1-4 書斎~現場調査

●書斎、現場調査開始。



GM : 屋敷内は、外と同じように立派です。派手に着飾りはせず、品の良さがうかがえる調度品です。詳しい間取りは後程。2階の、事件現場となる書斎へ誘導されました。メイドは事前に客人が来ると知らされているので、家事担当の二人が左右に並んで皆さんに頭を垂れます。


ミミ : 会釈


ルカ : 「なんだか緊張してしまいます」と言いながら会釈をして通ります。


ルルン : 「おっきーねーぇ!」


GM : 書斎に入ります。中は一見すると何の変哲もない、書斎です。こだわったのか、フレジア森林国の木材を用いた大きな書き物机と対になる椅子、そして壁にはキングスレイにまつわる歴史の本等が収まった、立派な本棚。また、暖炉が設けられたりしています。


アルフレッド : 「こんな部屋に隠し部屋があるんじゃな すごいのぅ」


ルルン : 「すごーい!」とあたり見回してます。


ルカ : 「立派な書斎ですね」


GM/ウェンディ : 「こちらですわ。例の人影を見た後は、わたくししか入れないよう鍵をかけていますので、誰も入っていないはずです」


ミミ : 「懸命なご判断ですわね。では、隠し部屋を見せていただいても?」


ルカ : 「何か見つかると良いのですが」


GM/ウェンディ : 「はい。書き物机の下側を……こう……」


GM : と、実践して見せようとしますが、何かの証拠をかき消すとまずいと思い、踏みとどまります。物理的な仕掛けで、本棚が動くと教えてもらえますよ。


ここで、仕掛けについて説明。机の足を収めるスペース側の天板に、指で押すスイッチが設けられています。スイッチは小さく、見ずに押すのは少しシビアです。そして、間違って触れて押さないよう、強めに押さなければならないようになっています。


ルカ : 「犯人も同じように操作して侵入した可能性があるのであれば、まずは机から調べてみましょうか」「動くのは……ここですか?」本棚?


ルルン : 「机見る!」


GM : 探索判定どうぞ。あ、アルフレッドはダウレスを出してもOKですよ。


アルフレッド : 了解した。ちゃんと声かけておくか。「ウェンディ嬢すまんがお友達を呼ばせて貰って構わんかな?」


GM/ウェンディ : 「ええ……お父様の為ですもの。ただ……お汚しにならないようお気をつけて。あと、調度品も壊さないようにして下さいまし」


ルカ : 尻尾に気をつけなければ。


アルフレッド : 「了解じゃ。ジークよ 力を貸してくれるか」


ダウレスのジークくん : 「ギュイーギュイー」


アルフレッド : 「ほうほう なになに? そうかそうか! 頼りになるのぅジークよ」(意思疎通は出来てない)


ルルン : 「!?!?!? なんかでた!!」


ルカ : 「驚きました……」


ルルン : 「……あ、ダウレスだぁ。びっくりしたぁ 私もお友達よぶ!」(魔物知識成功)


ルカ : 「鞍がついているということは、お乗りになられるのですね。すごいです。触っても大丈夫ですか?」


アルフレッド : 「構わんぞ。なあジークよ」


ルカ : 「ありがとうございます。ふむふむ……皮膚はこんなにも硬いのですね……」ぽんぽん


ルルン : ルカにフェアリーサポートかけます。(ころころ)3」


GM : 危ない……かかりました(汗)


注釈。本来、10分かかる探索判定に対し、3分の効果時間であるフェアリーサポートは効果を発揮出来ないのですが、GM見落としでこのまま出目上昇の効果を適用しています。うっかり。


ルカ : 「ありがとうございますルルンさん。痕跡調査、頑張ってみますね」


GM : ウェンディは騎獣を見たり、妖精魔法で喚び出された妖精を見て目を丸くしています。


各自探索判定に。この卓では、探索判定の目標値は開示していません。何もない場所で目標値を提示しない為です。何もない事が分かる、という探索判定で運命変転や、指輪等のアイテムをプレイヤーに用いさせると可哀想なので……。

そしてルルンが記念すべき(?)初の自動失敗。


GM : おめでと~! 初ピンゾロ出ました!


ルカ : 祝 50点


ルルン : 6ゾロ出すって思ったのに……。


失敗は成功の母。めげずに頑張ろう!


