第2話 順応しすぎだろ・・・
俺が先に風呂に入らない・・・
いや、入れない理由・・・
それは・・・
「ええ!?お兄ちゃん、一緒に入ろうよ~!」
って、事になるからだ!
「い、いや、俺は後でいい!本当に後でいいからね!」
「ええ~!?」
俺が頑なに断ると、唯は寂しそうな顔をしていた。
いや、これは唯だけの話ではないのだ!
しかも、今は直接言ってきたからまだましである。
というのも・・・
・・・・・
朱美さんと親父が籍を入れ、俺の家に3人が来て間もない頃。
朱美さんは
彼女達は俺を男(異性)としてではなく、家族として見て受け入れてくれた。
男として見られないのは別に構わないし、俺も彼女達には同じように家族として見ている・・・
ただ・・・彼女達のある意味での、順応性が異常なほど高すぎたのである・・・
そうとは知らずに、俺は特に何も考えず風呂に入って体を洗っていた時だ。
ガラっ!
・・・
普通に・・・
朱美さんが入って来たのである・・・
もちろん、何も身に着けずに・・・
いや、風呂だから何も着けないのは当たり前だろう?・・・って、そんな話じゃない!
俺が入っている事を知らずに入って来たとかでもない。
むしろ、俺が入っているのがわかっているから入って来たのだ!!
なぜなら・・・
「ちょっ!ちょっと母さん!何で入ってきてんだよ!」
と慌てた俺が、朱美さんに問い掛けて返って来た反応が・・・
「えっ?だって・・・
だったからである・・・
いや、それはどう考えても、息子が出来るの意味が違うだろ!!
それは突発的に出来た息子じゃなく、アナタのお腹に出来た息子の場合でしょうが!
アナタが生んだ息子の場合でしょうが!!
だもん・・・じゃねえよ!!
可愛く言えばいいってもんじゃねえの!!
つーか実際、可愛いよ!!
ああ、可愛いさ!!
朱美さんは物凄く可愛い人だよ!!
って、怒るベクトルが変わっとるがな!!
・・・
もうやばすぎです・・・
さすがにこんな可愛い人が、俺の前に裸で現れたせいで頭が回らないんです・・・
しかも・・・
「せめて、ちゃんと隠してくれよ!」
「ええ?息子と一緒に入るのに、隠すのはおかしいでしょ?」
おかしいのはアナタの頭でしょ!
って、言いたい・・・
いや、本気で頭おかしいと言いたいわけじゃないよ?
常識を考えてほしいって事ね・・・
だってさ、アナタが生んだ子供ならまだしも・・・
息子は息子でも、アナタと血が繋がっていない上、ワタクシはもう高校生ですよ!?
そう思いつつも、全く隠そうとしない体からは目が離せない・・・
だって、スタイル良すぎ・・・
たわわに実った程良い大きさの果実も、腰の括れも、安産型の腰も・・・
・・・・・
じっくり見すぎだって?
・・・あほか!
俺は健全な男子高校生だ!
目を離せるわけないじゃん!?
母(義理)とはいえ、目の前に若い女性の裸があれば見るだろう!?
あ!?見ないのか!?(逆ギレ)
むしろ見ないと失礼(?)じゃん!!
俺は見たいのに目を反らすようなヘタレではないのだ!
だから俺は見る!
見ていいのならしっかりと見るタイプなのだ。
ちなみに俺自身は、ちゃんとタオルで隠しております。
「ふふっ、初めて肌を見せた男性が息子というのも変な話よね」
朱美さんは、笑いながらそう言った。
というのも、朱美さんは女子校育ちであり、前の旦那さんとは大学卒業後に子供を作る予定だったため行為は致さず、俺の親父も今は忙しい事に加え俺達の事を第一に考えているので、朱美さんとは致していない。
という事で、今まで男性の前で肌を晒した事がないという事らしい。
・・・いや、それを聞くとやばくね?
俺が母の初めて(肌を晒す)を経験させるとか・・・
つーか、母親が未経験って・・・
しかも2度も籍を入れているはずなのに・・・
考えてみると、あまりにも滅茶苦茶な状況の家族だと思い知らされ、そこだけちょっと理解が追い付かない・・・
そんな事を考えつつも、朱美さんは隠そうとしないし俺もそんな彼女の上や下からは目が離せない。
朱美さんの中では、俺は完全に息子という認識らしいのだ。
いや、俺も朱美さんを母だとは思ってるけど、俺の認識とのレベルが違いすぎる!!
