第26話学校内の探索

そんなこんなで日々が過ぎたある日のことだ。この日は学校がお休みのため生徒達は寮や学校の敷地内でそれぞれ過ごす。そんな中ホーラーの女神様達4人は学校のなかを探検することになった。アマイモンの一件の後ケンタウロス達が学校の中を案内してくれたが今度は自分達で行ってみようと思ったからだ。

まず、彼女達は寮を出てドアの鍵を閉めて螺旋階段を下りていった。階段の横の壁は真っ白に塗られていて壁に立てかけられた絵が色鮮やかに映って見えた。古代ギリシャの建築のは紀元前7世紀頃から様式の創造が開始されはじめたとされている。そして建築の特徴だが空間よりも細部の装飾や比例原理を洗練させて自己完結していく傾向にあり、現代の美術的な感覚からすれば、建築よりもむしろ彫刻に近いのだ。その後のヘレニズム時代には建築の形態が再編成され、建物の関係性が意識されるようになり、やがてこれらがローマ建築に継承されたのです。階段を降りると広い廊下に出た。床は大理石のようにピカピカに輝いていた。この学校では清掃業者の方が来てくださって掃除をしてくれる。生徒達が寮に戻った後なのであまり気づかれないようですが、毎日来て頂いてるようだ。

「誰が掃除をしているのでしょうね。どこも凄く輝いているわ。」

エウノミアーが驚いて言った。

暫く廊下を歩いていると、pacifista 寮の談話室が見えてきた。

「えっと、ここは談話室よね。」

エレーテが思い出して言った。

ここは生徒達が休む休憩所としてもよし、先生との語り場や居残りの補習授業もここで行われたりする。各寮に設置された談話室はその寮の生徒達しか使えない。

そういえばホーラの女神様達はマールスと同じ寮だったのである。

そして談話室を過ぎて暫く進むと広い廊下に出た。ここからは寮を抜けて生徒達や先生達が共通で通る場所だ。

女神様達は場所を一つ一つ確認しながら進んで行った。

 「私達が留学している”Esperanza of fantasia school”は独特よね。」

そこで4人は学校について歩きながら振り返ることにした。


~学校の掟~

1:飲食の持ち込みは禁止

2:学校の許可が降りない限りは外出は禁止!ただし緊急入院や特別な日は別です。長い休みの帰省も学校の許可が事前に必要です。事務局から証明書を貰いサインをして届け出ないといけません。長期での帰省は親のサインも必要なので事前に封筒に入れて送らないとダメですね。証明書は注意事項も書いてあるのでよく読むように!!

3:ペットの持ち込みですが小動物はOK.ただし犬や猫はしつけてあるのか学校でチェックしてから寮へ持ち込んでください。鳥は鳥かごに入れて外へ離さないように注意してください。

4:学校外で魔術を使用するのは基本的には禁止(ただし例外あり)。召喚魔法は資格を持ってから使用してください。

5:競技でのドーピング使用の禁止が今年から新たに加わりました。

6:新入生の勧誘や寮の模範生徒は校長先生が決めます。毎年成績優秀者の7年生からの生徒が各寮ごと1人ずつ選ばれているようです。選ばれし生徒には校長先生から直筆での知らせが来るそうです。

7:門限は夜の8時まで!8時以降は部屋から出るのは禁止です。各寮にも共同トイレはありますが8時までに済ませてください。掟を破ると寮監督の先生からのお仕置きと反省会が待ってます。


~各寮について~

1revolución (革命):正義溢れる素敵な寮です。この寮監督の先生はギュムナスティケー先生です。ギュム先生のことなのでもし掟を破ったらグラウンドを走らされたりするんですかね?

2marina(海軍):名前の通り潤いと爽やかな寮です。この寮監督の先生はピタゴラス先生です。お仕置きはたぶんみっちり数学とか(笑)

3campeón(王者):王族と気高い寮です。こちらの寮監督の先生はエミール先生です。エミール先生は学校の中でも厳しい先生と有名なので彼のお仕置きはかなりきついでしょうね。

4pacifista(平和主義):清らかで美しい心を持つ寮です。この寮監督の先生はアレキサンダー先生です。彼の場合は星のうんちくを散々聞かされた挙句おすすめの星の本を読むまでしつこいですからね。いろんな意味で厄介ですよ。

そして寮の決め方は校長先生が生徒に合った寮を選びます。

★学校の食事について~

大広間で基本的には寮の生徒と食べます。他の寮の生徒と食べても良いですが同じ寮の生徒と食べましょう。食事は1人1人お盆に載っています。日本の学校給食というよりはアメリカの学校でよくあるカフェテリア式ですね。

みんなの食事は栄養士さんがきっちり管理しているのでビタミンやタンパク質など満遍なく取れています。喉が渇いた時には休み時間に広間に行くとジュースを提供してくれます。でもジュースの飲み過ぎには注意しましょう。食事が食べ終わったらカウンターに自分で持っていき置いてから帰りましょう。学校でイベントがある時はイベントにちなんだ料理が出てくるので楽しみです。先生達は先生同士で集まって先生の談話室で食べています。食事は生徒達と同じです。食事の量は進級するごとに少しずつ増えていきます。食べきれなかったら残してもいいのですがなるべく残さないで食べましょう。