GM : 皆さんはそれぞれ書斎を探索しました。ミミとルルンは、何もないなぁと思いました。


ルルン : 「なにもない! 現場はここじゃない!」


ルカ : 事件は書斎で起こっているわけではなかったようですね。


ミミ : 「……」(探索はしたものの、平目の為早々に諦めずっと本読んでる)


GM : アルフレッドは、ダウレスが窓に反応した事に気づきます。複数ある窓の内、ひとつの鍵の施錠が甘い事に気づきましたよ。施錠機構に問題なく、中途半端な状態。


ダウレスのジークくん : 「ギャイイイギャイイイ」


アルフレッド : 「なんじゃ? ここの窓がどうかしたのか? ん? ここの窓だけ鍵がしっかりかかっとらんのぅ」


ミミ : その窓からは何が見える? 間取り図とかでわかるならそれでも。


GM : 窓から見えるのは裏庭です。そしてルカの結果。


ルカ : 耳をぴょこぴょこさせながら探索をしています。


GM : 書き物机の下の絨毯に、インクの染みの跡があります。拭い去られているようです。それに気づけるなら、書き物机の上にあるインク瓶のインクの量がかなり減っている事にも気づけるでしょう。そしてもう一つ。先程教えられた、天板の裏にある隠し部屋のスイッチの付近にいくつかの細い傷が入っています。以上です。補足として、インクを拭い去った跡は雑であり、その手の知識ある者による隠蔽ではないようです。


ルカ : 「絨毯にインクの染みの跡がありますね……どうやらこのインク瓶をひっくり返したようです……ん、この傷は何でしょう」


ルルン : 「焦ってたのかなぁ」


GM : また、知らない状態で隠し部屋のスイッチを見つけるには、それなりの経験が必要だろうと思います。具体的に言えば、インクのシミを拭った隠蔽判定は平目程の達成値。また、隠し部屋のスイッチを見つけるには、探索判定で14程の達成値が必要そうですよ。


ミミ : 傷の種類はなんだ? 切り傷、摩耗、多分どっちかだと思うが。


GM : 傷の種類は、幅1センチ四方程の傷が2,3個あります。どれもスイッチの周囲に集中しています。


ミミ : 切り傷ね、了解。


ルカ : 「隠し部屋のスイッチは手探りで探して簡単に見つけられるようなものではなさそうです。恐らくですが予めここにスイッチがあると知っているものの犯行の可能性が高いですね……僕が見つけられたのはこれくらいです」


ルルン : 「現場はここだった……?」(驚愕)


ルカ : 「ここですね」


ルカ : 「ルルンさんの妖精達にも手伝って貰ったので恐らく間違いありません」僕一人の知見だと少し不安です。


ミミ : 「ウェンディ様、このインクは前からこれくらいの量でしたか?」


GM/ウェンディ : 「量までは把握しておりませんが、メイドが常に補充するのでこれはおかしいかと」


ミミ : 「成程、では書斎の戸締り――窓の施錠等は普段どなたが?」


GM/ウェンディ : 「メイドが帰る前にしておりますわ。わたくしも念のため、寝る前に行っております」


ミミ : ってことは、この状況になったのは昨夜の事件発生時の確定は取れた。


ルカ : 「鍵の施錠が不十分……? ではここから出入りしたということでしょうか」


ミミ : 「今のところはその線が濃厚だな」


ルルン : 「ここからはいって出るときか入るときかにインクこぼしちゃった?」


ミミ : 「ああいや、侵入者は入る際はこの窓を使ったんだろうが、問題は出る時だよなぁ」


ルカ : 窓を開けて外を見ます。


GM : 裏庭には特に何もなく、表の庭よりもずいぶん敷地が小さいです。すぐに塀があるような状況で、その塀の向こうは別宅の敷地となっています。


ルカ : 窓枠や壁などここから更に調べられることはありますか?


GM : 先程の探索の結果がすべてでしょう。


ルカ : なるほど、わかりました。


ルカ : 「後で裏庭も調べてみる必要がありそうですね」切り傷に対して詳しく調べたいです。


GM : 傷に対して、詳しく知りたいのならばセージorアルケミスト技能レベル+知力ボーナスで判定どうぞ。目標値は15です。


ミミ : 18だ。


ルルン : (ころころ……) ほらぁ!! 6ゾロ!


