1-5 逆●裁判始まる!?
●逆○裁判始まる?
情報を抱えていそうな門番へ遂に聴取を始める一行。話を聞いて、情報を貰って終わり……と、スムーズに行くと思ったなら大間違いです。冒険者達のお手並みを拝見しましょう……ふっふっふ。
GM : では、門番は遂に来たかと言わんばかりに身構え、敬礼します。
GM/門番 : 「ここ、こんばんは! いえ、おはようございます!」
ルルン : 「こんにちわー!!」
アルフレッド : 「おはよう」
ルカ : 「お疲れさまです」
ミミ : 「まぁまぁ、その身構えないでくれたまえ。君も辛いねぇ、聞けば夜勤明けなんだろう?」
GM/門番 : 「えぇ、まぁ。お嬢様の申し付けですので……つらい所ではありますが!」
ミミ : 忠誠心はまぁまぁか。
ルカ : 良い人そうですね。
ルカ : 「すみません。手早く済ませますのでいくつか質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
ミミ : 「はっはぁ、まぁもう少しお嬢様のお戯れに付き合ってくれたまえ」
GM/門番 : 「しかし、一体何用で? いや、詮索するつもりはございませんが!」
ミミ : 「いや何、ここ数日の夜、何か気になることはあったかい?」といって煙草を一本差し出す。
GM : 「夜ですか!?」と反芻し、兵士はうなります。
GM/門番 : 「ええと……何も異常はございませんでしたよ! タバコは吸いません!」
GM : と、門番は勢いよく答えます。そして敬礼。
ミミ : 「つれないねぇ。だがなるほど、ところで君、随分眠そうじゃないか。本来なら何時に上がりなのかな?」
GM/門番 : 「6時で交代であります。晩は21時入りです。しかし、職務中は居眠りしておりませんので!」
ミミ : 「はっはぁ、君の勤務態度については疑っていないさ。ああそういえば、先ほど庭を見て一つ気になることがあったんだが、今の庭師担当は、仕事道具も片付けない適当な奴なのかい?」
GM : 一瞬、門番は顔をしかめます。
ルカ : むむっ
GM/門番 : 「……まぁ、そうですね。どうせ翌日も来て同じ仕事をするから、という魂胆なのでしょう。旦那様はよくいらっしゃらないですし、お嬢様もきつくは仰らないようです」
ミミ : 「今日、その庭師は来ているかい? 少し話をしたいんだが」本当に適当なやつだった。
GM/門番 : 「ふむ……夜勤の私には、彼がいつ頃来ているかは分かりかねます!」
ミミ : 「なるほど、ごもっともだ」
GM/門番 : 「しかし、通常ならば来ている時間なのでしょうが。適当なものなので、遅刻しているのかもしれません」
アルフレッド : 「メイドやもう一人の門番や君たちの間で庭師の話はしないのかい? 噂とか態度とか」
GM/門番 : 「そうですね……メイドさん達と話し合う機会もあまりありませんが、適当な奴だという印象は共通なのではないでしょうか。そのあたりはメイドさんの方がよくご存じかと!」
ルカ : 「庭の芝や植木はきちんと手入れされていましたから、腕は確かなのでしょう」
ミミ : 「ああ、そうだ。これは確認なんだが、門番ということは、何か物音がしない限りは、普段は屋敷を背にして見張りをしているということでいいのかな?」
GM/門番 : 「いえ、屋敷の敷地内も見れるよう、垂直にしております。このように!」
具体的には、正面道路に対し、身体の左・右側面を向ける状態で見張りをしています。道路も、屋敷の方も少し首をひねれば見れるような状態という認識でどうぞ。
アルフレッド : 「玄関口は視界に入ってるのかい?」
