雨音と本棚

夜月灯火

雨音と本棚


一冊目 ミステリー

 雨が降る正午過ぎの公園の休憩場。今日も屋根付きの小さな休憩場のベンチに腰掛け、持ってきた本を一ページずつめくる。

 一度読んだだけあって結末は分かっているが、それが逆に新しい捉え方につながったりするので、意外に面白かったりする。

 今読んでいる本の内容、というかジャンルはミステリー小説。

 人里離れた洋館に招かれた十人の男女が突如起きた殺人事件をきっかけにそれぞれの過去と招かれた経緯が次第にあらわになり、最後に全てが繋がって犯人へと結びつく。というストーリ。

 海外の方が書いた作品を日本語に翻訳した本で、警察ではなく探偵が出てきたり、疑っていた人物が犯人ではなかったりとする怒涛の展開や、理にかなった繊細なトリックが解明されていく瞬間は、時間を忘れてしまうほど面白い。

 中でも登場人物のそれぞれの過去が残酷であったり、感動的で涙なしには見られないものだったり、登場人物や時には犯人の気持ちになって読んでいくと、また違った解釈や心情が読み取れる。その中でも、杉崎玲子という女性の行動や言葉は人によって解釈が異なると思う。

 この女性が洋館に来た経緯は三年前に突然失踪したという、夫が書いたとされる差出人不明の手紙が家に届いたこと。夫のことを未だに愛していた玲子は、夫と再び顔を合わせる為に、手紙に書き記された舞台となる洋館に足を踏み入れ、事件に巻き込まれてしまった。

 先にネタバレを言ってしまうとこの女性は最終的に犯人によって殺害されてしまうのだが、その時の彼女の表情を見て探偵は「穏やかに笑っている」と発見時に語っている。

 この一文で読者に『犯人は失踪した夫か?』という考えが浮かぶ。理由として他の被害者とは違い笑みを浮かべていた訳は『犯人である夫に会えて何らかの計画を立てて動いているのを説明してもらったが止めずに見逃して計画を進める夫の手助けの為に自ら殺された』と自分の中で確定してしまうからだ。

 しかし物語を進めていくと玲子の夫はすでに亡くなっており、玲子自身もそれを理解していたのではないかという事を探偵が口にする。

 つまり、玲子が笑っていた理由はさっきの説とは別に『失踪したと言いながらも心のどこかで夫が死んだことを理解しており、殺されても夫に会えるという嬉しさから笑みを浮かべていた』という説が新たに浮上してくる。纏めると玲子が笑みを浮かべていたのは、

『実は生きていた夫に殺されるなら嬉しい』

『犯人に殺されたが夫に会えるなら嬉しい』

 の二つに分かれる。他にも色々な意見もあると思うが、私は二つ目の方がしっくりくるし内容的にも良いと思う。絶対に。いや、他の意見を否定する気はないけれど。

 読み終わって視線を上げると降っていた雨が弱まり所々晴れ間が見えていた。本を閉じて休憩所を出ると、いつもと同じように公園に設置されているゴミ箱に本を入れ家に帰った。



二冊目 ホラー

 雨が降る日が当たらない薄気味悪い公園に、一人でいるからこそ体験出来ることがある。

 独占したような高揚感や普段賑わっている公園が、静まり返っていることによる不思議な寂しさもそうだが、あえてこういう雰囲気の元でホラー小説を読むこともその中の一つだと私は思う。

 普通に読むよりもこうして少し陰鬱な場所で読むというだけで、何かいるかもしれないという恐怖と悪寒が強くなってよりホラーの世界を味わえる。今日持ってきた本もこの場に合うような内容の物を選んだ。

 ただ誤解してほしくないのだが、私はオカルトに興味があったりしない。単に本が好きなだけの普通の女子高生だ。

 この本のストーリーを簡潔に纏めると、心霊スポットとなっている寂れた公園で肝試しに来た主人公含めた五人が、八歳ぐらいの少女の幽霊に見つかると命を奪われるかくれんぼに強制的に参加させられて……という内容になっている。

