第23話 美幸の暴走と体育祭の係決め?

美幸が、すいません。トイレ向かいます、と席を外してから。

俺は勉強に集中していた。

それから15分が経ったのだが.....。

え?幾ら何でも遅くね?

と思いながら.....俺はトイレに向かう。


すると.....とんでもない事態が発生した。

何が起こっているのか俺にもさっぱり分からなかったが。

それが.....甘美な声だという事に.....気が付く。


つまり端的に解説すると美幸がトイレで.....自慰をやっていた。

ウッソだろオイ。

多分だけど自慰だ。

何故かといえば.....結構甘い声がする。


「ああ.....ん.....」


「.....」


小さく声を押し殺しながら。

その中で悶える声がする。

美幸の声だと思う。

俺は真っ赤に赤面しながらも.....その声に聞き込んでいた。

馬鹿な真似をしている。


「.....ん.....良い.....」


「何やってんだ俺は.....」


まさかこんな事態になるとは想像にも及ばず。

何をオカズにしているのかは知らないが。

とにかく離れるべきだ。


俺は考えながら.....トイレのドアから離れようと思い。

立ち上がろうとする。

すると足が痺れていたのかバランスが崩れドアを開けてしまった。

俺は真っ赤になりながら目の前を.....見る。

そこには.....パンツ姿の美幸が.....居た。


「.....やっはろー.....」


「な、な、な!!!!?ま、まさか聞いていました.....?」


「.....多少は」


「き.....」


叫ぼうとする。

マズイ!!!!!

俺は咄嗟に口元を塞いだ。

それから.....トイレのドアを勢い良く閉める。

直後、俺を探しに来たのか美里の声が。


「あれ?トイレかな?.....達也ー」


「.....」


「.....」


目の前に半裸の女の子が居て.....そして。

俺は口を押さえながら.....首を振る。

誰がどう見ても異常な状態です。


こんな所がバレる訳にはいかない!

それから.....美幸を見ると。

美幸は茹で蛸のようになっていた。

それから.....俺の下半身を見ている。


「.....」


「.....美幸さん?」


「.....これって.....私で興奮したんですか?」


「.....ま、まあ.....」


「.....」


美幸は真っ赤になりながら。

顎に手を添える。

それから考え込む仕草をする。

そして.....俺を見上げてきた。

鎮めた方が良いですか?、と言ってくる。


「美幸。良いか。落ち着け。お前は少し頭が混乱している。そんな事を女の子が言うべき事じゃない」


「.....でも.....」


「.....男が甘美な声を聞けば誰だってこうなる。.....だからって今はしないよ」


「.....はい.....」


去って行った美里の声を聞きながら。

俺達はドアから外に出る。

そして美幸は服を着た。

俺はホッと溜息を吐きながら.....美幸を見る。

美幸は俺を見上げてくる。


「.....何で.....先の事をしないんですか?」


「.....俺はな。体の関係を持つのは結婚してからだって思ってる。だから今はこんな事は早すぎるんだ」


「.....ですか.....ちょっと残念ですけど.....でも達也さんが言うなら.....止めておきます」


「.....」


俺は美幸の頭に手を添える。

それから、偉い、と言いながら笑みを浮かべた。

諦めたのは.....超偉い。

俺もちょっと残念だけど.....。


だけど俺は、と思っていると。

じゃあこれだけなら。

と言葉を発した美幸は。

いきなり俺の首に手を回してきた。

それからそのまま俺達はキスを交わ.....え!!!!?


「キスぐらいなら良いですよね。えっちじゃないですから」


「.....お前.....!?」


「私は達也さんを愛していますから。.....それにこれを初めの頃にやっちゃったのはお姉ちゃんだし.....です」


「.....ハァ.....」


桃の味がする。

因みに.....美里の場合はチェリーの味がした。

俺は真っ赤になりながら.....頬を掻く。

美幸は真っ赤になりながらも.....とても嬉しそうに俺を見ていた。

それから、すいません。私のせいで止まっちゃいましたけどお勉強の続きをしましょうか、と笑みを浮かべる。


「.....美幸」


「.....何でしょうか」


「.....他の男に晒すなよ。その.....部分」


「.....私は達也さん以外の男性にこんなの見せないです。絶対に、です」


「.....そうか」


俺は何故か安心した。

自分のものじゃないのに、だ。

俺は何故だろうと?を浮かべながら。

それからまた勉強をし始めた。


その後に美里も混じってから.....勉強会になる。

しかしその間。

俺はエッチな気持ちを抑えるのが大変だった。

全く美幸め.....。

とんでもない.....。



月曜日。

その日も学校の都合で休みだが.....翌日から散々準備を積み重ねてきたテストがようやっと始まる。

その次は体育祭がある。

俺は.....その事を考えながら居ると。

いきなり生島にファミレスに呼び出された。


「で、何の用事だよ」


「来てくれてサンキューな。実は.....体育祭の準備係の数が足りな.....」


「お断りします」


「いや!?まだ最後まで言ってねぇよ!?何でそう拒否るんだよ」


「当たり前だ。なんて事を言い出すんだ。俺は絶対にやらんぞ。何で係なんぞせにゃならん」


「頼むよー。三菱。アタシは頼る男があまり居ないんだよーお前ぐらいしか」


泣きべそで言ってきても嫌なもんは嫌だ。

何故俺がニート擬きになっているか知ってるのか?

簡単に言えば体育とかが面倒臭いからだ。

俺は首を横に振る。


「俺は絶対に嫌だ」


「.....じゃあさ。交渉しよう。.....もしアタシの頼みを聞いてくれたら.....美里と美幸の写真をやるから。夢有に頼んで」


「.....オイ。お前それはどういう事だ。絶対に乗らんぞその手には」


「.....良いのか?プロマイドだぞ。生写真だぞ。日常の」


「.....」


「.....あーんな事やこーんな事も撮影しているぞ?」


酷い。

俺はぜーったいにその手には乗らん!!!!!

だが正直、興味はある。

くそう.....これは仕方が無い運命なのか?

俺は考えながら顎に手を添える。

そしてゴクリと喉を鳴らした。


「.....その生写真は良いのか?」


「.....ああ。結構な。.....まあアタシは全く興味無いけど」


「.....お前も夢有さんも心底なクズだな.....だが.....」


「.....おう。やってくれるのか?」


「仕方が無い。生写真とプロマイドの為だ。やってやろうじゃないか.....」


フッフッフ、と笑う俺達。

さぞかし不審者に見えた様だが店員が客がドン引きしている。

生島などに混じってのクズにはなりたくなかったが。


だけどこれは美里と美幸の未来を守る為でもある!

ご理解を頂きたい。

考えながら.....俺は><の顔をしながら頷いた。

全く.....クソッタレ、と思いながら、である。

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