★テストや成績について~

この学校のテスト期間は2回あります。前期テストはは夏休み前です。テスト終了して暫くしてから成績表が生徒達に届きます。もし成績表で落ち度があったら学校で居残りさせられるので故郷へ帰る日もだいぶ削られます。なので普段の授業や試験は真剣に取り組みましょう。先生にも色んな先生がいますが成績表はどの先生も厳しく付けています。

そして後期試験は冬休み前に試験があります。こちらも夏の時と同様に成績表が配られます。冬休み前の試験は1年を締めくくる大事なテストなのでもし合格点に届かなければ冬休み後に再試があります。それでもダメなら留年です。退学は自分の意志がない限り(悪事をして先生から処罰を受ければ別ですが)できません。試験には筆記と実技と分けてある教科もあるので満遍なく勉強しましょう。

★風邪や病気になったら?~

この学校は事務室の許可が降りないと外へは出られません。なのでもし学校で風邪を引いてしまったり病気になったらどうするのでしょうか?それはまず医務室へ行きます。医務室には保健師の資格を持っているおばさんがいます。風邪なら学校と連携している薬局からお薬が処方されますが病気の場合は病院に運ばれて暫く入院ですね。良くなれば退院してまた学校に戻ります。病気の場合は特例として事務室の許可書を書かなくてもOKとなっています。熱の場合は学校の医務室で過ごします。※生理用品も医務室で販売しています。

★Esperanza of fantasia schoolの年間行事~

※入学式や卒業式は日本と合わせてあります。(ごめんよ~)

4月:入学式&オリエンテーション&始業式(教科書販売もこの時です)各寮の生徒代表が中心となって新入生にあれこれ説明します。寮が決められるのもこの時です。

5月:ペイシストラトスがアテナイが専制政治を行う。←この日は学校が休みです。

6月:第1回テスト期間

7月:成績発表&夏休み

夏休みは事務局で外出許可を取ってから故郷へ帰りましょう。手紙を出したい時は学校の敷地内のポストに入れておくと郵便屋さんが持ってきてくれます。切手と封筒は購買部で売っていますのでそちらで買ってください。

8月:8月の途中まで夏休みがあります。終わったら学校に戻り2学期の始まりです。

9月:お祭り(決まった期間にそれぞれのお祭りがあります)

オリンピア祭:4年に1度です。

コリントイストミア競技会:オリンピア祭とかぶらない年に行います。

10月:民会選挙。10人の将軍を選びます。

11月:第2回目のテスト&成績発表

12月~1月の初め頃:冬休みと12月9日ディミトリア祭:町の守護聖徒、聖ディミトリオスにちなんで開催される芸術祭。コンサートや観劇が披露されます。その他冬のお祭りも冬休み中に開催されています。

1月:冬休み後、個人生徒の表彰式(ここでは各寮の代表生徒の発表や優秀者にプレゼントが与えられます)弁論大会もこの時になります。1人1人が弁論を書き、先生達で学年の代表を選びます。選ばれた生徒は壇上にて弁論を読み上げます。

2月:テストで合格しなかった人のための再テスト

3月:3年生からは選択授業を決めていきます。ここから春休みに入ります。

 女神様達は思い出しながら学校の中を歩いて行った。広い廊下に出ていつも食事をしている大広間を通って、中庭に出て花を見てみたり音楽室、美術室、医務室そして図書室、各教室へも行った。

「これだけ回れば十分ね。あとはグラウンドかしら?」

エウノミアーが3人に聞いた。

「そうね。」

3人は短く頷きエウノミアーに続いて歩き出した。


暫くして夕食の時が来た。生徒達は時間通りに大広間に集まり各テーブルの席に着いた。

「私達は一緒に食事を取りましょうよ。」

アストライアの提案で4人で食事を取ることにした。それから4人で食事を取っているとエイレーネがため息を付いたのでエレーテが彼女に”どうしたの?”と聞いた。

「私達は留学生としてこの学校に来たのよね。もうすぐで半年になるわ。あっという間に終わって後悔しないようにしなくっちゃね。」

ホーラの女神様達は元々留学生として迎えられたのだ。しかし彼女達がこの学校にいられるのも1年なのです。この1年間で彼女達は学校を去らなければいけないのである。

「そんな先のこと考えてないで今を楽しまなくっちゃね。」

エレーテがウィンクして彼女を励ました。

「そうよね。まだ日はあるものね。お互いにくいの残らないように頑張りましょうね。」

食事の時4人はそう誓い合った。

食事を終えて席を立った時は他の生徒達も寮へ帰る頃でした。やはり、みんなはあの張り紙事件のことを話していた。彼女達はこの時ガイアやアフロディティーが言っていた言葉を思い出していた。

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