報酬と体育祭と運命が動き出す時

第33話 混浴風呂のチケットを手に入れた生島と.....達也と?

美幸の誕生日が近付いている。

その事に.....俺は美幸と話をしてから下に降りた。

それから美里達を見る。

仁が笑みを浮かべて、おう。大丈夫か?、と俺に聞いてきた。

俺は頷きながら美幸を見る。


「少しだけ.....落ち着きました」


「良かった。美幸」


「ですね」


「.....それにしてもえらいもんに絡まれたな。全く」


「こっちはクソ忙しいのにな」


それから美幸と俺は頷きながら。

美幸は台所に向かう。

その様子を美里達は?を浮かべた。

俺はその事を説明する。


「実はな。何か作ろうって話になってな。.....クッキーか何か」


「そうなんだな。.....んじゃ俺も.....」


「待って。兄貴。アンタが作ったら食べ物がメチャクチャになる」


威勢だけは良い仁がそう言う。

え?コイツはクッキーなんて作れるのか?と思ったが。

直ぐに慌ててキッと仁を睨んだ。

琴ちゃんが、だ。


俺はその事に、やはりか、と思いながら苦笑いを浮かべる。

コイツは何も作れなかった筈だし、と思ったのだが。

仁は青ざめながら後退する。


「じょ、冗談だよ。.....すまん」


「威勢は良いけどそんなので乗り越えないでよね」


「.....はい」


なんか夫婦の様だな。

考えながら.....見ていると。

ミーシャがとんでもない事を言い放った。

それは予想外の言葉だ。


「琴さんって仁さんが好きなんですね」


「.....はぁ!!!!!」


「な.....」


「え.....」


琴ちゃんも予想外なのか。

みるみる真っ赤になっていく。

それからシューッと煙を上げる。

顔が引き攣っていく。


ちょ。ちょっと待て!!!!?

俺達は何も琴ちゃんの事を言ってないぞ!?

何で琴ちゃんが仁を好きって分かったんだよ!?

