第2話

 ――屋上から死体が入った袋が降ってきた。

 そんな話はあっという間に広がった。そんなことがあれば即時帰宅かと思ったが、投稿していた生徒は体育館に集められた。

 噂だと落ちてきたのは源田龍次、福江美代子の二人だという話が耳に入ってくる。

確かにこの学校で金髪は多くないので、あの袋から見えた金髪頭ですぐにわかったのだろう。そしてもう一人の福江美代子は左手から推測されたそうだ。派手な爪とアクセサリー、そして源田龍治と付き合っていたことからそういう噂が立ったらしい。

 教師たちは誰かは言及しなかったが、この体育館に二人がいない事やあの袋の中身の目撃者の証言もあるので、おそらくその二人なのだろう。


 あの二人は校内では有名ないじめの中心人物だったこともあり、それなりに恨まれていた。今回の件でそれが表に出るのを恐れた教師たちは生徒を集めて口止めを行おうとしているのだろう。

 登壇した校長は生徒たちにやたらと長く遠回しで、自分たちには責任はないという事を弁明し、生徒たちにマスコミなどに聞かれても相手にしないようにと告げて壇上を後にした。

 その後、生活指導の教師から今日はこの後教室に帰り即時帰宅することと、現場検証が行われるため、明日から二日間の自宅待機が伝えられる。

 通常の飛び降り自殺なんかではなく、袋に詰められた死体が落ちてきたのだから確実に他殺や死体遺棄で事件性があるのは明白だろう。

 死んだ二人を思い泣く者も居れば、突然の休みに小さく喜ぶ者もいた。まぁ友人とってはいい人物であったんだろうが、関係ない人間からしたら突然降ってわいた休みなのだから棚ぼたというものだろう。不謹慎だが。

 自分はいじめを行っていた二人には絡まれた際に避けて、階段から落ちたのを目撃した程度の関係だった。

 そういえば彼が落ちるのを見るのは2回目だな。



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