落ちるのを待つ間。
さめねこ
第1話
いつも通りの時間。いつも通りの道。いつも通りの学校。何も変わらないいつも通りの生活を退屈であると感じながらそれが変わっていくのも面倒だなどと考えていつも通りに登校していた。校門で教師に軽く挨拶をして下駄箱に向かうと、どさりと思い音を立てて黒い袋が落ちてきた。あと少し早ければあれが自分の頭上に落ちてきたことだろう。上を見上げると窓はすべて閉まっている。誰かのいたずらというわけではなさそうだ。もっとも、いたずらでこんな重そうなものを頭上に落とされてはたまったものではないが……。
周り生徒も落ちてきたその袋を遠巻きに見るだけで近寄りはしない。関われば自分が片付けをしなければならないと考えているのだろう。目の前に落ちてきてしまったが、ここは見なかったことにして避けて通ろうとすると、校門で生徒に挨拶をしていた教師が声をかけてきた。
「宮沢、大丈夫だったか? ったく誰だこんなもん落としたのは!」
教師の隣には見知らぬ生徒が二人。おそらく落ちてきたこの袋の事を教えて呼んできたのだろう。
「はい、大丈夫です。ちょうど目の前に落ちてきたので、あと少しでぶつかるところでしたが……」
「そいつは災難だったな。これは俺が処理しておくからお前らは行っていいぞ。ほら、お前らも見てないで散った散った! ささっと教室いけ! それとも手伝いたいのかー?」
冗談交じりに周りの生徒を散らす教師。教師の冗談に笑いながら、生徒たちは立ち止まらず下駄箱に向かっていく。俺もそれに続いて下駄箱に向かうことにした。
「よっ……。やけに重いな。何が入ってるんだ……。っあ、うわぁぁぁぁぁ!」
教師の悲鳴に驚き振り返り視界に入ったのは、しりもちをついた教師と袋からのぞく金髪の頭と誰かの左腕だった。
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