第25話ホーラの女神様達
オリンピア祭は無事に終わりましたがここではホーラの女神様達を中心に留学してから今までのことを振り返っていきたいと思います。
さて、みなさんは留学生として来たホーラの女神様達を覚えているでしょうか?彼女達は 秩序の女神 のエウノミアー、正義の女神のアストライア、平和を司る女神のエイレーネーそして祈りの女神のエレテーの4人だ。
さて、生徒達が徐々に張り紙事件で騒いでいる頃エウノミアーはため息をついていた。
「なにか私達にで来ることはないのかしらね?」
するとそこにアストライアがエウノミアーのところにやって来た。
「どうしたの?」
「だって、ガイアやアフロディティに相談されたじゃない?張り紙事件のことよ!私達は留学生としてもここへ来たけれどホーラ一族がここで団結すると気じゃないかと思うのよ。」
「なるほどね。」
2人は窓の外を見つめながら言った。
なんとかしてあげたいと思っていてもなかなか行動に移せないのが腹が立つと言うエウノミアーとそれをなだめるアストライア。しばらく2人はあれこれ話し合っていたがその場を離れて歩き出した。
今回留学生としてやってきたホーラの女神様は4人です。
その中の一人エウノミアーはギリシア神話に登場する女神で、季節を司るホーライの1人だ。長母音を省略してエウノミアとも表記される。ゼウスとテミスの娘で、ディケー、エイレーネーと姉妹。秩序を司るということですね。ここで疑問に思ったのはゼウスの娘であるということです。ここではゼウスはまだ子供で結婚もしていません。なので彼女達は未来から来たことになりますね。ゼウスここでは幼少期の名前がディオニューソスなので未来の娘に会うなんて新鮮ですね。しかしディオ少年はまさか自分の娘が来ていたなんてこの時は気がついていません。そして留学生の中にエレイーネとエウノミアーとアストライアー(ディケーとも言います)がいるということは3人は姉妹なんですね。エレーテは姉妹じゃありませんので気をつけてくださいね。
普段はホーラたちは自然の正しい移り変わりと人間社会の秩序の二様の女神とみなされており、季節の秩序を司ることから、植物や花の生長を守護する女神とされ、また人間社会の秩序や平和をも司るとされています。また、天界と地上を結ぶ雲の門の番人でもある。それゆえ彼女達は、花を手にした優美な乙女の姿で表されます。
ヘシオドスの『神統記』によれば神々が寄り詳しく書いてあるのでそちらもどうぞ!!
次の日のことだった。アストライアが授業に向かうために廊下を歩いているとそこにアマイモン達が彼女の行く手を阻んだ。
「この前のことを仕返ししてやるからな!」
アマイモンは自信たっぷりに言った。
「なんのことでしょう?私にはさっぱりわかりませんわ。」
アストライアがひどく驚いたのでアマイモンは彼女に詰め寄りこう言った。
「僕が学校を案内するはずだったんだぞ。なのにガイアたちにばらされて散々だったんだよ。どうしてくれるんだ?」
「どうしてくれると言われましても私にはなんともできませんので失礼します。そこを通して頂けませんでしょうか?」
アストライアが彼らの前を通ろうとするもなかなか通してくれずエリゴスとサタンががっちり動こうとしなかった。
「あなた達はなんということでしょうね?悪魔の身でありながら私には向うなど以ての外ですわ。」
アストライアは術で彼らを払い除けて去って行った。
「なんだよ、あいつは!?」
アマイモンは去っていく彼女を睨んでいたが、やがてエリゴスとサタンとともに授業へと歩いて行った。
この日の授業はアクテー先生の社交儀礼と祭典の仕切り方の授業だった。
「みなさん、お静かに願います。授業が始まりますよ。」
生徒達が先生にならって続々と教室へと入って行った。そこにはアマイモン達やケンタウロス達、ホーラの女神様達の姿も見えた。
「この間はアポロン神殿について学んだので先に進みたいと思います。次の今年最後のテストは実技があるからしっかり覚えるようにね。」
