第25話 帝国五聖 シリウス
大会議での発言で注目を浴びたゼオン
それを後押ししてくれたのは他ならぬ ガルベドとシリウスだった
2人は性格は正反対ながら 妙に気が合う仲で互いを親友と認めている五聖の双璧を詠われる それは仲もいいが お互い強さがあるからそう言われているのだ
来るべき暗黒大陸進軍のためデミナスはシリウス率いる騎馬隊との連携を強くするため帝国の南領付近で合同訓練を行うことに・・・
今は敵に囲まれた時の設定で互いに背中を合わせる陣形を作り この先 どう切り返す または撤退するかを模索する訓練でデミナスを騎馬隊が囲んだ状態となっている
シリウス「さぁ この敵に四方八方から攻められた時はどう対処するか すぐに決断し、対処せよ!」
ジリジリと騎馬隊が寄り始める
デミナスは予定通りステラさんが突撃し騎馬隊の一部を蹴散らし 道を作るその隙に全員走り脱出を試みるが、出遅れたヴィヴィアンの背中に模擬戦用の木の槍が突っつく
ヴィ「はう! やられちゃいました~」
後ろはレティシアのゴーレムで防ぐ作戦だったが 予想よりも数と迫るスピードが早く対処できなかった
シリウス「そこまで!」 号令とともに皆 休む
ヴィ「うー ごめんなさい 私のせいで」涙目で謝る
ゼ「大丈夫ですよ 訓練ですから」
レ「私が守れなかったのがいけませんでしたわ」
リ「まあ しょうがないよ」
フィ「もう一度フォーメーションを考え直すわ」
ス「・・・前に出過ぎた・・・」
イ「いや 作戦を立案した私の責任だ!
私が銃で敵に乱射していればよかった」
それぞれがフォローするが・・・
シリウス「イングリット殿 銃の使用はお控え願いたい
うちの部下が死んでしまう」
イ「そうだった だが、もし実戦なら使わせてもらうがな!」カチャと銃を構える
隊長こえー!と心の中でツッコむ
シリウス「さて デミナス諸君 次だが・・・」
シリウスさんは騎馬隊だけあって実戦と経験を元に様々な戦場のシミュレーションを俺たちに叩き込んでくれた
馬を使う相手にどう対処するか・・・
長い得物を持つ相手には・・・
騎馬隊との陣形及び連携するには・・・
など起こりうることを訓練する
訓練が終わり 帝都に帰還する
別れ際にシリウスさんがよかったら うちで食事しないか?と誘って頂き デミナスのみんなでシリウスさんの屋敷に再びお邪魔することに・・・
「ただいま 今 戻ったよ」シリウスさんが声を上げると
タッタッタッタッタと足音が聞こえ
「父上!おかえりー!!」とシリウスさんの息子さんが抱きつく
「ただいま テオ!」息子の名前はテオくんと言う
続けて「おかえりなさい! あなた!」
一児の母とは思えないキレイなご婦人がお出迎えしてくれる
シリウスさんの奥さんである
「ただいま! ラティア! すまないが今日はお客がいるんだ多めに料理を頼むよ」
「かしこまりました」ラティアさんは承諾する
その後 シリウスさんの家族とデミナスのみんなで食事を楽しみ合った
ゼオンとテオは名前が似ていることと孤児院の子供たちと触れ合っていたのですぐに打ち解ける
テオ「ねぇ ゼオンさんはなんでデミナスに入ったの?」
ゼオン「実は将来 勇者になるために 強くなるために入ったんだよ!」
テオ「へぇー 勇者になるの? なれるの?」
ゼオン「なるさ! 見てなよ」
2人は気の合う兄弟のように話す
シリウス「しかし ゼオン君は子供の相手がうまいね」
ラティア「そうですね まるで兄弟みたいですね」
イングリット「ルピス殿の孤児院の子供たちを相手にしていたのです よき保育者ですよ彼は」
シリウス「そうだったのか うちに呼んで正解だったよ
テオにも良き出会いとなった」
シリウス「それで今日 訓練して君たちは本当に良い人たちの部隊だと改めて知れたよ!
君たちのことを乱暴者の集まりや亜人部隊など嫌な言い方をする連中もいるが、私はそうは思わない!
1人1人が仲間を思う 素晴らしき部隊だと!」
シリウスさんが褒めてくれる
「それに今回で我々騎馬隊とも連携ができると確信した!私は騎馬隊とデミナスがこれからも共に戦おうと労いを思い 我が屋敷に招待したのだ!」
そうゆうことだったのかと理解する面々
シリウス「実はそれ以外にも報告があって・・・」
少し照れるシリウスさん
ラティア「あなた・・・」と言ってお腹を擦る
シリウス「じ 実はテオに弟か妹が出来ることとなった」
「まあ~」 「ええー!」 「ご懐妊ですか?」 「おめでとうごさいます!」など驚きと祝福が巻き起こる
シリウス「いきなりですまない だが 君たちなら打ち明けても構わないと思ったのだ」
パチパチパチと拍手が鳴る
ゼオン「テオ! お兄ちゃんになるのか 頑張れよ!」
テオ「うん! ゼオンさんも勇者になってよ!!」
ゼオン「ああ! 任せろ!!」
祝福するメンバーだが 隊員のリザ ヴィヴィアン レティシア ステラ フィーネの5人は視線をチラチラとゼオンに向ける
「もし、赤ちゃんができるなら・・・」
5人とも同じ考えをしだす
リザ「は 発情期来たら・・あたし・・・」
ヴィヴィアン「赤ちゃん 絶対可愛いよ~」
レティシア「アイツの赤ちゃん・・・」
ステラ「・・・」お腹に手を当て 擦る
フィーネ「生徒の子をなんて 何を考えて・・・」
それぞれなにやら妄想している
食事も終わり 解散となった
「また 来てね!」テオは言う
「ああ! もちろん!」ゼオンも力強く返事する
全員でお礼を言い シリウスの屋敷をあとにする
帝国五聖 シリウス 彼は隊長にも負けない統率力で騎馬隊を率いて戦場を駆ける騎士の鑑だった
性格もきちんとしていて紳士でちゃんとした父親でもある
本当に爽やかで気持ちのいい人だったなぁ
俺もあの人みたいに立派な父親になれるかなぁと考えるが まず相手もいないからなぁ
「家族かぁ」と声が漏れる
それを聞いたさっきの5人は顔が赤く染まる
またそれぞれが妄想する
5人の瞳はゼオンに釘付けになりながら 夜の帰り道を歩く・・・
登場人物 紹介 シリウスの家族篇
『ラティア』
帝国五聖 シリウスの奥さん
物静かで丁寧な性格の方 だが 夫が留守の間 きちんと仕事をこなし 育児もする良妻賢母
2人目を妊娠したばかりだが せっせっと働く出来る人
『テオ』
シリウスとラティアの息子
ラティアに厳しく育てられ 礼儀正しい性格
でも ゼオンと話すと気が合い 普通の子供のように好奇心旺盛な男の子になる
「弟か妹を守れる人になる」と
ゼオンは「勇者になる」と
お互いに約束をする仲になる
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