俺は唖然としながらも、しまった、と思いつつ。

予想外の展開に慌てずにはいられなかった。


「え?これ言っちゃ駄目なパターンでした?」


「いや。まさかの事に予想外なんだが.....お前なんで琴ちゃんの気持ちが分かった?」


「簡単ですね。.....心理を見透かすのが得意なので」


「.....え!?お前ら知っていたの!?」


仁は唖然としながら琴ちゃんを俺達を見る。

あちゃー.....。

考えながら俺は額に手を添える。


そして美里と美幸に救済を求める様に見てしまった。

参ったなこれ。

うーん、と悩むミーシャ。

それから困惑する。


「ゴメンなさい。予想外の言葉を言ってしまいましたね.....」


「いや。もう言ってしまったもんは仕方が無い。.....琴ちゃん」


「はい!?」


「.....済まない。ミーシャにも言い聞かせるべきだった。うっかりだった」


「.....はい。.....でも大丈夫です」


仁を真っ直ぐに見据える琴ちゃん。

それから仁を赤くなりながら目を潤ませて告白する。

まさかこの家でそんな事になるとは思ってなかったが。

考えながら俺達は赤くなりながら見つめる。


「.....正直こんなに早くに告白する事になるなんて思ってなかったけど。でもミーシャさんのお陰で決意出来たかも。.....馬鹿兄貴」


「.....信じられない。お前が本当に?」


「.....私は嘘を吐かないし。.....それに好きだったのは本当だし」


「.....助けてくれ。達也」


「何を助けろって?.....良かったじゃねーか。取り敢えずは」


まあこんなにいきなりになるとは思わなかったけど。

でも.....琴ちゃんがそう言ってくれて安心した。

考えながら.....俺は仁を見ると。

仁は嬉しいのか何なのか。

涙を流していた。


「.....正直。.....俺は琴が好きだったからな。昔から.....だからメチャクチャに.....嬉しい.....報われた気がした」


「そ、そんなに泣かないでよ.....兄貴のアホ」


「.....良かったね。達也」


「.....ここまでは完全に予想外だけどな」


俺は苦笑いを浮かべる。

そんな感じで時間は過ぎていき。

クッキーを焼いたりして翌日になった。

それから.....学校に登校する。

テストを受け始めた。



「で。お前よ。帰ってからはどうだったんだ」


「.....俺か?.....いつも通りだな」


「.....面白くないな。それは」


「お前は俺か。それにしてもハッピーだぜ」


そんな感じで休み時間に会話をする俺達。

それから.....仁を見る。

仁はニコニコしていて気持ちが悪い。


( ^ω^ )的な感じだったので、である。

そんなニコニコすんなよ.....と思いながら何度目か分からないが苦笑い。

それから.....柔和に笑みを浮かべる。


「それにしてもいいきっかけになったんじゃ無いかこれ」


「そうだな。ミーシャさんに感謝だ」


「.....だな」


「.....今後のお前らが楽しみだ」


「.....いやいや。そんなに褒めるなよ」


腰をクネクネさせる仁.....キモいな。

それに全く褒めてねぇよ。

全く、と思いつつ仁を見ていると。

ミーシャが申し訳なさそうな顔で近づいて来る。


「すいませんでした。達也さん。仁さん」


「.....いや。言い忘れた俺が悪いしな。仕方が無いよ。気にするなよ」


「まあ.....ロマンチックじゃなかったのはあれかもだけどな」


「.....ですよね。.....今後は自重します」


「.....でも気にしてないから。.....琴もな。だから大丈夫だろ」


顎に手を添えてシュピーンと音を立てる様に顎に手を添える仁。

キモいって.....、と考えていると。

背後から仁の腕を掴んでくるクラスメイト。

クラスメイトは、おう。仁。聞いたぜ?裏切ったってな。俺達を、と満面の笑顔を浮かべた。

仁は、え?いや?そんな事は、と言い淀む。


「.....仁なら付き合い始めたぞ。それもとても可愛い女の子と」


「「「「「血祭りにあげてやるぜぇ!!!!!」」」」」


「裏切ったな!?達也ァ!!!!!」


「ケケケ!何時もの仕返しだ!!!!!」


これじゃどっちが屑かも分からないが。

だけどなぁ。

仁にやられた分はこれぐらいじゃすまんもんな。

昨日とか、だ。


考えながらもそのまま連れて行かれた仁。

幸せになった奴は必ず受ける洗礼だ!!!!!、その様な言葉を受けている。

そんな仁にそのまま手を合わせた俺。

流石にこうなってはどうしようもない。


取り敢えずは後で謝ろうかな.....。

そしてミーシャを見る。

ミーシャは和やかな目で周りを見つめていた。


「.....本当に仲が良いですね。皆さん」


「.....全員が悪友だけどな。まあ」


「それでも羨ましいです。.....仲が良いのは友情ですから」


「.....確かにな。.....有難うな。ミーシャ」


俺は笑みを浮かべながら溜息を吐き。

それから.....前を見据える。

次の時間が始まるんだが.....何処行ったのだアイツら.....?


考えながら.....俺は苦笑いを浮かべた。

しかし楽しいな.....今のこの時間は、と思える。

仮にも俺は.....笑みを浮かべていれるんだな。

そうも思えた。



仁は血祭りというか尋問されて戻って来た。

それから俺はテストを何とか受ける。

ヤマが当たった気がする。

良い点数にはなりそうだと思える。

そうして午前中にテストが終わり帰ろうと思い廊下をミーシャと美里と仁と共に歩いていると生島がやって来た。


「三菱ー」


「.....何だ?お前珍しいな。こんな場所に来るとか」


「そりゃそうだろ。今日でテストは終わりだし打ち合わせしないか?」


「あー。お前が無理矢理に誘った体育祭の?.....かったるいな」


「まあそう言うな三菱。.....実はな.....」


ヒソヒソと耳打ちをしてくる生島。

実はな、男女混浴温泉の温泉チケットが手に入ってな.....、と。

なん.....だと。

と某キャラクターの様に顔を顰める。

それから仁達を見る。


「すまない。用事が出来た。ちょっとファミレスに行って来る」


「え?良いけど.....どうしたの?」


「.....本当に体育祭の打ち合わせか?怪しいなお前」


「怪しいですね」


ジト目をする仁とミーシャ。

相変わらず察しが良すぎるけど大丈夫だ。

イヤアヤシクナイヨ?

至って普通だ俺は。

考えながら俺は.....生島と共に歩き出す。


「で。チケットは何枚有る」


「.....全部で8枚だぜ。フフフ.....」


「お主も悪よのう」


「いや。私は三菱がやる気になるなら何でもするからな」


屑!

でもそこが良い奴だよなコイツの。

混浴.....混浴か.....素晴らしいではないか。

考えながら俺はテストで疲れた身体に鞭打った。

絶対にこの機会は逃せれない。

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