先生の説明に生徒達が頷いた。
「566年にはパナテナイア祭が始まりましたね。」
先生が黒板に文字を書いているとエレーテが手を挙げて質問した。
「先生、そのお祭りは女神のアテナを祀るお祭でしょうか?」
「その通りです。こちらのお祭りはギリシャのアテナイで行われていた最大の祭典ですね。またの名をパンアテナイア祭とも言います。アッティカ暦のヘカトンバイオン月の 28日前後4日に、豪華な行進(行列)、羊・牛などの犠牲式(供儀)、競技会などが行われ、刺繍された聖衣ペプロスが車輪のついた船の帆柱に掲げられて運ばれ、女神に奉献されました。4年に1度の大パナテナイア祭と、毎年の小パナテナイア祭に分かれます。」
「牛や羊が可愛そう・・・。」
アフロディティーが先生の説明を聞きしょんぼりした。
「まぁ、アフロディティーは感受性豊かで素敵ね。たしかに先生も少しは可愛そうに思うけれど昔からの仕来りだから仕方がないことなんです。それにみんなだってそう言って動物のお肉を有り難く頂いているでしょう?だから感謝しないといけないわね。」
この授業のテストは筆記の時と実技の時と分かれている。筆記は先生の説明を頭に叩き込んで望めばいいのですが実技となるとみんなの前で(今で言う発表会ですかね?)行いを披露しなくてはいけないのでかなり緊張しますね。これがテストとなると大変だ。夏休み前のテストは筆記のテストだった。なので今年の最後のテストの実技で成績が決まるのである。
こうして1時間目の授業が終わった。でも生徒達の中には張り紙事件を気にして考え事をしている生徒もいた。まあそういう子は先生の注意が飛ぶんだろうけどね。
2時間目の授業はウラノス先生の獣の乗り方の授業でした。この授業はいつも外で行いますが雨の場合は屋内でも乗れる小さな獣に乗ったり獣の操作の講義など中でもできることをします。この日は晴れていたため生徒達は先生と外へ出た。
「やあ、みんな。今日はこの獣に乗ろうと思う。Come on!」
ウラノス先生が手を叩くとその獣がゆっくりとこちらにやって来た。
「うわあ。」
生徒達は見たことのない獣に興味津津なようで目を輝かせて見つめていたし、中には拍手をして歓迎している子もいた。
「今日はラードーンに乗ってもらうぞ。先生がこれから指示を出すからくれぐれも注意するように。」
先生の言葉に生徒達は頷いた。
今回、生徒達が乗るラードーンは林檎園の黄金の林檎を守っている、100の頭を持つ茶色いドラゴンだ。長母音を省略してラドン、あるいは一部の長母音のみを省略や発音の違いから、ラドゥーン、ラードゥンとも言われることもあるけものである。そしてはテューポーンとエキドナの子の一人である。口から炎を吐き、一説では顎の関節が尾にある為、体全体が口のようになっており、百の首を持つといわれている。常に眠らずに黄金の林檎を守っている。
みんながワクワクしているとケンタウロスが先生に質問をした。
「先生、僕は天文学の授業でラードーンはりゅう座と教わったのですが本当なのですか?」
「もしや、アレキサンダー先生の授業ですか?アレキサンダー先生は生徒達に実に愉快に教えますからね。そしてケンタウロス君その通りですよ。この子はヘーラクレースの十二の難行、『金の林檎を取ってくる』冒険の際に、口の中に蜂の巣を投げ込まれ、蜂に口の中を刺されて倒されたなどいくつか説があります。金の林檎を守った功績をたたえた神はラードーンを天空に上げりゅう座としたと書かれていましたね。」
先生とのやり取りの後早速ラードーンの乗り方を教わり、生徒代表でケンタウロスとアストライアが乗ることになった。2人を乗せたラードーンは大空を高く飛んだ。そして学校のグラウンドに戻ってくると雄叫びをあげた。これには生徒達も拍手喝采だった。
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