順応し過ぎでしょ!
さっきも言ったが、俺は息子とはいえ血が繋がっていない上、健全な男子高校生ですよ!?
アナタは、男には誰にも肌を見せた事ないんでしょ!?
色々とおかしいでしょ!!
そんな事を考えていると・・・
「さすがにあまりじっと見られると・・・少しだけ恥ずかしい・・・」
朱美さんはそう言って、サッと両手で
・・・・・
いや!違う!!
違うでしょ!
隠す場所がおかしい!!
隠すのは顔じゃなくて、体でしょうが!!
顔隠して体隠さず・・・
いや、俺もことわざみたいに言ってんじゃねえよ!
そう思いはしても、隠されないのだからこれ幸いと堪能してしまふ・・・
その時である・・・
「お母さん?お風呂入っている所悪いんだけど、兄さんが見当たらないの」
と言う、穂香の声が洗面所から聞こえてきた。
・・・えっ?ちょっ!
ま、まずい!
朱美さんと一緒に入っている事がばれたら・・・
そう思った俺が、慌てながら朱美さんにジェスチャーを送ろうとしたのだが・・・
「ええ、だって悠くんなら・・・私と一緒にお風呂に入っているもの」
と、俺が口止めする間もなく、はっきりと告げてしまいましたよ・・・
ちょっとおおおおお!
と叫びたくなった・・・
この後の展開を考えると・・・
俺はこの先、生きてはいけないだろう・・・
処されるのは間違いないだろう・・・
「ええ!?ちょっと、お母さん!!どういう事!?」
ほらっ、なんだかヤバそうな感じじゃん・・・
逃げ場のない俺はもう、処される覚悟をしたのだが。
「お母さんだけずるいよ~!私も兄さんがいたら、一緒にお風呂入るの夢だったのに!」
えっ?ずるい!?
どういう事!?
何か思っていたのと違う展開?
一緒に入るのが夢だった!?
そして、更なる(俺にとっての)悲劇が・・・
「唯~!兄さんは今、お母さんとお風呂入ってるって~」
ちょっ!
なんで唯にまで、普通に報告してんの!?
しかも声からする感じだと、怒っている様子は見られない。
むしろ焦っている感じが・・・
なんだか、さっきまで思っていたのと違う意味で嫌な予感が・・・
「ええ!?お母さん、抜け駆けしたのぉ!?」
・・・
今、不穏な発言が聞こえた気が・・・
抜け駆け!?
抜け駆けって何!?
「ほらっ、唯!早く!」
「うん、急ぐよ!お姉ちゃん」
ええ!?
何が早く!?
何も急ぐ事なんてないはずなんだけど?
むしろ、この場から急いで立ち去らないといけないのは俺なんですけど?
そう考えている俺の耳には、洗面所でガサゴソする音が聞こえている。
そして・・・
ガラっ!
・・・・・
風呂場で、穂香と唯が生まれましたとさ・・・
生まれてしまったのですよ・・・
言っている意味わかるよね・・・?
え、わからない?
あ、そうですか・・・
要は、生まれたままの姿で2人が登場したわけですよ・・・
いや、みなまで言わせんな!!
マジかよ!!
マジなのかよ!!
と叫びたくなったのも仕方のない事だろう。
朱美さん程ではないが、それなりに実った形のいい穂香の果実。
下に目をやれば、慎まし気に茂る・・・
そして小ぶりではあるものの、程よく美味しそうな果実を持つ唯。
茂み一つすら無い綺麗なアート。
・・・いや、だから!
何で2人も体を隠さないの!?
じっくり見ちゃうじゃん!
見ちゃったじゃん!!
そして、俺も何を律儀に実況してんの!?
そう言いながらも、今も見てますよ!!
ガン見しちゃってますよ!!
目が離せるわけないでしょうが!!(逆ギレ)
「ちょっと、お母さん!ずるいよ!なんで私達もお風呂にさそってくれなかったの!?」
俺が見ている事など気にする事なく、穂香は朱美さんに詰め寄っている。
いや、それは貴方達だけで入るって事ですよね?
