第26話 今こそあの・・・



帝国領の西側 暗黒大陸との国境付近にある基地


そこの指揮を取るのが シリウスの対となる存在と噂される帝国五聖 ガルベド



人間族のシリウスとは違い ドワーフと人間族のハーフ


だが、人間族の血が濃いため身長は人間族と変わらない





現在 国境付近では野生の魔物が活発化し 魔物の群れが国境を越えようと群がっていた



特殊部隊デミナスも増え続ける魔物に対処してほしいと応援要請が入り 国境付近に来ていた



ガルベド「よう! 坊主! よく来たな! 貴重な戦力として期待してるぜ!」陽気に挨拶をしてくれる


「うす!!」思わず 変な返事をする



ガルベド「さぁてと 応援も来てくれてありがたいが、現在は我々帝国側が劣勢だ! 予測より早く魔物の群れが押し寄せてきやがる!」


イングリット「原因は? まさか魔王軍か?」


ガルベド「それもありえる だが確かな原因はまだ分からない!」


イングリット「了解した! まずは被害の多いところに援軍としてステラと医療班のヴィヴィアンを向かわせる!


他の被害状況をリザ!確認するんだ!


レティシア フィーネ ゼオンはリザの報告次第 現場へ急行せよ!」



「了解!!」全員が返事する











リザさんの報告を受け 被害あった場所へ急ぐ


ゼオン「大丈夫ですか?」


負傷した兵士たちのところへ行く


「き 君はデミナスの・・・」


ゼオン「敵はどこですか? 援護します!」


「あっちだが・・・」指をさす


ゼオン「了解です!」



ダッシュして魔物の場所へ行く そこには虎の姿をした魔獣が兵士に襲いかかろうとしていた


「うわ! た 助けて!」叫び 喰われる瞬間にゼオンは飛び膝蹴りを魔獣の顔にぶちこむ ドガっ!



キャンっ!と痛がる魔獣 他の魔獣も蹴りや手刀などで片付けていく・・・




見ていた兵士は「すげーや あの子ウルトラタイガーを一撃で倒していっている」





ウルトラタイガー


虎の姿をした魔獣。牙や爪が鋭く、人も亜人も襲う肉食の魔物 兵士数人でやっと仕留められる獰猛な性格


四足歩行型の魔獣でも上位の存在





ゼオン「おりゃ! テヤ! ハァ!」


それでもゼオンは魔獣に臆することなく戦う


さらに 発火イグニッションして次々襲いかかるウルトラタイガーたちをボコボコになるまで連打を放つ




数十匹を倒し 残った魔獣は恐れて退却する



兵士たちは「助かったー!」と叫ぶ



しかし まだ他の場所もあるため次の現場へ急ぎ走るゼオン・・・















応援から1時間後


全ての被害箇所の援護が終了し 一旦基地に戻り デミナスたち全員が報告する



イングリット「被害箇所 全てがウルトラタイガーか」


リザ「これだけの数 群れとはいえ 統率が取れてない?」


フィーネ「確かに 群れなら一点突破してくるはずだが、バラけて襲撃など 魔獣の知恵とは思えん」


ヴィヴィアン「負傷者も多すぎだよ~」


ステラ「・・・群れを束ねる者・・・いる・・・」


レティシア「そうですわね それが濃厚ですわ」


ゼオン「やっぱり ボスを叩かないとまた襲いかかってきますね」



皆が考えていると


ガルベド「ほんじゃあ 敵地に乗り込みますか!」


ガルベドさんは大胆な作戦を言い出す




イングリット「まずは偵察だ!リザ ゼオン2人で行ってくれるか?」


「「了解!!」」


ガルベド「おいおい! 俺も行くぜ!」


イングリット「止めても行くんだろ?」


ガルベド「あったりまえよ!」





こうして 3人で偵察に行くことに・・・



荒野の中に一際大きな岩場の多い場所がある


そこに近づくとリザさんのケモミミがピンっんと立つ


リザ「待って これ以上は気づかれる!」 俺たちを止める



ガルベド「ボスはいるか?」


リザ「ええ でもウルトラタイガーじゃないわ」


ゼオン「え? じゃあ・・・」




次の瞬間 「ガオオオオオン!」と見張りの魔獣が叫ぶ




ガルベド「まずい! 気づかれた! 退却だ!」



急いで元いた基地まで全速力で逃げる3人




追いかけてきた魔獣もガルベドさんが斧でぶった斬る


「おらよ! こいつも喰らえ!」ザシュ!ズバッ!


豪快な技で一撃で仕留めていく



もう少しで基地に着く前にウルトラタイガーの挟み撃ちにあう


リザ「やばっ!」


ゼオン「くっ!」


前後から襲いかかる魔獣



「ふっ!」とガルベドは地面を叩き 魔法陣を発生させる それは錬金魔法で2つのハルバートを瞬時に造り出した


一本を前方に投げ 頭に当たり 後ろの魔獣も両手に持ち 一回転した勢いでぶった斬った



さすがは五聖 強い!






基地に戻り 報告する


ゼオン「すみません! 敵に気づかれました!!


魔獣が追いかけてきます!」


リザ「しかもボスはウルトラタイガーの親玉じゃない!


他の魔物だ! 音を聞いたが、かなりデカイよ!」


ガルベド「恐らくそいつも出てくる!


全員持ち場につけ!!」





知らせを聞き 全員で迎撃陣形をとる




やがて ドスン!ドスン!ドスン!ドスン!と音を響かせる足音が近づく・・・




それが見えた時 全員が驚愕する


推定10メートルはある巨大なゴリラ型の魔物が姿を現す




ガルベド「巨大魔物だ! しかもユニークだ!」


ゼオン「ユニーク?」


ガルベド「突然変異または特殊個体だ!