 実写映画化もされていて、私も見に行ったのだが、結構面白かった記憶がある。

 原作である本でもそれは健在で、かくれんぼという馴染みのある遊びが恐怖の題材となったことで親近感があり、どこか現実味がある描写があるのも恐怖を駆り立てる要因の一つだろう。子供のときにこれを読んでいたら、かくれんぼがトラウマの対象になっていたに違いない。

 しかし、ホラーの中には単に恐怖を与えるだけでなく幽霊側の視点や過去が描かれたりすることがある。この本もその中の一つで、幽霊の少女がかくれんぼをするのは友達との遊びの中で一番好きだったのがかくれんぼというだけであり、命を奪うのは一人でいることが寂しいだけで、幽霊になった経緯も病弱で友達とあまり遊べなかったことへの未練からだった。

 そんな背景から、子供ということと純粋な気持ちから、幽霊側に同情してしまう人も多いらしい。

 雨は弱まったものの代わりに雲はより厚くなって昼頃のはずの空は夜中のように暗くなっていた。それに比例するように終盤に差し掛かった本の内容に対する恐怖が段々と増していく。それでも休むことなくページを一枚一枚読み進めていき、本を読み終わると傘を持ってすぐさま休憩所を出た。

 幽霊とか一切信じていないし呪われることもないと思うが、念のためゴミ箱に入れるときに気持ち優しく入れてからその場を後にした。その時に背中に感じた視線が気のせいであってほしいが。



三冊目 ライトノベル

 小説の入り口といっても過言ではないジャンル、それがライトノベルだ。魅力的なキャラクターにかっこいい武器、そして白熱したバトルシーンは何度読んでも胸が熱くなる。

 いま私が読んでいる本の内容は、下町のパン屋で育った主人公が、ある日家に届いた謎のゲームを起動させたことで電脳世界に閉じ込められ、脱出の手がかりを探す為、銃を片手にゲーム内を旅する。といったストーリ。

 荒廃した世界が舞台となっており、主人公や他のキャラクターが扱う武器である銃は全て実在した銃になっている。その為あらかじめ銃について調べてから読むとキャラクターごとに隠れた性格が見え隠れするので、それもまた魅力の一つだ。

 他のジャンルとは違ってライトノベルは前後編だけに止まらずに何年も続くものが多い。この本も五年前に完結したが、私が小学生の時からこのシリーズは始まっていた。ページ自体は普通の本と変わらないものの、何十冊もあり一日で読み切るのはできなくはないが難しい。だから今日持ってきたのは私が好きな巻と最終巻の二冊のみだ。

 ちなみに、個性的で魅力溢れるキャラクターが多いライトノベルには漫画やゲームなどと同じく、推しキャラという文化が存在する。私の推しキャラは怖がりなハンドガン使いの少年で、好きな理由は色々あるのだが、一番の理由は何と言っても可愛いからだ。

 好きなキャラや好きな銃、好きなシーンなど友達と語り合うのも楽しいし、一人で読むのも楽しい。様々な楽しみ方があるのも魅力の一つなのかもしれない。

 何度も読み返した自分の好きな巻を読み終え、続けて最終巻の方に手を伸ばしてページを開いた。

 最終巻では私の推しキャラはすでに退場してしまっていて、残った主なキャラクターは主人公とヒロイン、あとはバズーカを持った筋肉質な男性と、味方になったライバルキャラとなった。

 悲しくも熱いラストバトルは感動を抑えられないもので、成長した主人公達や戦死してしまった仲間の分まで戦うといった思いや覚悟は、涙腺を刺激してくる。欲を言うなら好きなキャラが生き残っていた状態でのエンドを見たかったがこればっかりは仕方ない。

