上がってウェンディの手を引いて扉を開けて部屋の外に出ます。


GM/ウェンディ : 「な、なんですの?」


GM : ウェンディは呆気に取られ、スニイプは教科書の朗読を中断させます。


GM/スニイプ : 「そうして名前を呼んではいけない魔法王は、キングスフォールの地にて斃れ……む?」


ミミ : ではルルン達が通った扉を塞ぐように、立ちはだかる。あ、ごめん、アルフレッドは通す。


ルカ : アルフレッドは通す。でもスニイプは通さない。


ルルン : 外に出た後にウェンディとアルフレッドにスニイプは人じゃないことを伝えます。


アルフレッド : 「なんと! スニイプ先生それは本当か!?」


ルルン : 「ウェンディちゃんは危ないからマコーリーさんと一緒にいて」と伝えて部屋に戻ります。


GM : ウェンディは確信を持ったルルンの言葉に、また不安げな表情になります。そして、マコーリーが引き取ります。


ミミ : 「はぁ、クライアントの前だと猫を被る必要があってどうも面倒臭い」


ルカ : 「あの……先……ミミさん、どうかしたのですか?」


ミミ : 「何、猫を被っていたのは私だけじゃないということさ」


ルカ : 僕は猫ですけどね!!


ミミ : たしかに。


アルフレッド : 「なぜじゃスニイプ先生、わしは一緒に酒を飲みたいとも思っておったのに」


アルフレッド : 「答えろォォォ スニイプゥゥゥ お主は何者なんじゃ」


GM : 酒を飲みたいとすら思っていたんですか(笑)


ミミ : 「いやぁ、実に……実に退屈な授業だった。実は私あまり真語魔法は好きじゃあないんだよねぇ」


ミミ : 「ほら、マナそのものをエネルギーに変換することを得意としているじゃあないか、あれ」


ミミ : 「もっといい活用方法とかあるよなぁとかずっと思っていてねぇ。例えば操霊魔法とか……あ、君は操霊魔法使えないもんなぁ? 失敬失敬」


ルカ : 「スニイプ先生はウェンディ様に操霊魔法を教えていた方ではないのですか?」


ルルン : 「知らなかったと思うけどウェンディちゃんはコマンドドール使えるんだよね!」


GM : その冒険者達の様子を見て、スニイプは首を横に振ります。


GM/スニイプ : 「コマンドドールは修得済みだったか。それは失敗だった。確かに、私は操霊魔法が使えない。だから、真語魔法の授業に切り替えた」


GM/スニイプ : 「もはや、私がスニイプではないと確信しているようだ。遠回しな言い方はやめよう」


ミミ : 「話が早くて結構」


GM/スニイプ : 「私はとある使命をもってここにやって来ている。だが、誰かに危害を加えようなどとは思っていない……」


ルルン : 「ウェンディちゃんに怪我させたのに危害を加える気はないっておかしい」


GM/スニイプ : 「それは……私の失策だ。このような事態を招く程のミスだったとは思わなかったが」


GM/スニイプ : 「私が何者であるかについて、雄弁に語り合う時間も悪くはないが、君達の目的を放っておくにはいささか釣り合わないものだと思うがね」


GM : 「飽くまで推察だが」と付け加え、スニイプは腕を組んでいます。


ミミ : 「釣り合うか釣り合わないか、それは私たちが決めることだ」


ルルン : 「じゃあ何が起こったかもあらかた予想がついてるってこと?」


GM/スニイプ : 「ここの屋敷から、何かしら失われたのではないか? 私はそれを守ろうとしていたのだ。おわかりかね」


ミミ : 「……ほう?」


ミミ : 「おいおい、まず質問したのはこっちだぜ? こちらも事情を把握している最中なんだ、君の知っていることを話してもらわなければ、君の質問に答える判断も付かない」


GM/スニイプ : 「……羊皮紙を悪用しようとしている連中が居る、とだけ答えよう。私達はそれを妨害する者だ。一刻を争うぞ……冒険者。そんな中、ここで私と争うかね? それとも、羊皮紙の行方を追う情報がないのか?」


ルルン : 「あの羊皮紙はいったいなんなんだろ」


GM/スニイプ : 「そこまで詳細に話す義理はない。そして、協力もすまい。だが争う程でもない……微妙な間柄という奴だ」


ミミ : 「一刻を争うくせに協力はしない? はっはぁ、大した矛盾だな、それは」


GM/スニイプ : 「バルバロスと人族が協力出来た試しがあるかね? 歴史書を読む事をお勧めするぞ」


バルバロスとは、蛮族側の言葉で蛮族を指す言葉です。蛮族、というのは飽くまで人族側での呼称なので、蛮族からすると蔑称ととられる事が多いでしょう。


GM : という訳で、スニイプの姿をした蛮族は、窓から逃げようと試みます。それを止めるならば戦闘に、見逃すのならば、スニイプはどこかへ行ってしまいます。


アルフレッド : 「スニイプよ羊皮紙を取り返せばまた会えるのか?」


GM/スニイプ : 「会えるだろうな。しかし、私達は羊皮紙を手に入れようとしている……お前達が手にしているのは問題だな」


ミミ : 「率直に聞こう、君はこの家にある羊皮紙を奪おうとしていたのか?」


GM/スニイプ : 「そうだ。私はここに潜入し、羊皮紙を探ろうとしていた。肝心のハミルトンは居らず、ウェンディ嬢も思いの外賢かった為、難航していたが……我々がどれだけ慎重に動いていたか、想像がつくかね?」