見ろ!あいつの腕と胸」


見ると腕と胸に紫色に輝く鉱石が生えていた・・・




ゼオン「あれがユニーク?」


ガルベド「恐らく 魔鉱石を食べた突然変異種だ!


だから図体もデカくなりやがった!」





「これは命 張らなくちゃな!」そう言いガルベドはユニークモンスターに突っ込む



自慢の斧で斬ろうとするが鉱石の腕に弾かれる




ステラさんも頭を攻撃するが効いてなさそうだった




次にユニークモンスターがガルベドさんに腕を上げてパンチをしようとするがレティシアの乗るゴーレムが前に立ち受け止めようとしたが、ドーン!あまりの衝撃に鎧にひびが入り基地の後ろまでぶっ飛ばされる




ゼオン「レティシアさん!!」


心配になり 駆け寄る ガシャーン!と操縦席が開く


そこには頭から血を流して気絶したレティシアさんがいた


すぐにゴーレムから出し ヴィヴィアンさんに渡す


「あと お願いします・・・」 ゼオンは怒りを瞳に宿してゴリラ型の魔物を睨み付ける




バババババババン!


イングリットの銃弾が火を吹く だが 腕を使い上手く防御している


「ちっ!学習してやがる!」イングリットは言う



兵士たちも大砲を使い 砲撃を放つ


命中するがやはり 効いていない様子だった





ゼオンはゆっくり近づき 立ち止まる・・・


目を見開き、動いていないのに発火イグニッションする


それは怒りの感情で一気に【ヒートアップ】して燃え上がったのだ


「テメー!このやろう!」ドスの効いた声になる


炎をジェット噴射のように使い、一気に顔面近くまで移動し 右の拳で殴る ドガっ!




その一撃に皆が驚く 巨体が倒れたからだ


ガルベド「やるな!坊主!」


イングリット「やはり 入隊させてよかった」


突然の爆発力を発揮したゼオン




だが ゴリラの巨大魔物は起き上がり 腕を使い胸を叩き出した ガン!ガン!ガン!ガン!鉱石がぶつかる


ウホ!ウホ!ウホ!ウホ!ゴリラらしい叫びを上げて


ゼオン目掛けてパンチする「ウオオりゃー!」ゼオンも負けじと左ストレートを出す


ドカーン!とぶつかるが巨大な腕の腕力に負け ぶっ飛ばされてしまう





ウホホホホホホ!と勝って喜ぶゴリラ


ガルベド「無視してんじゃねー!」


錬成でハルバート2本を両手で持ち ぶん回すガルベド


腕と胸以外を切り刻み



「LAAAAAAAAAA!!」ドラゴンの咆哮をあげるステラ



バン!バン!バン!バン!銃を撃ちまくるイングリット隊長




しかし 決定打にならず ゴリラ型の魔物は余裕の笑顔を見せる






一方 フィーネは別方向から来るウルトラタイガーの相手をしていた



群れで近づく魔獣に詠唱を唱える「・・・・・・我が敵を噛み砕け! 『シャドウ・ファング』!!」



黒い影が牙の形になり 魔獣の群れを噛み千切る闇魔法を使用する・・・

















ゼオンは後ろで待機してある補給部隊まで飛ばされていた


「いててて! あのゴリラよくもやってくれたな!」


遠くから見えるが、みんな悪戦苦闘しているのが分かる


「クソ!どうしたらあのデカブツを・・・」



考えていると自分が補給部隊にいることが分かった


そうだ!ここにはあれがある!!


そうデミナス用の大きな馬車の荷台に重力操作術式が施されていた箱を取り出す ガチャ!開ける


「ついに お前の出番だぜ!!」



ゼオンは切り札に腕を入れる


ウィーン! ガチャーン!



ピピ《重力操作術式が発動されました。


使用者の体重に合う重さを選択中 確認 微調整完了》



ガチャ!ガチャ!キーン! プッシュー!!



《装着完了! 使用する武器は?》


「2つだ!」 《了解》















疲労だけが続く戦闘 諦めが生じる中


イングリット隊長に迫る瞬間 突如 熱線がゴリラに当たり少し飛ばされる



その熱線は後ろから飛んできた


「はあああああああ!結構魔力使う熱線だ!」




みんながそれを使うんだねと思う





だが、今しかねーと確信し ゼオンは右腕に【ギガントスマッシャー】を装着する





ウホホホホホホ!余裕な表情で構える


今度こそ勝つの思い





「ウオオオオオオオオオオオオオ!!」雄叫びを上げる


「ウホホホホホホ!!」


両者思い切り殴り出す!



ドカーン!!キリキリ! バチバチ!



「ウホホホホホホ!」


また自分が勝つそう思っていただが・・・



「バンカー起動!」


すると ギガントスマッシャーの後ろについた杭が引いていく ウィーン! ガチャ!ガチャ!ブシュー!


杭は振動し始める


ウィーン!ウィーン!ウィーン!と力が溜まりついに





ゼオン「おい!喰らえ!エテ公!」



【スマッシュ・バンカー】!!!






杭の射出による衝撃が機械の拳に伝わり それはゴリラの鉱石をすべて破壊するほとの衝撃だった



ドガーーーン!! ガッハ! 血を吐き倒れる巨大魔物




魔獣はボスを失ったため逃走




【ギガントスマッシャー】で巨体魔物を倒した功績をあげる・・・


































ボスキャラ 紹介



カイザーコング


国境付近に現れた魔鉱石を喰って突然変異種となったユニークモンスターで巨大魔物に進化と思われる


両腕と胸に鉱石を生やしている




モデルはキングコン○



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