第28話 帝国五聖 ミウ
帝国五聖との連携及び親睦を兼ねて始まった合同訓練や合同任務
今回は最年少で五聖入りを果たした天才魔法使いミウとの合同任務のはずだったが・・・
ミウ「ファイヤーボール!」
可愛く下級魔法を唱える ファイヤーボールは5つの火の玉を放つ弱い初級魔法
しかし 子供とは思えない低い声で「×20」と言う
5つ×20で100個の火の玉が降り注ぎ
魔物の集団は火の海となった・・・
デミナスたちは呆然と立ち尽くしていた
「・・・・・・」
「はい おしまい!」ミウは子供らしい口調に戻っていた
合同任務で増加する魔物の討伐で帝都から離れた平地へとやってきた一行だったが、次々とミウが魔法で火の海や滝のような水しぶき 竜巻をつくり 魔物は消滅していった
たった1人の女の子によって魔物の集団は壊滅した・・・
イングリット「ミウ様 困ります! これは合同ですので我らと連携していただけませんと・・・」
ミウ「れんけいってなに? ミウの魔法があればイチコロなんだよ」
イングリット「・・・・・・」
あの隊長が言い返せない? 相手が子供だからかなぁ
そう思っていたが
ミウ「わたしが居れば 魔物を集団をすぐに片付けられます。援護など非効率で余計なことはなさらなくて結構 巻き添えになりたければどうぞ 勝手に動いてください。」急に大人顔負けの答えと低い声になり驚く
イングリット「はぁっ! かしこまりました」
ミウに敬語でお辞儀する隊長
戻ってきた隊長は「我々に出番はない」と言う
その後も魔物の集団を見つけてはミウの魔法で掃討しての繰り返しでデミナスは魔物を探すだけになってしまう
あらかた片付いたと思っていると
リザとステラが何かに気付く
リザ「ちょっと待って! あっちから大人数の足音 これ100人以上はいるよ!」 耳をすましてリザさんは確認する
ステラ「・・・私も見る・・・」 翼を広げ 空を飛行する 確認したのか 降りてきた瞬間
ステラさんの背後が爆発する ドカーン!
「ステラさん!?」落ちるステラさんを体を張ってキャッチする
ゼオン「ステラさん?」
ステラ「・・・だ 大丈夫・・・」答えるが直撃だったのか背中には火傷の跡が
ゼオン「ヴィヴィアンさん手当てを!」
ヴィヴィアン「わかったわ!」
ステラさんをヴィヴィアンさんに預ける
ザッザッザッザッザッと足音が近づく
その方向を見ると大量の骸骨が進軍してくる 盾や剣 兜までかぶっている者がいる
イングリット「あれは・・・」
フィーネ「骸(むくろ)兵ね」
ゼオン「むくろ・・兵」
リザ「土葬した人の骨に死霊をとり憑かせて操っているんだよ」
レティシア「いますわね 死霊使い(ネクロマンサー)」
ゼオン「そいつが骸兵とステラさんを攻撃した奴ッスね」
ぞろぞろと近づく100人は超える骸兵
ミウ「うわー!いっぱいいるね! でも全然楽勝だよ☆」子供 口調で言う
「ファイヤーボール×20!」
同じく100コの火の玉を放ち 骸兵を燃やすミウ
「ざーこ! ざーこ!」子供らしい声で恐ろしいことを言ってるよ
しかし 火が消えて地面に魔法陣が現れ 灰となった骸兵が再び蘇りさらに数が200以上に増える
ミウ「あー! 雑魚のくせに蘇った! ならこれは!
アクアスプラッシュ!!」
頭上から水が滝のように流れ、骸兵も水圧で押し潰される
だが また魔法陣で蘇り 今度は300に増える
ミウ「ならこれは! 爆撃魔法 グレネードボンバー!!」
するとファイヤーボールより小さい火の玉が空からゆっくりと落ちてきて
ミウ「だんちゃーーく 今!」と言った瞬間
ドカーーーン!!!と爆発し 衝撃がこっちにまで来る
シューと骸兵一帯が焼け野原になる
それでも、また魔法陣によって蘇り 400に増える
ゼオン「ミウ 魔法はもういい! 操っている奴を俺たちで叩く!」
ミウ「ミウより弱いお兄ちゃんたちは下がってて!」
ゼオン「なにムキになってんだよ」
?「グフフフフフフフ・・・まさか威力偵察にきてみれば 帝国五聖がいるとは・・・グフフフフフフフ・・・」
骸兵の奥にそいつはいた
「我が名はゾンダル! 魔王軍四天王が1人!邪霊将 ゾンダルなり!!」
こいつが死霊使い(ネクロマンサー) 同じ骸骨姿だが 魔力のオーラが違う! それにしゃべる!
ゾンダル「か弱き娘よ!貴様がどれだけ魔法が強かろうが、我が前では骸兵には無意味よ!」
杖をかざすと怪しい光を浴びて 魔法陣が現れ骸兵に支援魔法がかかる
ミウ「うるさい!」と叫び また爆撃魔法をして爆発するが、今度は耐え抜き骸兵がゆっくり近づく
さらに上級魔法を唱えるが 骸兵の動きは止まらない
上級魔法を連発して魔力が底を尽きそうになるミウ
「なんでどうして?」今まで自分の魔法でやっつけられない敵はいなかった だから五聖にまでなれたそれなのに・・・
理由は単純であった 相手が魔王軍四天王であったから
しかも死霊使い(ネクロマンサー)で次々 骸兵を生み出し 強化できることから消耗の激しいミウでは相手が悪かったのである
ミウは今までのことを思い出す まるで走馬灯のように
ミウは普通の平民の娘として産まれた女の子である
ある日魔法について本を読むとその通りに魔法ができた
両親は喜び「この子は天才よ!」と呼び ミウも嬉しかった ミウはさらに魔法の勉強を続け 魔法を極めてわずか10才足らずで上級魔法まで習得する
それを聞きつけた宮殿は彼女を特別魔法術士へ就任する
いつの間にか両親は自分たちよりお金を稼ぐようになった彼女を子供扱い出来なくなっていた それは周りの大人たちも同様「ミウ様 ミウ様」と近づき 彼女を利用する輩もおり大人に対して低い声で冷静に対応する口調になる。
ミウは魔法が嫌いになった 魔法のせいで本当は大人が彼女を守らなければいけないのに子供の自分が大人を守る存在になってしまったからだ
どんな大人も私が大魔法を横で発動すれば子供として見てくれない誰も子供扱いしてくれない
だからなのか過剰に子供みたいな口調になっていたこれは「誰か私を見て 誰か助けて」という想いがこもった表現の仕方だった・・・
魔力が少なく膝をつくミウ
ゾンダル「哀れな少女よ 貴様も死霊の軍団に入れてやろうぞ!」
誰か助けて 涙が流れそうになる そんな時
誰が頭を優しく撫でてくれた・・・
ゼオン「よく がんばった! 偉いぞ!ミウ!
ここからは俺が守ってやる!」
それは 初めて自分を子供扱いしてくれる人
自分を守ってくれる人が現れた・・・
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