 最終巻を読み終わったところでちょうど良く雨も弱まりそろそろ帰ろうとした頃、目線を上げると珍しく私以外の人の姿が目に映った。

 二十代前半ぐらいのスーツ姿の成人男性で、閉じたビニール傘を持ちこちらに向かってゆっくりと俯きながら歩いてくる。その様子は遠くから見てもどこか悲しそうな雰囲気があった。きっと何か悲しいことがあったのだろう。

 二冊の本を持って休憩所から出てすぐに本をゴミ箱に捨てた後、いつもより少し速足で家に帰った。



四冊目 恋愛小説

 私の最も好きなジャンル、それが恋愛小説だ。本にはまったのもこのジャンルがきっかけで、それ以来今もずっと読み続けている。

 中でも今日持ってきたのは私の大好きな本で愛読書と言っても過言ではない。その証拠と言っていいのか分からないが、今まで読んできたどの本よりも表紙がボロボロになっている。

 内容は、母子家庭で育った田舎生まれの主人公が小学三年生のある日、母親の再婚相手の事情で遠く離れた都会に引っ越すことになってしまう。そこから十一年後、大学生になった主人公は生まれ故郷である田舎に三日だけ帰省することとなり、わずかな日にちの中で記憶の片隅にある当時よく遊んでくれて片思いしていた『ネリネの少女』を探す。というもの。

 三日間という短い期間もそうだが、十一年という長い月日で変わってしまった田舎の景色や当時の思い出の場所、さらに純粋だった小学生時代から変わってしまった自分の心情など、子供の時との照らし合わせが多く書かれている。またヒロインは主人公よりも七歳年上で主人公が引っ越しする前は高校一年生だった。それが十一年の時が経って大人となったヒロインがどういう風に主人公に絡んでいくか、それもまた読んでいて面白い。

 他にも理由は沢山あるのだが私のお気に入りになっている一番の理由は、ストーリー内に多数の花が登場しその花言葉が隠れたメッセージになっていること。

例えば主人公の探しているヒロインの特徴である『ネリネ』の花言葉は『幸せな思い出』という花言葉らしい。

 ネリネは桃色の花で、引っ越し前に思い出としてヒロインが主人公にしおりとして手渡すのだが、その花言葉の意味のとらえ方が終盤にかけて変わる場面は何度読んでも感動する。ネリネだけでなく『アベリア』や『シオン』などのあまり知らない花も登場する、とても勉強になるし意味を知ると感動できるこの本は正直言って手放すのはとても惜しい。

 だが読み終わったら必ずゴミ箱に捨てなくてはいけないなぜなら・・・・・・

 あれ、なんで私は本を捨てているんだろう。理由はあったはずだがはっきりと思い出せない。今思えば常人ではしないことを私は平然と繰り返していた。

 どうして何回も読み返した大切な本を私は捨てなくてはいけないんだろう。

 どうしておかしいことだって気づけなかったのだろう。

 どうして当たり前のようになってしまっていたのだろう。

 だめだ、考えても分からないし気が散って本にも集中できない。続きは惜しいが仕方ない。

 本を閉じてすぐさまゴミ箱にボロボロの本を投げ入れて、置いてきた傘を取りに戻ろうと休憩所に目を向けると私が座っていたベンチの反対側の端に誰かが座っていた。

「ごめん、少し遅れちゃった」

 よく見ると昨日見たスーツ姿の男性だった。傘を忘れたようで髪もスーツも濡れており、膝にはユリの花が詰まった花束を乗せている。

「すごい雨だね、こんなに降るなんて思ってなかったよ」

 独り言にしてはやけに声が大きく、誰かに向かって話しかけているような口調に感じる。でも男性の目線は私ではなく、雨が降る景色が続いている誰一人としていない公園を見ている。