GM/門番 : 「ええ、ばっちりですとも!」
ルカ : 「昨晩は外には誰も?」
GM/門番 : 「ええと……"異常"はありませんでした!」
ミミ : 「そうか、では言い方を変えよう」
ミミ : 「昨晩、誰かに会ったか?」
GM/門番 : 「ふんぬっ」
GM : 門番は頭痛でもしたか、頭を押さえます。バシィッと効果音が入りそうな感じです。どんな効果音とは明確に申し上げられませんが。
ルカ : 「大丈夫ですか?」
GM/門番 : 「失礼、眠気でめまいが。昨晩は誰にも会っていません!」
GM/門番 : 「と、お聞きになるという事は……やはり屋敷で何かあったという事ですか!?」
ミミ : 「何、お嬢様は昨晩どうやら幽霊を見たようでね」
ミミ : 「おそらく何かの見間違いだとは思うが、念の為我々が調査しているということさ」
GM/門番 : 「幽霊だなんて、ハッハッハ。ここはキングスフォールですよ、アンデッドは近寄りさえ出来ません」
GM : と、幽霊に関しては一笑に付しますね。怖がってはいなさそうです。
ミミ : 「はっはぁ、まぁお嬢様もまだ12歳の女子だ。枯れ尾花を幽霊と間違えることもあるだろう」
GM : 「さもありなん、ですな」と頷きますよ。
門番を怪しむ冒険者達。しかし、昨晩に異常はなく、誰とも会っていないという門番に対し……冒険者達が某逆転ゲームばりに畳み掛けていく。BGMが脳内に響き渡るようです。
ルカ : 「門番さんが見ていないということは……一体誰の足跡だったのでしょうね……」
ミミ : 「確かにな。ああ、一度見てもらおうか?」
GM/門番 : 「えっ 足跡……?」
ルカ : 「ここで番をしていたのなら、人が通った時に気付けるはずです。見えない何かが通った……? 怖いですね」
GM : 門番は示された通りに足跡を一瞥します。そして、ルカの言葉を横からしかと聞きつつ、冷や汗を流します。
GM/門番 : 「ゆ、ユーレイでは!?」
アルフレッド : 「100%、幽霊とは言い切れんぞ若造。アンデッドはおらんらしいからのぅ ゴーストかのぅ 人間かのぅ」
GM/門番 : 「ふんぬっっ!!」
GM : 良い詰め寄り方ですね(笑) バシィッという効果音がまた聞こえてきそうです。
アルフレッド : 「どう解釈する若造」(圧力)
GM/門番 : 「そ、その……異常はなかった、と嘘はついておりません!」
GM/門番 : 「つまり、その……異常ではない人には、会っております!!」
ミミ : 「おや、先ほど私は誰に会ったか? と質問したんだが?」
GM/門番 : 「うむむ……当方の、解釈違いでした……」
ミミ : 「まぁいいさ、続けたまえ」
ルカ : 「解釈違いだったのなら仕方ありませんね。人であるならばそういうこともままあります」
GM : (爆笑) 聞いたことのあるようなセリフですね。ともかく、第2ラウンドに入りましょう(笑)
GM/門番 : 「昨晩、この屋敷から人影が出たのを見ました。怪しい奴! と思いはしたものの……」
GM/門番 : 「それは、庭師のダミアンでした」
ミミ : 「……ふぅん」
アルフレッド : 「他には何かないのか? でなければわかるのぅ若造?」
ルカ : 「庭師の……? 夜中にですか?」
GM/門番 : 「こんな時間には来ないとは思いましたが……彼もこの屋敷で働く者の一人。夜に来る理由も、なくはないでしょう。例えば、荷物を忘れて取りに帰ってきただけ、だとか。という訳で、異常はありませんでした!」
ミミ : 「は? 君、名前は?」
GM/門番 : 「(間を置いてから)ジョン、です」
ルカ : GM、今考えませんでしたか?
GM : まさか!!
