第25話 ライバル?
「いい? あんたも今日あったことは忘れること」
デザートも食べ終わり、会計を済ませて二人で店を出るなり月麦はそう言った。
「何を忘れればいいんだ?」
「水着とかメイドとか、その後のセリフとか間接キスとかよ!」
全部じゃねえか! 無茶言うな。というか、やっぱり気にしてんじゃねえか間接キス。
あと、そのへんの思い出は全部が強烈すぎて、とてもじゃないが忘れられそうもない。
「……なんかわたし、あんたと会ってから恥ずかしいことばっかりしてない!?」
「知らんがな」
今更だし、全部こいつの自爆だったと思うが……。
「というか、そう思うくらいならなんでやったんだよ、あんなこと」
パンツを見せるのもなかなかにひどいが、アダルトな格好のメイドとか水着とか猫耳とか、そんなことよく思いつくなというレベルだった。
「男を魅了する方法って検索したら書いてあったんだもん。男なんて単純で、パンツみせたらいちころだとか、メイド服とかスク水で鼻息荒くしてすぐにとびかかってくるとか」
「お前のネットリテラシーどうなってんの?」
勉強しないからそうやってネットに書いてあることを
俺は単純な男だから全部大好きだったけどな!
でも、俺だけじゃなくて男ってみんなああいうの好きじゃないの?
あれ? ということは、ネットの情報はあまり間違ってないのか?
「とにかく、次こそは勝つんだから! あんたはわたしのライバルよ!」
「お前の全敗だけどな?」
「あんたは一敗したら終わりだからいいの!」
それでいいのかライバルって?
ともかく、お姉ちゃんを狙っている敵からライバルへと、二人の関係はちょっぴり前に進んだのかもしれない。
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