部隊奔走篇

第11話 隊長は君がほしい



ゼオンたちの活躍より裏組織『夜叉』の壊滅の新聞が帝都や下町にも広がっていた


初めて知る人や知っていた人も皆が悪い人たちが捕まって良かったぐらいの感覚にしか取られなかったが、それでいいのかもしれない 現に人さらいがなくなったのだから



ゼオンは教会の自分の部屋で目が覚める 頭には濡れタオルが置かれていた


「あっ お目覚めになりましたか」ルピスは優しく心配してくれる


ル「倒れた後 熱が高くって驚きましたが、もう熱が下がってきたみたいで良かったです 身体中熱くてビックリしたんですからね!」


ゼ「あの・・・俺・・・いえ なんでもないです。


それより介抱してもらってありがとうございます」お礼を言う


ル「ふふ どういたしまして けど私だけじゃなくみんなに言うべきですよ」


すると 子供たちが部屋にどんどん押し寄せる


「なおったー?」「お熱はー?」「遊ぼう!」


子供たちにも心配と寂しさを与えてしまったため その日は、めいっぱい子供たちと遊んだ・・・




夜叉掃討作戦から1週間後・・・


仕事終わりの帰りに偶然 掃討作戦を一緒にやった特殊部隊デミナスの隊長さんと出会った「どうも」挨拶すると「奇遇だね こんなところであったのも縁だね どうだい少しお茶しないかい?」

明らかにわざとだよな怪しいと思ったゼオンは

「すみません 失礼します」と逃げるだが、ガチャ!頭に拳銃を突きつけられ「お前に拒否権はない!」 「ですよねー」



帝都の一件のカフェの席に座る 二人


ゼ「あのー?話っていうのは」


イングリット「単刀直入に聞こう? 我が隊に所属しないか?」


唐突でいきなりすぎたが、聞いてみる「なぜ 男の俺なんですか?」


イ「確かに我が部隊は女性だらけだ それは私が見つけスカウトしたから女性の亜人族だけになってしまった訳だ」


ゼ「今回もイングリットさんの判断でのスカウトということですか?」


イ「そうだ それに君は力をもて余していると思うんだ


調べさせてもらったが 君は志願兵を受けるも不合格 それなのにあの身のこなしと体力それにアルタスとの戦いで君は自身の魔力が少しだが、開花したのだ


そんな伸びしろのある人材を放っておくのはもったいない


是非うちで鍛え上げてみないかい? きっと君がなりたいという勇者にも近づけるはずだよ。」


ゼ「・・・」


イ「孤児院が気になるようだが、安心したまえ給料も高く出すうちは特殊部隊だから他の兵士や騎士に比べ特別待遇で高いのは当たり前 稼いだ分の何割かは孤児院に寄付するがいい 非番の日や週に一度は休みにしている 存分子供たちの相手もできるぞ さあこれだけの条件が揃ってるんだ!どうする?」


まるで獲物を狩りとるみたいな瞳でゼオンを見つめ問いかける


ゼ「・・・」ゼオンは考えるが 心はもう傾いていた


ゼ「わかりました 寄付の件 約束できるのならいいです


特殊部隊『デミナス』に入隊させてください!!」頭を深々と下げお願いするゼオン


イングリットは一瞬ニヤッと微笑んだが 真剣な表情に変わり 「これからよろしく」と告げる・・・

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