第11話 新料理開発への道

「寿司って知ってるか?」

「スシ? なんだそりゃ?」

「知らないか。てことはこの世界にはないんだな。寿司っていうのは、簡単に言えば生魚の切り身を米の上に乗せたものだ」

「生? 生はまずいだろ。なんだ、そんなもんが異世界では食されてんのか?」

「まあな」


 日を跨ぎまたグレゴ食堂に来て新料理について話し合ってる最中だ。

 

「それじゃ、たとえ美味くても人気はでないだろうな」

「マジか。新たな試みとしてやってみる気は?」

「ないな。第一魚はこの街まで運んでくるまでに鮮度がだいぶ落ちるからな。その魚を生でっていうのは、お客には出せないなあ」

「あーそういう問題もあるか」


 いいと思ったんだけどな。あまりここの現実を見れてなかった。


「ま、依頼料は払うさ」

「いいのか? ただ話ししにきただけになったけど」

「いいさ。元々ギルドに依頼したときからそうするつもりだったんだよ。興味本位で依頼してみたってだけだ」


 そう言って、封筒を手渡される。


「そのかわり、たまにでいいから客としてきてくれよ。で、そのとき異世界の食文化ってヤツを一個教えてくれ」

「わかった。じゃあ今も一個教えていくよ。俺のいた世界で一番売れてる食べ物なんだが、名前がハンバーガーって言ってな————」

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