もちろん、そこに俺は含まれないよね?
「話した事あるよね?私達は子供の頃から、兄が欲しかった事や兄がいたら一緒にやりたかった事とか」
・・・あ、やっぱり
「うん、わかっているわ・・・でもね、お母さんも息子の事を思うと、どうしても我慢できなかったの」
「・・・・・」
「お姉ちゃん、もうやめよう?お母さんも色々と大変だったし、息子・・・お兄ちゃんが出来て嬉しい気持ち、私もわかるもん」
・・・・・
「うん、私もわかってるし、別に怒ってるわけじゃないんだよ?ただ、私達にも一声かけてほしかったというだけなの」
「お姉ちゃん・・・」
「・・・穂香、ごめんなさい・・・そうね、私も貴方達に声をかけてからにするべきだったわね」
いや、なんか話だけ聞けば、女性達だけで良い話をしているように聞こえるけど・・・
ここがどこだかわかってる!?
風呂場だよ!?
みんな裸なんですよ!?
俺が見てんだよ!?(体を)
もっと言えば、良い話に聞こえるけど内容はただ・・・
誰が
なんで良い話にしようと纏めちゃってんの!?
そこに俺の意思は!?
つーか、穂香の話は子供の頃の話だよね!?
俺達はもうすでに高校生だよ?
しかも、同じ学年!!
唯も違和感なく普通にしてるけど、俺と一つしか違わないんだよ!?
ほぼほぼ大人なんだよ!?
穂香と唯も、俺を兄として順応しすぎだろが!!
朱美さんだって、
色々とおかしいんだよ・・・
そう思いながら、入り口は彼女達の寸劇で固められて逃げられないため、すでに体を洗い終えている俺はとりあえず浴槽に浸かろう(逃げよう)とする。
「あ、悠くんちょっと待って!私達も入るから」
ええ!?
何それ・・・
いや、俺と一緒に浴槽に浸かる必要はないよね!?
しかも幸運(俺にとっては不幸)な事に、うちの風呂場は浴槽も含めて親父のこだわりにより、それなりに広い。
そのため、4人が余裕で入れるのだ・・・
くそっ!
普段は広くて気に入っているうちの風呂が、こんな時ほど憎い事はない。
そんな俺の気持ちとは裏腹に、3人はいそいそとシャワーを浴びて軽く体を流す。
彼女達がシャワーを浴びている間に、風呂に浸からずに速攻逃げようかと思ったが、時すでに遅し。
浴槽に足を入れていた俺の背後には、すでに朱美さんと思われる人にピタッと身を寄せられていた。
ぬはー!!
凶悪な2つの弾力が俺の背中に!
背中にぃいいいい!!
「ふふっ。はい、じゃあここに座ってね」
俺は朱美さんに引き寄せられながら、朱美さんの足の間に座らされる。
・・・もう、色々とやばめです。
朱美さんは俺を後ろから抱きしめるようにしているため、2つの弾力のある凶悪な果実を感じられるだけでなく、朱美さんの正面部分が上から下まで全て俺の背中に感じられる。
もう、俺はこのまま死ぬのではないだろうか・・・
そんな事を考えてしまうほどである。
更には・・・
「もう、お母さん一人で早いって・・・じゃあ、私はこっち側もらうね」
そう苦笑しながら穂香が俺の右腕を取る。
「じゃあ、私はこっちだね♪」
そして、左腕を唯が取る。
・・・・・
もう!!
なんだこれ!!なんだよこれ!!
なんでわざわざ俺にくっついてくるんだよ!!
一緒に入るにしても・・・
せめて、せめて離れて入ってくれや!