アルフレッド : 4じゃ。


ルカ : ブレ幅すごいですね。……7 期待値です。


GM : ルカとアルフレッドは首を捻ります。ミミ、ルルンは詳しく観察し、こうではないかと思います。ルルンに至っては確信に近いでしょう。


ルルン : ふふん


GM : どうも、指で強く押した際に出来たような、爪によるものの傷に見えます。それも、当たりをつけて手当たり次第に押したような傷です。


ミミ : 「これは……爪か」


ルルン : 「爪で間違いないと思う」


ルカ : 「爪、ですか……」


アルフレッド : 「爪じゃと?」


なんだこの爪、4連発言……。GMは訝しんだ。


ルルン : 「たぶん場所がわからなかったんじゃないかなぁ。手あたり次第にここかなって感じじゃないかなぁと思うんだけど……」


ミミ : 実行犯はまぁまず間違いなく焦っていた。隠し部屋の情報自体はどこからか入手していた。正確な場所は知らないということは、ハミルトン本人の線はほぼなくなったな。ただ現状一番理解できないのは、なんで窓から逃げなかったのってところだ。


GM : 間取りについて教えるのを失念しておりましたので、遅ればせながら追記。1階はメインホール、応接室、食堂と併設された調理場、客室。2階はハミルトンの寝室、書斎、ウェンディの私室、メイド用に貸し与えてる仮眠・休憩室。


GM : 階段は一つだけ、出入口も正面に一つだけ。窓は開閉可能で人一人なら普通に通れるサイズ。


ルカ : 「ウェンディ様、この書斎に出入りできた人物をすべて教えてもらっても良いでしょうか」


GM/ウェンディ : 「書斎に出入り出来たのは、室内メイド……つまり、家事担当と調理担当メイドです。庭師や門番の方は、室内に入る事はほぼありませんので、入ったら記憶に残ると思いますわ」


ミミ : で、メイドの役割は交代制で、全員すべての業務は一巡していると。入れた時期に違いはあれど、雇われメイド全員に書斎を確認するタイミングはあったわけだ。


GM : 仰る通り。


ミミ : 「ウェンディ様、昨晩の夜勤のメイドは帰したとお聞きしましたが、彼女の昨夜の行動をお聞きしても?」


GM/ウェンディ : 「昨晩の夜勤メイドに関しては、人影が1階へ消えていったのを見計らってから、わたくしが起こしに行きました」


ミミ : 「なるほど、なので2階のメイド部屋で寝ていた彼女に犯行は不可能だというわけですね」


GM : 実際の所、持ち回り制なので前日以前からかかわっている可能性もありますが、リアリティをもたせる為に用意している枠なので、無関係だと信じてもらって構いません。


ミミ :りょ。で、人影は一階にいったと。


ルカ : 「犯人は1階の出入り口から出て行ったということでしょうか……」


ミミ : 「もしくは、逃げていない可能性もあるか」


ルカ : 「逃げていない可能性……! それは盲点でした」


GM : 1階に降りていく姿は見たようですね。2階の別の部屋、1階も当然調べますが、めぼしい情報は特にありませんでした。


ここで細かい情報を口頭で話しました。玄関から出た場合、門を通らず左右・裏側の塀をよじ登って出ようとしたら門番に見つかるか、との問いがプレイヤーから飛び出す。その答えは、YESです。正面の玄関から出入りした場合、門番からは確実に見られます。


ルルン : 「とりあえず隠し部屋見る?」


ルカ : 「あ、そうですね。それでは」ぽち。教えていただいたとおりに操作を。




●隠し部屋


GM :では隠し部屋のスイッチを。場所さえ知っていれば、少し強く押すだけで反応します。本棚の一部がスライドし、横の部屋との隙間に作られた小さな空間が露わになりました。中は少し埃臭く、人の出入りがほとんどない事を表していました。小さな棚が複数、骨董品らしき壺や彫像などが並べられています。中心には小さな机が4つくっつけて並べられています。その上にも、いくつか品々が鎮座しているでしょう。


ルルン : 「いろいろあるねぇ!」


ルカ : 「ありますね」


ミミ : とりあえず、探索判定か。私は文献判定するぜ。


ルカ : 「書物に関しての知識は無いので……そちらはお願いします」


ルルン : 「もっかいかける!」ルカにフェアリーサポート。8!