「これじゃしばらく止みそうにないね」

 もしかして私に対して話しかけているのか? でも初めて見る人だし一度そう思ってしまうと急に気味悪くなってきた。

 だが傘はベンチに立て掛けている。近寄りたくないと思いながら仕方なく休憩所に入ろうとした時、

「覚えてるかな? 雨音(あまね)」

 男性の言葉に思わず足を止めてしまった。あまね、ただの何気ない言葉のはずなのに何だかとても懐かしい気がした。理由は全く分からない。でも・・・・・・

 困惑していたその時、突然激しい頭痛が私を襲った。割れるような激痛と共に妙な記憶がフラッシュバックのように駆け巡り、頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。

 激痛が終わった後よろめきながら立ち上がった。非常に痛い体験をしたがそのおかげなのか、私は今まで忘れていたことを全て思い出した。

 そうだ、私ここで死んだんだ。




五冊目 雨音の本

 私がまだ高校二年生だった時のあの日もこんな天気だった。雨が降って薄暗い雲が空一面に広がっていた。

 私はその日ある人と映画館に向かうため、休憩場の中でベンチに座りながらお気に入りの本を読んでその人が来るのを待っていた。

 何気なく本を読み進めちょうど終盤に差し掛かったその時、黒のパーカーに身を包んだ女の人が無言で私に近づいてきて私のすぐ前に来た瞬間、私のお腹にナイフを刺してきた。

 突然のことによるパニックと感じたことのない激しい痛みにベンチから転げ落ちた。助けを求めたが声は雨の音にかき消され、黒パーカーの女性は何ごともなく去っていった。

 意識が完全に途絶えた後、目蓋が開くのが分かりベンチの上で目を覚ました。ぼんやりとしていたが寝起きとよく似た感じで悪い夢でも見たのかと思ったが、寝ていたベンチの後ろには雨に濡れた献花とお菓子が大量に置かれていた。その時に初めて今まで信じてなかった幽霊に私自身がなってしまったんだと察した。

 幽霊になっても体に変化はなく不思議と物にも触れた。ただ幽霊になっても暇には勝てないようで、お供え物の中に暇つぶしの道具がないかを探していると一冊の本がお菓子の山に隠れて置かれていた。その本は紛れもなく私の本だった。

 何回も読み返した本だったが私は手に取って久しぶりに本を満喫した。そして読み終わった後、誰が置いてくれたのかを考えた末に私は待ち合わせしていた人が置いてくれたんじゃないかと思った。その待ち合わせをしていた人こそ今ベンチで座っている当時付き合っていた彼だ。

 親が置いてくれたのかとも考えたが、両親は二人共雨が嫌いだ。よりにもよって雨の日に私が殺されてしまったこともあってより外には出ないだろう。彼なら親にも面識はあるし、私の部屋から本を持ってくるのも可能だろう。

 それからは無心で空を見上げたり、寝て起きると時折置かれている本を読んだりして毎日を過ごしていた。幽霊だから空腹も感じず、公園に来る人は私の存在にも気づかない。寂しさもあったがそれを見守るように眺めるのはそれはそれで楽しかった。

 だけどそんな日にある時異変が起きた。お供え物も減って事件が少しずつ忘れ去れていっているのを感じ始めたある日、その日もいつものように過ごし眠りについた。次起きたのは雨の日だった。ちょうど私の事件があった時のような薄暗い天気だった。その日もいつものよう過ごして眠りにつくと次起きた日もまた次の日も決まって雨だった。

 そこから毎日起きた日は決まって雨だった。そして雨が止むとその瞬間、意識が無くなってまた雨の日まで起きらないといった規則性ができていた。

 幽霊としての私の存在は事件の記憶に比例しているかもしれない。

 その時に完全に忘れ去られると幽霊としての存在自体消えてしまうのではないかとも思ってしまい途端に怖くなってしまった。

 私は自分の存在を保つためにどうすればいいか考えた。そして悩んだ末にたどり着いた答えが本を捨てることだった。

 それからは目が覚めた時は必ず今まで供えられていた大量の本を最後に一度読んで捨て、読んで捨てをずっと繰り返した。でも効果はなく、記憶まで曖昧になり始めた結果、自分は生きていて雨の日になるとこの場所に座って本を読みに来ては本を捨てる女子高生だと錯覚してしまった。