背中だけでも凶悪だというのに、俺の両腕まで姉妹の全てを感じさせられる。
しかも俺の両腕はしっかりとられているため、彼女達の果実の間に挟まれつつお腹を経由し、手は柔らかい太腿の上に乗っているのである・・・
色んな意味で、もうダメだ・・・
そう考えた俺は、すぐ逃げようと考えた。
「も、もう、十分温まったから、俺はもう出る!」
そう言って立ち上がろうとしたのだが、立ち上がるには手に重心をかけないといけない。
しかし、俺の手は穂香と唯の太腿の上にあるため、彼女達の太腿をフヨンと握る形になってしまった。
「お兄ちゃん、くすぐったいよぉ」
「あん、ちょっと兄さん?あまり動かないで・・・それよりも、浸かったばかりでしょ?まだ出るの早いよ」
そう言った彼女達はあろう事か・・・
グイッと腕を引っ張ると・・・
逃げられないように、俺の手を・・・
太腿で挟んでしまった・・・
もう、完全に脱出不可能である・・・
それどころか、挟まれた俺の手は更にやばい事に・・・
俺の腕を掴んでいる彼女達は、太腿で俺の手を挟むのと同時に更に腕を引くものだから・・・
彼女達の付け根に・・・
・・・・・
もう勘弁してください・・・
母と妹に、女性を感じさせないでください・・・
俺は彼女達の事は、母と妹として接していきたいのです・・・
シクシク・・・
「ふふっ、私は息子が出来たら、こうして抱きかかえながら一緒にお風呂に入りたかったのよね」
朱美さんが、俺の後ろからぼそっと呟く。
・・・いや、だから!
それは貴方が息子を生んだ場合でしょ!?
いきなり出来た、高校生の息子にする事じゃないよね!?
「私も、さっきちらっと言ったけど・・・子供の頃から、兄がいたらこうして一緒にお風呂に入るのは夢の1つだったんだよね」
「私も優しいお兄ちゃんと、どんな時でも一緒に過ごせる事を夢見てたの」
・・・だから、穂香と唯も!
一緒に過ごすのはいいとしても!
最悪、一緒に風呂は子供の時だけ出来る事でしょうが!
大人になってからは、家族でも異性とは一緒に入らないの!
特に穂香は同い年でしょうが!
唯も一つしか違わない高校生でしょうが!!
年ごろの親子・兄妹がお風呂に入っちゃいかんでしょうが!!
・・・・・
うがあああああ!!
もういい加減にしてくれええええええ!!
いや、彼女達の想いはわかる。
わかってはいるんだよ!?
彼女達が求めているのは男ではなく・・・
息子と兄だという事くらいさ!
今までずっと、忙しくて中々構ってもらえなかった旦那や父親の面影を追いかけているっていう、本当の気持ちだってわかるさ!
初めて身近に感じられる男の家族に、浮かれる気分もわからなくはないさ!
俺に対して家族として受け入れてくれた事。
それ自体はもちろん嬉しいし、俺も彼女達を母や妹として受け入れている。
しかし彼女達のそれは、俺の比じゃない!
俺を受け入れた瞬間に、息子と兄になっているんだよ!
いや、何を当たり前の事を言ってるんだ?と思ったかもしれないが・・・
そうじゃなくて・・・
彼女達の中では、義理のじゃなくて・・・
もう完全なる息子と兄になってしまっているんだよ!
俺に対して異性という感覚がなくなっているのだ!
生まれた時から・・・
最初から家族だったかのように・・・
彼女達の中に、息子・兄=男(異性)という構図が無くなっているのだ・・・
彼女達の順応性が高すぎるだろ!
もう、俺達は高校生以上なんだよ!
大人なんだよ!
子供の頃に出来なかった事をやる段階じゃないんだよ!
さっきも言ったが、この状況じゃ・・・
いくら母と妹して受け入れた俺でも、性的な感情が生まれちまうじゃんかよ!!
いいか!?
俺は朱美さんや穂香、唯にはなぁ・・・家族として・・・弾力のある果実を
・・・
俺・・・何言ってんの??
もうダメだぁ・・・
まともな事が考えられない・・・
思考が全て、最高の感触に吸い寄せられていく・・・
俺はもうダメだ・・・
このまま天に昇っていきそうだ・・・
様々な感情により俺から魂が抜けかけながらも、その状況を脱したのは・・・
それから十数分後であった。
・・・・・
そんな事があってから、俺は彼女達が寝静まった深夜に風呂に入るようになったのだ。
とはいえ・・・
ずっとそうしていると、彼女達全員から「私達を避けているの!?」と泣かれる事があったため、定期的には一緒に入っていたりなんかしちゃったりして・・・
・・・俺の理性持つのかな。
・・・・・
というわけで、先ほどの唯のお誘いを何とか断って部屋に戻った俺は、そんな事を考えながら彼女達が来てからの事を思い出していたのだった。
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