ミミ : 「そうかジョン君、では君は、庭師が出ていったところは目撃したのに、屋敷を訪れたところは目撃していなかったということか?」
ミミ : 「まさか自分の真横を通り過ぎたことすら気づかなかったとは言うまい」
GM/門番 : 「ふんぬっ!! ……お、お待ちを。ごもっともです」
門番が次の言葉を述べる前に、矢継ぎ早に冒険者が言葉を挟む。
ミミ : 「さらに」
ミミ : 「庭師は屋敷からは出たのだろうが、門を通ったわけではないのだろう?」
ミミ : 「なぜ居ないと知っている?」
ルカ : 「帰り際に門を通らなかったのもおかしな話ですね……」
アルフレッド : 「確かにそうじゃ」
GM : 門番は頭痛を起こしているようです。
GM/門番 : 「い、いや……その……」
ミミ : 「はっはぁ、そんなに今日は暑かったか? 汗が凄いじゃあないか」
ここで、ヌワーッという断末魔のような、追い詰められた人の叫び声がGMの脳内に響き渡った。
GM/門番 : 「申し訳、ございませんでしたーッッ!」90度に腰を折る。
ルルン : おっきい声にびっくりします。
GM : では、門番は洗いざらい喋るでしょう。まとめますと……。
GM : 門番は昨晩、0時ごろに玄関から出てくるダミアンらしき姿を見たとの事。また、そのまま門を出ようとせず、塀に向かった所でおかしいと思ったようです。そして、手には羊皮紙のようなものを握っていたのも見ました。
GM : 塀に飛びつき、よじ登ったダミアンを見て、門番は追いかけましたが……残念ながら見失ってしまったようです。そこで、万が一トラブルを起こしていたダミアンを見失っていたとしたら、自分の責任。門番は、ただダミアンがバツの悪い不出来を始末しにやってきた可能性にかけました。例えば、大事な荷物を取りに来たのだろうと。
GM/門番 : 「……しかし、庭をよく見てみれば、彼の仕事道具は残ったまま。取りに帰った線も薄い。おまけに、お嬢様が冒険者まで雇うとなれば……これはまずいに違いない」
GM/門番 : 「私、つい報告のタイミングを逸してしまいましたっ!」
ミミ : 「まぁ、気持ちはよく解るよ、ジョン君。人間誰しも楽観的な方へ考えてしまうものさ」
ルカ : 「なるほど……繋がりましたね」
GM/門番 : 「で、ではもう帰ってもよいでしょうか!?」
ルルン : 「それはウェンディちゃんに聞かないと……」
ミミ : 「え? 何故帰るんだい?」
ミミ : 「これから君には、事の顛末を主に伝える大事な仕事が残っているじゃあないか」とても笑顔で
ルカ : 「そうですね、まずはウェンディ様に全てをお話することからです」
GM : 「ぬわーーーー」と門番は頭を抱え大声をあげます。
アルフレッド : 「災難じゃのぅ」
ルカ : 「安心してください。僕たちもついていきますから」
ミミ : 凄く優しいじゃないか。一人で行かせる気だったぜ。
ルルン : 「ダミアンさんの居場所もみつけないとだね!」
ルカ : 「大丈夫です、ウェンディ様は導きの星神ハルーラ様のようにお優しい方ですから、きっと罪を認めた貴方をお許しくださるでしょう」さあさあ、ほらほら
アルフレッド : 「がんばれ若造ぬしはまだ若い。次の仕事は何をするか考えるんじゃ」
GM/門番 : 「せ、せっかく手にした職が~ッ!」
アルフレッド : 「困ったらわしのとこに来い。魔道機関車の整備はきっつい重労働じゃぞ! 根性叩き直したるわい」
ルルン : 「ハルーラ様のご加護がありますように」と祈りを捧げます。
GM : 冒険者からの叱咤激励?もあり、門番はなんとか最後で道を踏み外すのをもちこたえました。
ルカ : 「ただ罪を罰するだけでは罪は無くなりません。悔い改め、更生することをハルーラ様は善しとします」
ルカ : 「そういった意味では、門番さんのような方にこそ、ハルーラ様のご加護が必要なのです」
ミミ : 「ほう、立派なお考えだな」
ルカ : 「あ、すみません長々と……。我が神の話になるとついつい長話を。ウェンディ様の元へ行きましょう」
ミミ : 「いやぁ構わないさ、無信仰の私からすると、様々な神の考え方を聴けるのは僥倖とも言える」
ルカ : 「そう言って頂けるのは素直に嬉しいですね」
アルフレッド : それにしてもこやつ相当頭がキレよる 頼もしい限りだミミ
ミミ : 「ただ、どの神にも属する気は更々ないぜ? そこだけは承ってくれ」
アルフレッド : 「自身の信じるものを信じればよい 神でなくてもよいのだ」
ミミ : 「ならば私は、私を信じることにしよう」
ルカ : 「いつか心から信じられる神様がミミさんの前にも現れるかもしれませんよ」
ミミ : 「はっはぁ、その日を楽しみにしておくよ」
と言う訳で状況証拠、探索で得た証拠をちゃんと組み合わせて、しっかり門番を論破した冒険者達。いやぁ、お見事です!
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