ルカ : 「本物のスニイプ先生はどこです?」


アルフレッド : 「潜入する為に関係ないスニイプ本人を殺したのか?」


GM/スニイプ : 「残念だが、犠牲になってもらった。私は心臓を喰わねばそのものに変身出来ないのでな」


ミミ : 「なるほど、蛮族だ」


ルカ : 「……」武器を構えますかね……よいしょ。


GM/スニイプ : 「事は急を要する。私はどちらかと言えば、人族の文化寄りな考え方だが……羊皮紙が連中の手に渡れば、もっと大変な事になる」


ミミ : 「一ついいかい? 人族の文化は、人族を食べないぜ」


GM/スニイプ : 「全く……人族同士でも必要に駆られれば殺しあうというのに」


ミミ : 「ではその文化に則っていえば、君は裁かれるべきだ」


アルフレッド : 「連中とはなんだ? なにを企んでいる」


ルルン : 「その羊皮紙が使われるとどうなるの?」


ルカ : 「大変な事と仰いますが……貴方は内容を全く開示してくださいませんよね」


ルカ : 「神官の私としては不本意ですが……あなた方が本当に何らかの悪と対峙しているというのなら、蛮族と人族が手を取り合えないと仰るのは……それはあなた方のエゴです」


アルフレッド : 「頼むスニイプ わしはお主を信じたい」


冒険者からの怒涛の質問攻めに加え、アルフレッドからの謎の激アツな信頼を寄せられ、GMは困惑してしまいます。冒険者側も、存外に話が出来る相手だった上、飽くまでスニイプの正体のデータが得られていない上に、まだ周囲に仲間が控えているかもしれないというリスク等もあるせいか、すぐに襲いかかってはこないのもネックです。とはいえペラペラ事情を喋る訳にも行かず……悩んだ挙げ句、少し情報を与える事にしました。


GM : スニイプは時間が経っている事に焦りを覚えているようです。仕切りに外を確認し、かといって冒険者達に襲い掛かる事もためらっています。


GM/スニイプ : 「ええい……ここで騒ぎを起こしたくはない!」


ルルン : 「それはこっちも同じなんだよ!」


ミミ : 「仲間でもいるのかい?」


ルカ : それですよね。


GM/スニイプ : 「いいか? 例の羊皮紙は……強大な魔神につながる手がかりだ。貴様らどころか、歴戦の強者ですら手に負えない存在だろう」


ルルン : 「魔神!? 夢で見たような事になったら……! そんな! みんな死んじゃうよ!!」


GM/スニイプ : 「今それが、どこにあり、誰の手に渡っているか考えれば、もはや一分一秒でも惜しくなるのが正常だ。さぁ、決めたまえ。ここで私を止めるか? それとも羊皮紙を追うか」


ミミ : 「その羊皮紙は誰の手に渡っている?」


GM/スニイプ : 「フン、悔しいがその情報はお前達が先を行っているのではないかね?」


ミミ : あ、知らないのかこいつ


ルカ : 「スニイプ先生を殺めたことは決して許せませんが……」魔神……魔神かぁ……。


ミミ : 「恐縮だが、我々はその連中とやらを知らない。それを教えろと言っている」


GM/スニイプ : 「私にも目的があり、上司が居るのだ。全てペラペラ喋る訳にはいかん」


ここでこの蛮族と戦う、もしくは逃がして後を追うとなれば、シナリオの展開が大きく変わる事になります。人を殺めた蛮族である事や、ルルンの経歴にある、魔神が世界を滅ぼそうとする夢を見た事、そういった理由を踏まえ冒険者も様々な相談を交わしながら悩んだ結果、ここは見逃す事を選択しました。


ルルン : 「この人たちの手に渡るとかの前に、別の奴らに悪用されちゃったらたくさんの人たちが死んじゃうかもしれない」


ルルン : 「私が集落の外に出たのはそれを止めるためだから……!」


ルカ : 「今すぐにでも羊皮紙を追いかけたいですね……」


ミミ : 「同意見だ」


ルカ : 「悔しいですが……この方を今ここでどうにかしたところで相手は組織ですからね」


ミミ : 「確かに、余計な厄介者を相手にする可能性もある」


ルルン : 「悔しいけど羊皮紙のほうが心配だよ」


ルカ : 頭を抱えそう。耳がしゅん……てなってしまう。


GM/スニイプ : 「賢明な判断だ。ここで争っていた時間によって、結末が変わっていたやもしれん」


ミミ : 「行けよ、我々の結論だ」


ルルン : 「次あったら許さないから!」


ルカ : 「ええ。次会ったときは……許しません!」


GM : 蛮族は勢いよく駆け出し、窓から飛び出します。見た目は人間ですが、身体的には強靭なのでしょう。2階から地面に着地し、そのまま、急いで去っていきました。


ミミ : 普通に正面から出ていけば良かったのでは?


GM : いやほら、もしかしたら衛兵とか呼ばれて、入口で囲まれるかもしれないですし。ね?


GM : あの蛮族が言うに、既に羊皮紙は得体の知れない連中の手に渡りかけているかもしれません。冒険者達以外に羊皮紙を追いかける蛮族の勢力、そして羊皮紙を手に入れかけている謎の勢力。それを追いかける、冒険者達の図式が浮き彫りになってきました。

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