ルカ : 「助かります」


ルルン : 「がんばってー!」


ルカとアルフレッドは探索。結果はそれぞれ14、11。一方で賢い組のルルンとミミは文献判定。結果はそれぞれ17と14というこのレベル帯では高い数値に。知力ボーナスの高さと、アルケミスト特化の暴力を受けるGM


GM : では、ルカとアルフレッドは部屋を探索。ルルンとミミは部屋に収められていた蔵書を見てみます。アルフレッドは、ジークが床に反応するのを認めます。


ミミ : 「……」本読んでる


GM : どうやら、入口から中心の机に向かってまっすぐと足跡が出来ていますね。埃がうっすら靴型になっていました。


アルフレッド : 「足跡じゃな、ジーク。わしにも見えるぞ」


GM : ルカは、机の上にあった品々の中、多段式に引き出しが設けられた宝石箱の引き出しが閉まり切っていない事に気づきます。また、棚の隅で埃をかぶって気づきにくいですが、騎士のような男性と祈りを捧げる乙女を象った彫像が目を引きます。


GM : ミミとルルン。二人とも、この部屋の蔵書は、魔神や魔法文明時代の事柄を記したものばかりだと読み解けるでしょう。以上ですね。


そして、羊皮紙は中央の台の上に置かれてあった事をウェンディから聞きます。スクロールのように丸められており、封蝋がなされてありました。足跡は往復分あり、まっすぐ羊皮紙の置いてあった台に向かっている事も判明。

更に、彫像について見識判定を行うと、イーヴとハルーラを模したものであり、この彫像は魔神に対抗していたとある魔術師達が飾っていたものである事が分かります。この像は現在はもちろん、過去においても通常出回っておらず、その魔術師達の一派が仲間の証で持っていたようです。魔法文明時代の珍しい品物でした。


ルカ : 「なんと美しい像でしょう。こんなところで埃をかぶせておくのはもったいない品物です」


ルカ : ピカピカに磨きたい。埃を払いたいですが、ふーするのは失礼ですからね! 宝石箱も確認しておきます。


GM : 宝石箱は現代の市販のものですね。中に入っていたであろう貴金属はなくなっています。


ルカ : 羊皮紙を盗むついでに金品を物色していった感じですかね。


ミミ : 多分そうだ。


GM : 9時50分。隠し部屋を出ます。書斎に戻ると、ウェンディが部屋の扉を開け、そして、何か魔法を詠唱しますよ。すると、廊下からドレス姿の少女人形がてくてくと歩いてきました。手にはお盆。お盆の上には茶菓子が載せられています。


ミミ : 「操霊魔法か」


ルカ : 「人形をこれほど繊細に操作することができるのですね……驚きです」


アルフレッド : 「人形が歩いとるわ すごいのぅジーク」


GM/ウェンディ : 「人形だとまだこぼすのが怖いので……お茶はわたくしがお持ちしますわ!」


ルカ : 「あ、すみません。ありがとうございます」茶菓子を受け取って人形にお礼を言います。


GM : ウェンディが小言で指示を出すと、人形は恭しくお辞儀しました。ルルンとミミのいう通り、操霊魔法です。2レベル相当のコマンドドールですよ。


ルルン : 「操霊魔法どこまでつかえるの?」かわいいねぇとにこにこしてます。


GM/ウェンディ : 「まだこれくらいが限界ですが……」


GM : と、具体的に2レベルだと伝えます。


ルルン : 「すごいねぇ!」ただし私は天才


GM/ウェンディ : 「ありがとうございます!」


小休憩を挟み、落ち着いて一服してから心機一転、門番に話を聞きに行く一行。


GM : 改めまして、庭は広々としており、所々に腰ほどの高さをした植木が。そして、小洒落た魔動ランプも適度に設けられているでしょう。


探索判定を行うと、屋敷の玄関入り口から、入り口に向かって左手側へ芝生に残った足跡を見つけました。塀まで続き、消えているというもの。しかも片道通行。足跡は隠蔽を行われた形跡もなく、ドタドタという感じ。隠し部屋の足跡と一致するという事も分かる。更には、庭師の道具が植木の側に置かれたままの状態だった。

異常感知判定を振り、成功すると足跡は妙に植木を避けるような足取りだったという事が判明しました。直進すればより早く塀に到達出来そうなものの、迂回しています。

しかし残念、情報に一個取り逃しがありました。致命的ではないものの、変なミスリードなどが起こらないことを祈るばかり。


アルフレッド : 「植木を避けておるな」


ミミ : 「慌てていたくせに? ふぅん……」


ルカ : 「どうして避けたのでしょうか……」普通の一般的な植木ですか? 植物にアレルギーがある人が居るか……とか聞けたりはしませんか?


GM : 残念、植木は普通のものです。アレルギーがあるような人も居らず、情報はなさそう。強いて言うならば植木は庭師が刈り揃えています、くらいでしょうか。


ミミ : というか、庭全域、夜は明かりで照らされてるのか?


GM : 庭は死角がない程度には照らされます。


ミミ : じゃあ門番に。


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