第27話 飲んでも呑まれるな!



ゴリラ型の巨大魔物 カイザーコングを討伐した夜



俺たちは五聖 ガルベドさんのお誘いで帝国領西側の小さな町の酒場で勝利の祝杯を挙げていた・・・



ガルベド「ようし!みんな酒は持ったな! それじゃあ危険な戦いだったが、無事に勝ったことを祝して カンパーイ!!」


「カンパーイ!!」と皆が言う



それぞれ ゴクッ ゴクッ ゴクッと喉を鳴らしお酒を飲み干す


リザ「ぷっはー! やっぱ大仕事の後の酒は格別だぜー!」


ヴィヴィアン「このカクテルの色可愛いな~でも飲んじゃう ゴクッ ゴクッ」


レティシア「う~ん! この葡萄酒も中々に美味ですわ」


フィーネ「この辺にもいいぶどうを栽培しているみたいだね」ワインをじっくり堪能する


ステラ「・・・おいしい・・・」


イングリット「じゃんじゃん飲め! そして食え!」




みんなお酒を楽しんでるなぁ・・・


1人 ミルクでその場の空気に圧倒されているゼオン




そこへ肩を回して「おい! 飲んでるか? 坊主!」


ガルベドさんが絡んできた


ガルベド「んっ? それミルク割りか?」


ゼオン「違います!ただのミルクです 一応未成年なんで俺」


ガルベド「いくつだっけ?」


ゼオン「16です」



※この世界では18歳から成人だぞ!!


こっちではお酒は20歳になってからみんな飲もうね!!


作者より




ガルベド「なんだよ! 別に18です って言って飲めばいいじゃねーかよ!」


ゼオン「ダメですよ! ちゃんとしないと!」


ガルベド「固いねー! まるでシリウスだな!お前!


あいつも18になるまで飲まなかったからなぁ」


ゼオン「シリウスさんとよく飲むんですか?」


ガルベド「ああ 古い関係だからなぁ 飲んではお互いのことを言い合って朝まで語った時もあるぜ」



昔の光景がフラッシュバックする



シリウス「ガルベド!お前は前に出過ぎだ!」


ガルベド「うるせーよ! 俺の勝手だろうが!」


シリウス「部下を率いているんだ!お前が先に死んだらどうする!」


ガルベド「俺が死ぬのは戦場だ!なら本望だぜ」


シリウス「この馬鹿野郎!」 バシっ!


ガルベド「何すんだー! このボンボンが!」 バシっ!





お互い何故か殴り合ったことを思い出す



ガルベド「おっと酔いが覚めちまうな」ゴクッ ゴクッ ゴクッ


「それにして今回のお前 大活躍じゃねーか」


ゼオン「そんなことないですよ! あれはみんながいたから勝ってたんですよ!」


ガルベド「良いこと言う だが トドメをさしたのはお前だ!そこは誇っていいぞ!」


ゼオン「ありがとうございます!」




「んで~ お前さんが誰が好みなんだよ?」ガルベドさんは小声で言う


ゼオン「はい?」


ガルベド「だから あんな美女たちと一緒なんだ!


好みや気になる奴くらいいるんだろ?」


ゼオン「なっ! いきなりなに言って・・・」


ガルベド「男なら当たり前の質問だ! さあ 誰だよ?」


ゼオン「だっ 誰って言われても・・・俺は・・・」

















※ここで選択肢が出ます 皆さんは誰を選びますか?



① からかってくるケモミミ先輩 リザ



② 背が高いけど、可愛い好きな ヴィヴィアン



③ 高飛車だけど、頭はお花畑 レティシア



④ 無口でクールでも強引な性格 ステラ



⑤ 先生であなたを教育する フィーネ



⑥ 強く守ってくれる女上司 イングリット



⑦ まだ決められない
















ゼオン「なっ ⑦です まだ分かんないです」


ガルベド「なんだ そうなのか? 俺なら『全員』って答えるけどな!」


ゼオン「うわ! ズルい!」と心の中で言う


ガルベド「とにかく! 今日はお前が居てくれて助かったぜ! お前なら五聖にもなれるぜ!」


と言ってもらえたが、自分の夢はそこじゃない



ゼオン「悪いですけど、俺はその上の勇者になりますから!」


ガルベド「おお! いいね! そういうの嫌いじゃないぜ! 頑張れよ! 未来の勇者様!」


ガルベドさんは別のグループに混ざる





ふっと前を向くと顔を赤くしたイングリット隊長が睨み付けていた


イングリット「お前! 勇者になっちまうのか?」


これは酔ってる?


イングリット「そしたら デミナス辞めちまうだろ!


そんなこと隊長認めないからなぁ!!」


完全に酔ってるよ!これ!


「お前はもう隊に必要なんだよ!どこにも行くな!


一生面倒見てやるからな!」そう言ってガルベドさんが絡んだ反対側の肩を回して絡んでくる



ゴクッ!ゴクッ!「おい! お前たちゼオンが将来 隊を抜けようとしている!緊急だ!なんとか止めろ!」と言い出す隊長



リザ「嫌だー!置いていかないで! 後輩君がいるからギャンブルがプラマイゼロなんだー!」腰に手を回し抱きつき泣くリザさん


止める理由 それー?と思う



レティシア「そしたら 追いかけましょう! どこまでも地の果てでも地獄でも ぜっーたい逃がさない!」


最後はホラー要素を感じる



フィーネ「確か 闇魔法に束縛の首輪をつけるものがあったわ 先生から逃げるようならつけようかしら それに卒業なんて私はさせませんから」


この人も怖い・・・



ステラ「・・・ダメ・・・」手を握りしめてくる


「・・・もうツガイだから・・・」


?ツガイ?つがいってなんだ?よく分からないまま


手を離すステラ



ヴィヴィアン「えへへへ ゼオンちゃん!」


首に手を回し抱きついてくる しかも大きい胸が顔に当たる


い、息ができない! おっぱいで窒息する!


んんんんーと暴れるが鬼オーガ族の力が強く 抜け出せない!


ヴィヴィアン「いや~ん ゼオンちゃんのエッチ!」


し 死ぬ 死ぬよこれ・・・



すると他の隊員がズルいと言ってヴィヴィアンを引き離し


みんなが抱きつく ヴィヴィアンは後ろに回って抱きつく





それを見たガルベドは「ほらな!やっぱり『全員』だなあいつの運命は」と言って酒をゴクゴク飲む






皆 勝利の美酒に酔っていた・・・


ゼオンたった1人を除いて・・・


「早く大人になりたい」本音がポロっと出る・・・



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る