 あれからどれぐらい経つのだろう。彼の横に再び腰掛け横顔を覗いた。彼は身も心もあの時から変わらない私とは違い、高校生の時と比べてよりしっかりとした印象を受けた。

「初めて会った時もこんな天気だったよな。一人公園で本読んでて何かあったんじゃないかって心配して俺が声かけたら、不審者見るような目で俺を睨んだ後、何も言わずに本抱えて逃げて行ってさ。まぁ同じ学校の生徒だったのを知った時の方が驚きだったけど」

 確かに彼の出会いはそんな感じだった気がする。あの時はさっき読んでいた恋愛小説の発売日で、家まで待ちきれなくてフライングしてここで読んでたんだっけ。

「でもそれがきっかけでなんやかんやで、付き合うことになったんだよな俺たち」

 今思えばどうして付き合ったのかなんて私も覚えていない。知り合いから友達になって、友達から延長みたいに恋人になったようなそんな気がする。

「そういえば漫画しか読んでなかった俺に、もっと本読んだらって言ってきたことあったよな。それでその漫画の原作の小説買って読んだら普通にはまって、雨音にも貸したら雨音もはまっちゃって、結局二人共ファンになっちゃったこと覚えてる? あれはお互いに共通点ができたってちょっと嬉しかったよ」

 あれは正直私も嬉しかった。今まで共通して話せる話題が少なかったからお互いに好きなことで話せたのはとても心地が良かった。

「でも、初めて見た映画でいきなりホラー映画に連れて行ったことはまだ許してないからな」

 そう言いながらも彼の顔には笑顔があって私も釣られてクスッと笑ってしまった。怖さを紛らわそうと映画そっちのけでポップコーンを頬張っていたっけ。

「でも、お詫びに連れて行ってあげるって言ってたミステリー映画は行けなくなっちゃったな」

 急に悲しそうな表情を浮かべて彼は下を向いてしまった。あの日私が彼と待ち合わせしていた理由は、ホラー映画を半強制的に見させたことへのお詫びとして、彼が好きそうなミステリー映画に行こうと誘ったからだ。

「もっと早く行っていれば雨音もきっと」

 後悔の思いが滲んだ言葉にかける言葉が見つからなかった。どうせ声を出したところで気づかれないと思うが、忘れてはいたものの彼氏だった人のこんな暗い顔は見たくはない。

 でも、幽霊になった私にはただ同情することしかできなかった。

「そろそろ行くよ」

 彼は指で目元を軽くなでると立ち上がり、

膝の上に乗せていた花束を自分の座っていた場所に置いた。

「管理人さん、また本捨てたのかな?」

 どうやら彼は本を捨てたのは管理人だと思っているらしい。まぁ幽霊が消えたくないから本を捨ててるなんて誰も分からないだろう。

「これぐらいなら許してくれるかな?」

 そう言って彼はズボンのポケットからしおりを取り出し花束の上に置いた。

「彼岸花を挟んだしおり、上手く作れてないけど雨音にあげるよ。それじゃまたね」

 そして彼は雨が降る中を走り去っていった。彼の置いてくれたしおりを手にとってその真ん中を見るとプラスチック製の透明なしおりの中に不格好ではあるが赤色の綺麗な花が挟まっていた。さっき捨てた恋愛小説を見た後だからか、私の思考が自然とその花言葉を思い出そうとしていた。

 彼岸花の花言葉は確か、あぁそういうことか・・・・・・

 何の気なしに置いていっただけなのかは分からないが自然と私の口元は緩んでいた。そして微笑みながらも、頬には確かに生温かな大粒の雨が伝っていた。

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